2019年05月25日

 

科学者グループ会議「EBR構築に向けて」 報告

1.概 要

日  時:2019年1月17日(木) 10:00~17:00
場  所:放射性同位元素総合センター分館
話  題:EBR構築に向けて

2.参加者感想

この日の集まりには、個人線量計への関心から参加しましたので、その点についての感想を以下に記します。

予習のためにネットで探した資料の中では、以下が大変参考になりました。

放射線計測についての少し詳しい解説

当日、先生方のお話を伺って、職業被曝については線量測定の枠組みが上手く機能していることが分かりました。
それに対して、今回のような原子力発電所の事故によって必要となった住民の線量測定については体制ができておらず、今回は各自治体のそれぞれの考えによって測定が行われ、その結果、測定機器の選定やBGの処理に差異が生じています。その差異を測定の誤差範囲内と考えて気に留めない方もおられます。
一方、BGの処理の違いに疑問を感じている方もおられることが紹介されました。 そして、BGの処理を含めて、より正確に測定すべきということの理由としては、そのわずかな差によって健康影響が生じることを恐れているというよりは、定義がある以上、それにより即した測定をするよう努力すべきという考え方のように感じられました。

そもそも精緻な計算で定義された実効線量に対して、測定している値の誤差は大きく、実用量と呼ばれている個人線量当量でさえ正確には測れないことを、専門家も当然承知されています。 専門家も今の実効線量や実用量を絶対視しているわけではなく、被曝量については模索中であり、ICRP/ICRUで実用量の見直し等が行われているとのことでした。

職業被曝では、正確さよりも実効線量を過小評価しないということに重点が置かれてきたように感じました。そして、測定値と実効線量を関連付けるために個人線量当量を実効線量とすることが法的に定められています。
事故後の各自治体の個人線量の測定値に関しては、あくまでも個人線量当量という扱いなのか、聞き落としたのかもしれませんが、分かりませんでした。
外部被曝の個人線量(あるいは被ばく量)という表現では、実効線量、個人線量当量、個人線量計での測定値のどれを指しているのか、特に子どもに関して測定値そのままなのか、年齢を加味して調整しているのか等について見分けられないのではないでしょうか。

測定値に正確さを求める心情は当然のことと思いますし、近年、自然放射線と小児白血病の発生に相関があるという論文が複数出されていることもあり、個人線量測定値の細かな数値の差に敏感になる方がおられるのも無理からぬことと思います。
ICRP/ICRUで実用量の見直しが終わるのはまだ先のことのようですので、今の枠組みの中で、個人線量計の測定誤差や子どもの測定値の扱い、用語の使い分け等、一般の者にも分かりやすく伝えて下さるよう、専門家にお願いしたいと思います。

事前に多くの資料を整理して下さって、また当日は、研究者の率直なお話を伺うことができ、大変勉強になりました。                                         

土田理恵子

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