2025年05月19日

科学者は信頼できるか・・・高橋真理子さんへ(ブログ その92)

「日本人の科学者が信頼を失った理由は2つあると思います。福島県原発事故の収集にあたる科学者の顔が見えなかったこと、そして、放射線の健康影響について科学者によって説明が違っていたことです。欧州からはどう見えていましたか。」

初代EU主席科学館顧問のアン・グローバーさんに投げかけた鋭い質問から始まるオピニオン「科学者は信頼できるか」(高橋真理子編集委員)が、2012年8月2日の朝日新聞朝刊にでた。

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ヒッグス粒子と巨大科学(ブログ その91)

ヒッグス粒子みつかったか?

ヒッグス粒子が見つかって、新聞では大騒ぎでしたが、実は素粒子研究者の間では、見つかるのは時の問題、確率がどの程度上がるかが勝負、という感触を持っていました。すでに1年前に、図のように、いろいろなグループがヒッグス粒子の質量について、「除外される領域」を明確にしていました。(なかなか全体像を表すような図が見つからなかったのですが、様子がわかるページがないかといろいろ見たのですで、これは大栗さんのブログから引用しています。)

横軸は、ヒッグス粒子の質量を表しています。この図の色や白を塗った領域はすでに、「排除された」ところですから、残っていたのは、矢印で縦線を入れたところだけでした。問題は、質量がどこにあったかなのですが、ニュースではその情報はありませんでした。

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福島第一原発事故による避難者の医療に係わる協力依頼(ブログ その90)

民間事故調委員長だった北澤宏一先生からメールが入ったのは、6月25日のことです。

坂東先生

昨日、宇治の京都文教大学で行われたサイエンスeネットの講演会にまいりました。
聞きに来られた方の中に南相馬から避難中のお母様がおられて、お子様の被爆についてどこかに測定あるいは相談できるところがないだろうかという質問を頂きました。坂東先生にお伺いすると京都大阪地域で適当な相談できる人がいはしないかと思い、先生にご質問させていただく次第です。
ご存じでしたら是非お教え下さい。

北澤宏一

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技術者から学ぶ(ブログ その89)

私たちが始めた低線量放射線検討会(LDM)の新しいページができて活動が可視化され、その様子が皆さんの目に少しとまるようになりました。
ここに活動報告が出ていますが、参加した方が熱心にメモを取り、詳しく報告しています。最近では学生グループの間浦くんが、自分の感想もいれてこの勉強会で学んだことを報告(セミナー報告_120606 セミナー報告_120609)を書いてくれています。
若いエネルギーがどんどん吸収している様子が伺えて楽しみな報告なのです。ぜひ見てやってください。

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中山医師の生き方アドバイス・・・LDMの話題から(ブログ その88)

低線量放射線検討会(LDM)の新しいサイトができて、この活動が可視化され、その様子が皆さんの目に少しとまるようになりました。
今回は、6月9日の中山昌彦さんの話題提供によるセミナーのこぼれ話です。

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基研主導研究会「原子力・生物学と物理」のページ開設について(ブログ その87)

お知らせです・・・

この夏(2012年8月8~10日)、京都大学基礎物理学研究所で、「原子力:生物と物理」という基礎物理学研究所主催の研究会が開かれます。「基研主導型研究会」となっているのは、共同利用運営委員会に申請して、そこで採択される通常の研究会(これを「基研研究会」といいます)とは違うということです。共同利用運営委員会ではなくて、基礎物理学研究所の主催の研究会としての開催が決定された研究会なのです。すでに、基礎物理学研究所のホームページに、この研究会の案内が出ています。

基礎物理学研究所のホームページに連動して、当法人ホームページにも、議論を深めるためのページを開設いたしました。このページにいろいろな資料と議論の素材を掲載していくつもりです。

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