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on-line cafe “湯川博士の贈り物 5”

2021年2月よりサロン・ド・科学の眼差しの講座として始めたon-line cafe “湯川博士の贈り物” シリーズは、2023年6月で通算20回を数えました。

on-line cafe “湯川博士の贈り物”
on-line cafe “続・湯川博士の贈り物”
on-line cafe “湯川博士の贈り物 3”
on-line cafe “湯川博士の贈り物 4”

2023年8月からは、新しくシリーズ5をスタートします。シリーズ5のテーマは、“言葉を獲得した人類の現在と未来” 。ChatGPTに端を発して人間と言葉の問題を掘り下げます。

ChatGPTの出現は、世界を驚かせ「なぜあんなに論理的にしかも、素早く反応して喋れるのか?開発した科学者自身も不思議に思っている」と世界中で議論が沸騰しています。

この問題に以前から着目してきたのが、当法人あいんしゅたいん副理事長の松田卓也氏で、ずいぶん前からシンギュラリティサロンを主催して猛烈な勉強をしてきました。
最大の謎は、このような統計的な処方だけで、なぜここまで人の気持ちまでわかるような振りができるのか、またAIは意識や感情を持ちうるのかということであり、このことは「人はなぜどのようにして言葉を獲得したのか」、さらに「人間はどうあるべきか」という大きな問題を突きつけられていると言えます。

確かに湯川博士は、「人間とは何か、どのようにして、人間の持つ共感、感情と、外界からの情報処理を組み合わせているのか」という議論をしています。
AIについて、現在多くの議論がなされ、さまざまな意見が交錯しています。湯川の疑問を基にして言語と人間の問題を様々な面からお話をしていただき、言語を獲得したAIを目の前に、われわれ人間はどうあるべきか?という議論につなげたいと考えています。


※ 開催済みの動画ダイジェストの閲覧はこちら(参加者限定)


スピーカー: <松田卓也>   <山極寿一>   <広瀬友紀>
     
  神戸大学名誉教授
NPOあいんしゅたいん副理事長
  京都大学名誉教授
総合地球環境学研究所所長
  東京大学総合文化研究科教授
           
  <大西琢朗>   <荒木穂積>   <神谷栄司>
     
  京都大学大学院文学研究科
特定准教授
  立命館大学名誉教授   佛教大学社会福祉学部元教授

司   会:艸場よしみ(絵本・書籍編集者)・坂東昌子(NPO法人あいんしゅたいん理事長・基礎科学研究所所長)

日   程:8月19日~12月9日(全5回)

回 数 日  程 各回テーマ スピーカー
第1回    8月19日(土)  ChatGPTと人類の終焉:言語を獲得した機械の現在と未来 松田卓也
第2回    9月  9日(土)  言語の発生と戦争 山極寿一
第3回  10月21日(土)  ことばとは何か:子どもが教えてくれること 広瀬友紀
第4回  11月18日(土)  ブランダムのオウム―大規模言語モデルと推論主義 大西琢朗
第5回  12月  9日(土)  幼児の言語(language)同定(identification)創造性(creativity)
        ~ 湯川秀樹さんが示唆したこと
荒木穂積
神谷栄司

時   間:10時~12時

講 座 形 式:Zoom配信によるオンラインサロン

定   員:50名

参 加 料:一 般:1講座:800円 全5回一括払:3,000円
      会 員:正会員・賛助会員・利用会員・1講座:600円 全5回一括払:2,000円
                   協力会員:1講座:700円 全5回一括払:2,500円
      日本物理学会会員:1講座:600円 全5回一括払:2,000円

  法人の会員にご入会いただくと、受講料割引を始めとする会員特典を受けることができます。詳しくは、会員特典案内のページをご覧ください。法人会員のご入会は、会員入会申込フォームのページから、必要事項をご記入の上、お申込み下さい。
  内容はそれぞれの回毎に独立していますので、ご興味のある回のみご参加いただいても支障はございません。
  参加料のお支払いは、銀行振込・クレジットカード払い(Visa・Mastercard・American Express・JCB)のいずれかを選択いただけます
支払方法については、お申込み後、当法人より送付させていただくご案内メールにてお知らせいたします。

申   込:参加申込フォームよりお申込みください

ご 注 意:お申込みに際しては、以下の点ご了承いただきますようお願いいたします

  講座の様子は撮影いたします。 撮影した映像の一部は電子教材として使用し、インターネット等の媒体を通じて公開させていただく場合があります。 公開に際しては、可能な限り肖像権に配慮した編集を行いますが、質疑応答を行うという性格上、映り込みが生じる点はご了承ください。
  本講座の映像・音声を、スクリーンショットや写真・動画、録音機器等で許可なく記録し、またそれらを第三者に共有・公開すること、さらに講座に参加するために必要なURL・パスワードを第三者に共有・公開することは固くお断りいたします。
  開催日当日、参加者様のご都合より欠席された場合、払込済参加料の返還はいたしません。参加申込いただいた場合は、この点につき認容いただいたものとみなさせていただきますので、予めご承知おきください。

問い合わせ:NPO法人あいんしゅたいん事務局 TEL:075-762-1522 E-mail:secretariat [at] jein.jp

主   催:基礎科学研究所(NPO法人 知的人材ネットワーク・あいんしゅたいん 附置機関)・物理学会京都支部

支   援:京都府地域交響プロジェクト

備   考: 本講座はZoomを使ったオンラインで実施するため、思わぬシステムトラブル・通信トラブルにより予定通りの内容をお届けできない可能性がある点につきましては、ご理解の上、ご容赦くださいますようお願いいたします

 講演概要
 
第1回 ChatGPTと人類の終焉:言語を獲得した機械の現在と未来

2022年11月30日にOpenAIからChatGPTが発表されて、人類史は新時代に入った。
人類は言語を獲得したことにより、地球を支配する力を獲得したが、今や機械が言語を獲得した。
人類は今後数十年で存続の危機に直面するのか、あるいは未曾有の発展を享受するのか? 人工知能の発展に貢献した三人の専門家ヒントン、ベンジオ、ルカンの意見は2対1で、前者の可能性に傾いている。
現状のChatGPTの知的能力は、言語知能では人間を凌駕しているが、論理・数学知能では人間並である。もし機械が人間を遥かに凌ぐ論理数学知能を獲得したら、人類は地球上で二級市民にならざるを得ない。
昨今の人工知能の発展は日進月歩どころか日進週歩である。私は人類の命運は2029年までに決着がつくと思う。
第2回 言語の発生と戦争

人類は言葉によって共同体を形成し、社会を作ってきた。一方で戦争は、言葉が歪んだ末の産物だとも言えるのではないだろうか。そしていま、言葉を獲得した機械(AI)を生み出すに至って、私たちはどこに向かうのだろう。
ゴリラも言葉を持っているが、人間のそれとは様相が違う。ゴリラと比較しながら、言葉の意味と、言葉の獲得と人間の成長について考察したい。
第3回 ことばとは何か:子どもが教えてくれること

私たちは小さい頃に母語をいとも自然に身につけ、大人になった今は立派に使いこなしています。
ですが、今振り返っても、その過程を思い出すことはできません。私たち大人が自力で思い出せない、「ことばを身につけた過程」、直接のぞいてみられない「頭の中のことばの知識のすがた」を、子どもたちの助けを借りて探ってみましょう。子どもたちはそうした知識をまさに試行錯誤しながら積み上げている最中です。
大人の言うことをまる覚えにするのでなく、ことばの秩序を私たちが思うよりずっと論理的なやり方で見いだし、試し、整理していく―子どもたちが「ちいさい言語学者」と呼ばれるゆえんです。
第4回 ブランダムのオウム―大規模言語モデルと推論主義

最近の大規模言語モデルに基づく生成AIの爆発的な発展を見ると、AI・ロボットなどの人工的エージェントが、私たちの新しい「仲間」として、社会の中で立ち振る舞う未来がもうすぐそこに来ていると感じさせられます。
しかし、少なくとも私の見立てでは、例えばChatGPTはまだ私たちの「仲間」ではありません。では何が足りないのか。この発表では、アメリカの哲学者ロバート・ブランダムの「推論主義」という立場から、言語を操る動物としての私たちと、来るべき新しい「仲間」たちについて考えてみたいと思います。
第5回 幼児の言語(language)同定(identification)創造性(creativity)~ 湯川秀樹さんが示唆したこと

湯川秀樹さんが公刊されてきた論文やエッセーには人間の創造性を論じたものがあります。またそれに関連する残されていた資料があり、さらに心理学者らとの交流もありました。
それらを参照しつつ、幼児期の心の働きでもある「同定」につながる幼児言語の実際(および理論)を通して、幼児期における創造性の芽およびそれを育む幼児教育の大切さを湯川さんがどのように考えておられていたかを報告したいと思います。
   
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