2024年12月05日

宇宙の始まりと命の始まり・・・高分子(ブログ その194)

あるお母さんが、子供を10人ほど連れてやってきて、「原子のことを教えてください」といわれました。

ひとしきり話したところで、「この周りにあるものはみんな原子からできているんですか」とある子供がときくので、「そうやで」といいました。

そしたら、「生き物も原子からできているのですか?」というのです。

するどい!ハッとする質問です。なるほど、なんで生きていない原子から作られたものが、動いたり、息を吸ったり、子供を生んだりと、生き物の性質を持つようになれるのか・・・・・、、日ごろ当たり前に思っているこんな疑問を素直にぶっつける子供たちはすごいなあと思いました。

考えてみれば、いったいこの宇宙が始まったころ、熱い塊から、どのように原子ができていくのか、は少しずつ分かってきました。でも、その無生物の原子から、いつ頃生命がうまれたのかな?

そのためには生命を作るのに必要な「有機物」ができていないといけないですね。
この有機物は、一昔前には、地球のような豊かな環境の星で、しかも海の中で生まれたと思っている人が多かったと思います。ですから、そういう環境ができてからやっと生命が生まれる環境ができたと思っていたのです。
ところが、最近、宇宙から持ち帰った岩石を分析すると、思っていたより早くから有機物があったことが、だんだんわかってきました。そしたら、やっぱり宇宙で生命が先に誕生したのかなと思いますよね。

この生命の材料である有機物は、高分子という分子なのですが、なんでなのでしょう?

そんなことを考えていた時、先日実施した親子理科実験教室(夏休み集中コース)を担当してくれた麦先生と話す機会がありました。
高分子は分子がたくさんつながっていてたくさんの原子からできている分子のことですが、その形が糸状になったり絡まりあって硬くなったり、やわらかいのになかなか剥がれないミカンの袋など、いろいろな性質の物質になります。そのため、いろいろの性質の材料になったりと、実に多様な性質を持ちまができます。

こういう高分子の中心にいるのが炭素ですね。炭素って普通は真っ黒な炭みたいなものを思い浮かべますが、いろいろ炭素原子がつながって、面白い材料を作るそうです。なるほど、だから高分子の材料が使われているのだな、ということはわかりますね。でも、考えてみれば不思議だらけです。それが死んでしまうと動かなくなり、元の原子に戻ります。どこがどう違うのでしょうね。

麦先生の話では、高分子の材料が今、世の中で、いろいろな形で使われているそうです。土に戻れるプラスチック、水をたっぷり吸いこめる素材、やわらかでくっつきやすい素材の高分子が、命を作る素材であると同時にこの世の中でいろいろ工夫されて使われているそうです。