研究会「原発事故後の野生動物への影響をめぐって」
福本学先生は、原発事故後、福島県内に生息する野生のニホンザルについて調査されてきました。福島での成獣の骨髄で血液のもとになる成分が減ったり、胎児の成長が遅れたりしたとする研究成果が英科学誌に報告されています。最近、福島における野生猿のデータを皆さんで勉強する会を持ち、検討いたしました。福島の線量分布や野生生物の食餌採取など様々なファクターを考慮しつつ、ヒトへの影響について推察するという道筋は、今後も続けて検討すべき問題です。
きっかけは、毎日新聞やYahooニュースの記事です。
「羽山伸一・日本獣医生命科学大教授(野生動物学)らの研究チームは、福島市が個体数調整のため2008~16年に捕殺したニホンザルのうち、妊娠していたメスの胎児を調べた。原発事故前後の計62頭のデータを比較したところ、事故後の胎児は事故前に比べ、頭の大きさが小さく体全体の成長にも遅れがみられた。母ザルの栄養状態には変化がなく、チームは事故による母ザルの放射線被ばくが影響した可能性があると結論づけた。
集まって検討いたしましたが、いろいろ疑問も出てきて、ぜひ一度先生にお話を伺いたいという話になりました。
専門の異なる研究者や市民も加わって、こうした研究会ができるのはとても大切です。この研究会で、自由に意見交換できれば思っています。
日 時:2月9日 13:30~17:00
場 所:NPO法人あいんしゅたいん事務所
テ ー マ:原発事故 福島の野生生物への影響
話題提供:福本学(東北大名誉教授 放射線病理学 東京医科大学・東北大学加齢医学研究所特任教授)
主 催:NPO法人あいんしゅたいん