放射線の生体影響に関する国際会議市民フォーラム報告

1.講演資料

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ヴォルフガング ヴァイス氏 講演資料
ウルリケ・クルカ氏 講演資料
SHAMISEN project 補足資料1
SHAMISEN project 補足資料2
SHAMISEN project 補足資料3
ゲイル・ウォロシャック氏 講演資料

2.報告資料

角山雄一氏 報告資料
高垣雅緒氏 報告資料
坪倉正治氏 報告資料

3.参加者感想

「市民と科学者の対話―われわれは福島から何を学んだか?」に参加して

3月18日関西大学梅田キャンパスで開かれた科学者と市民との対話の会は良かったです。私はこの分野の素人ですが大変勉強になりました。何より会場を含めそれぞれの方が本音で発言されており課題の認識が高まりました。これだけ議論が噛み合う会はなかなかありません。今回は鈴木和代さんはじめ、女性の皆様が事前に相当な準備をされたことと思います。

会場の総合討論の中で、専門家と住民の間の対話に課題があるだけでなく、専門家同士の意思疎通も良くないとの意見が出ていました。最後の締めくくりで坂東先生が仰った、日本の学会が細切れで専門家同士のコミュニケーションが少ないとのご指摘は、細切れが悪いのか、それとも組織(Tissue)をまたぐマネージメントが駄目なのか、良くわかりませんが私もコミュニケーションの
不足は部外者ながら感じておりました。それは、

1)2016年9月に土岐の核融合科学研究所で低線量放射線に関する 35 名参加の小さなシンポジウムを開いた(宇野賀津子先生に基調講演をしていただいた)ときに、講演された先生から、こういう分野が異なる専門家が集まって議論する機会は少ないと感謝されました。講演をお願いしした専門家の先生方は私の感覚では同じ分野の専門家に来ていただいたと思っていたので、驚いたこと。

2)2017年7月、東大の弥生一条ホールで福島の復興にからんだ放射線関連学術団体のパネル討論会が開かれたとき<無所属>の宇野先生と福島の川内村村長の遠藤さん以外の講演は、学会やグループを代表した講演がありましたが、グループの活動報告が多くて、集まった専門家が協力して何をやろうとしているのか意義がよくわかりませんでした。何だかアリバイ証明的で、これではボランティアに負けると思ったこと。 があったからです。

シンポジウムを企画したり、参加した経験から言えることは、それを組織する人達の意識の高さ、目的や課題認識の共有ができているかどうかが重要で、これらは事前の議論や準備でほとんど決まると思っています。その点で外国の専門家も含め通訳が必要、時間が限られたなかで良く議論が噛み合ったと思います。 望むらくは、あと 1 時間ぐらい時間的余裕があれば、さらに突っ込んだ対話が図れたと思います。

今回の会に参加するに当たって私自身は、放射線は微量でも怖いと思っている人、とくに確率の理解が難しい人達にどのように説明すべきか? 我々が議論しているような低線量は安全だと断言するほうがよいのではないか(統計学の竹内啓先生も同意見) 何かヒントになる話はないか関心を持って参加しました。

そこで得たヒントはヴォルフガング先生がお孫さんの写真を出され、会場から「先生はそのお孫さんを低線量地域に住まわされますか?」という問いに対して、普段の生活とのリスクが桁違いであることを根拠として住まわせることに何の問題もないとお答えになりました。そこから先は私の想像ですが、もしお孫さんから「ここは危ないの、それとも安全なの?」と聞かれたら、先生は「安全だよ」と答えたであろうと思います。 そして、その次の段階としてできるだけ若い時からリスクの概念を教えようとされると思います。子供のときから教育して判断能力を身につけさせることの重要性は外国からの 3 人の先生方の共通した意見だったように思います。

会でしばしば話に出ていた相手によって話し方(説明の深さ)は変えないといけないことを踏まえ、私はリスクをまだ理解できない人に対しては自分が<安全だと>確信できるのであれば断言してよいこと、そしてそれだけに留まるのではなく、とくに若い世代の子供たちに対しては、くりかえし安全リスクの概念について具体例を出しながら対話して判断してあげることから自ら判断する方向にもっていくことが重要だと思うに至りました。

良い機会を与えていただき有難うございました。

松田慎三郎

4.まとめ

内  容 書  類
講演者資料抜粋  
会場での質疑応答  
メールでの質疑応答