「あいんしゅたいん」でがんばろう 15
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2009年9月16日(水曜)11:59に公開
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作者: 佐藤文隆
9月13日、甲南大学で物理学会の市民講演会があり益川敏英さんと私の2人が1時間づつ講演した。
私の演題は「21世紀の科学」という壮大なタイトルであったが、初めに甲南学園出身の坂田昌一からはじめた。本題についてもメモを用意したが半分もしゃべれなかったので、用意した「講演メモ」を掲載しておきます。
益川ー坂田―甲南―講演会場西の御影
坂田昌一:1911.1総理官邸で出生、父 幹太、内務官僚、昌一は桂太郎総理の命名
その後、父は愛媛県、香川県の知事、高松市長
1920年、会場西の御影に住まう、阪神築港重役、甲南創始者平生八三郎と大阪財界人のロータリークラブで親交、戦後、2年、父は貴族院議員、 昌一「父をみて文系をさけた」
1921年に甲南学園小学校編入―1929年高校卒業まで合計8年間、荒勝文策から理科
1929年一年間東大聴講生、母方の縁戚に仁科芳雄、先年8年の留学欧州から帰国、交流
1930年、京大理学部入学、小学での飛び級戻す、
1933年卒、卒論、湯川から量子力学、その後、理研、朝永、武谷
1年で阪大へ、湯川と研究、K、中間子論の発展2,3,4
1939年、湯川京大教授、坂田講師、結婚し御影から京都へ、足掛け17年、御影住まい
1942年、名大教授、31歳
1970年10月 59歳で逝去、現役
NHK=FM放送1969年7月、「私の古典」シリーズで講話、自然弁証法
「エンゲルスの「自然弁証法」は私の40年にわたる研究生活の中で常に珠玉のように貴い光を投げかけてくれたものであります」
この本との接点甲南学園のエスペラントクラブで知り合った理科の3年先輩の加藤正
自宅が近く親しく、マルクス主義や自然弁証法を坂田に話す、「日本人としては非常に早くこれに馴染んだ一人である」
エンゲルスの執筆は1873-82年だが、マルクスの死で、資本論の完成にエンゲルスは勢力注ぎ1895年没、30年間、遺稿がほって置かれ、ソ連成立後の1925年に出版、ドイツ語、ロシヤ語訳、加藤は出版後すぐの本を伝えた
加藤‐加古訳岩波文庫、出版は1929年、最新の本、英語版は1940年
加藤は京大哲学、独文、語学の天才、河上肇、三木清に感謝 下が32年
灘酒造組合理事子息、治安維持法、ダンネンマン「自然科学史」安田徳太郎と、1949年没
「新しい発見のなかで混迷におちいっている自然科学者達に光をあたえるものでした」
エンゲルスにとっては、元素、細胞、エネルギー保存、ダーウイン進化論など、
その後、坂田にとっては、X線、放射線、電子発見で始まった原子と量子力学の物理学への大変革があった、この大変革を自然観の変革に位置づける上で「古典であった」
「現代の原子論の特徴は、物質が単に不連続だという主張するのではなく、これらの不連続な部分、原子―分子―物体―天体などが一般的な物質の諸々の質的な存在様式を制約する結節点だという主張をしている点にある」座右の銘
「「物質の窮極」と考える立場と対決し「物質の階層」という立場に立つ複合模型の研究に取り組んでいるは、この言葉に励まされているからであります」
坂田は1955年にハドロンの複合模型を提唱、44歳、これで名古屋グループを引っ張った
今日の話しは21世紀、歴史でない 言い訳
坂田「三害がはびこっている、三反運動の提唱」1956
「歴史の忘却」「固定化」「経験主義」に反対、歴史の忘却」は私も記憶している名セリフ
坂田の教育、客観的に正しい途を師弟でともに歩んでいる、=マルクス主義、唯物弁証法
20世紀の科学、 佐藤「物理学の世紀」集英社新書1999、20世紀は極端な世紀、
原子の言葉:創造-1935、物理帝国:展開-74,物理のデザイン:成熟75-
私自身の実感:日本の物理の偏向 理論優勢、
転換点:1987年SN1987A,小柴、ニュートリノ 陽子崩壊、KAMIOKANDE、助手になるとこだった、その頃学生ガイダンスで「僕が若ければ実験をやった」物議、
理論郵政の理由:戦後の日本経済的に疲弊、湯川朝永世界的、それと(冷戦構造の国内版)
反軍事、反産業のムードが現実課題から遠いほど高級、という退行的心理
日本は科学技術創造立国:専門家 450万、日本70万、米140、EU134、中120、
人口1万あたり64 米46、独仏32、持てる人材と経済資源を活かすべき
科学は二本足:探索と法則化、実験と理論
探索 explorationとは 新世界の発見、新“場所”新天体、空間時間新サイズ、
データにみる新しい秩序、 新しい技術が新世界発見
経験例: 1965年CMB発見 3K発見 「電話屋がビッグバンを発見」、昨日のノイズは今日のシグナル、新しい技術が新しい世界を見る、
科学と社会の四つの結びつき
知的、役立つ、挑戦、国民的一体感
知的 消費されるエンターテインメントでなく知る喜び
物理学科学生の三つのはしか
非可逆(エントロピー増大)、
量子力学の観測問題
時間ののび、ちじみ(相対論)
役立つ
何の? アインシュタインの四つの顔、革命、原爆、宇宙、ハイテク
感染症―人口増 9人兄弟、食糧増産―農薬、
例 X線天文学とケネデイー暗殺
米軍の非採算科学技術 冷戦崩壊で露呈 インターネット、GPS
挑戦 自己実現、新分野、私の経験、核融合‐プラズマースペースー宇宙線-クエイサー
一般相対論―CMB-ビッグバンー応用素粒子―
国民的 ノーベル賞、湯川 感謝決議、国民国家の効用、科学の費用、二十世紀的
世紀末IUPAP委員、「冷戦崩壊後の・・」SSC中止、・・流れ変わった
「science for scienceからscience for society」ブタペスト会議、ICSU,ユネスコ、
21世紀? 課題ふたつ:AとB
「科学と幸福」「科学者の将来」(岩波書店2001)考えすぎで一言でいえなくなった
「科学とは、未知のことや新しいことを発見するための手段であり、
また今までの常識に挑戦し、新しい常識を作っていく、人間の文化的活動」
知識 皆に伝達可能、知識の中に新たなものを発見―――人間の創造
A
「常識になる」 民主主義社会、環境、持続可能なサイズ(人口、社会、・・・)
例:江戸の密度 「諸物の軽重は産所と製法によりて定め難し」
民主主義に役立つ、自律した市民の常識、必要不可欠、リテラシー
確率ベイズ的データ天気予報、政策論議、地震、災害、ダム、DNA犯罪調査、GM,
進化論、脳科学、人間的価値との衝突 不都合な真実
人間、社会との「遠さ」 20cは極端な時代、 歴史的の波動的・・
基礎科学 純粋科学 基礎でない
坂田 日本学術会議会員八期 現実社会と直結した毎日、意識では決して遠くない
ホイラー ブラックホール、最後まで兵器科学に関与、宇宙の波動関数の次の日水爆での津波の及ぶ範囲の計算
B
制度としての過度期 専業100倍、450万、日本70万、医者20、小中高教師100
専門分け方、理科教科 物化生地 エネルギー、粒子、生命、地球
CUDS 科学研究の場に醸成される麗しい行動 マートン 米社会
「勉強好きな子の生きる制度社会」の問題 ほって置くと厄介な存在
「切に問い近くに思えば、仁その中にあり」
切実な 切々と問う
根本を切に問う中で、人々とのプラスのつながりが出来る
公有性、普遍主義、利益からの解放、批判主義
三つの未来:国家統制科学、科学禁止隠れてやる魅力、エンターテインメント科学
守るに足る国家を作るのに役立つ、ウイルソン、フェルミ研