2024年11月02日

東日本大震災 ー 放射線の影響2 訂正(これが知りたいシリーズ-低線量放射線の影響-降下量改訂版) - 日本における放射性物質月間降下量 2011年3-8月のシミュレーション

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日本における放射性物質月間降下量 2011年3-8月のシミュレーション

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この図は、1950年代後半からの、東京周辺でのCs,Stの月間降下量をあらわした図です。1950年から70年にかけて世界中で原水爆実験が繰り返されました。その頃の放射線量は今回の事故以前に比べて1000−10000倍の高い量が長く続いていたのです。1986年に一過的に上昇が認められますが、これはチョルノブイリの事故の影響です。2011年3月の原発事故では福島から200Km周辺までは、一過的に非常に高い量の放射線量が検出されました。その後徐々に低下、8月現在では空中の放射線量は、ほぼ事故前レベルに低下しつつあることがわかります。(月間降下量は8月末現在5月までしか報告されていませんが、入手できる範囲でデータをプロットし、その先は理論的に推定してみました。)

放射性ヨウ素は半減期が8日と短いのでここには現れていません。また、福島の数字は発表されていませんので、ここに書き入れることができませんでした。

このデータからは、チェルノブイリより放射線の放出量が大きかったように見えますが、チェルノブイリと東京は約8000Km、福島と東京は約200Kmです。これは距離が違うからです。

日本における放射性物質月間降下量 2011年3-8月の結果から

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同じグラフですが、3月から8月の大気中の放射線降下量を横軸の幅を広げて、書きました。毎月着実に低下して、8月になると事故前レベルに近づいているのが見て取れます。実際、福島県内の数カ所で、新品のタオルを洗濯、屋外干し後、放射線レベルを測定したところでは、ほとんど放射線は検出されなかったとのことです。土の汚染除去は、またまだ大変ですが、幸いにして、空気中の放射線量はほぼ事故以前レベルに低下しつつあるとのことです。

今後も原子炉からの新たな放射性物質の大量飛散が生じなければ、1950-60年代に育った子供の寿命が特に短いという報告はありませんので、現在の福島の多くの地域の放射線レベルが、長期的にみてもがんを始めとして健康に大きく影響するとは考えにくいです。

しかしながら、その他の健康への影響も含めて、低線量の放射線の影響は、よく解っていないことも多いので、福島県では長期にわたる、住民の健康管理体制とそれによりそう医療体制の確立が望まれます。

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東日本大震災、そして福島原発事故を目の当たりにして、幸い関西にいてこれらの影響をほとんど受けなかった私たちが「今何をすべきで、私たちに何ができるか」を議論した結果、研究者や科学教育に関心の高いNPO法人あいんしゅたいんの会員を中心に「情報発信グループ」を立ち上げました。

「日本大震災 ー 放射能の影響」シリーズは、同グループが発信する情報の1つです。急きょ作成したものですので、今後も皆様のご意見を取り入れつつ、よりよいものへと更新していく予定です。

従って、人にこの資料を紹介するときは、ダウンロードした資料を送るのでなく、リンク先を紹介するようにしてください。1週間もたてば、状況は変わります。私達も出来るだけ新しいデータをもとに適切な資料を作りたいと考えています。
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あいんしゅたいん情報発信グループ【担当責任者:宇野賀津子(常務理事)・坂東昌子(理事長)】