一方で、JSTの援助も得た機会に、日本物理学会京都支部とも相談して、「科学普及員研修会(JEINET)」を立ち上げ、若い人たちが、科学普及活動にも積極的に参加できるだけの実力をつけたいと、科学普及員認定も始めました。普及員認定委員は、日本物理学会京都支部の先生方と、あいんしゅたいんのメンバーで構成されています(佐藤文隆委員長)。
今年度は、京都大学理学部から、「理学研究科・理学部学生の理科実験アシスタント体験」の業務の一部として、あいんしゅたいんが、実験教室実施に必要な業務の一部を分担しています。これに伴って、親子理科実験教室実施の際のアンケートや講師陣からのコメントをアシスタントに伝え、若い人たちのスキルアップに貢献するための努力を行ってきました。
こうした流れの中で、今年度はじめて、理学部の大学院生・学生の手で企画した親子理科実験教室を訓練の場として活用することを試してみました。いろいろな試行錯誤を含めて、準備を開始したのはこの3月、本格的に始動したのは6月のことでした。通算15回にも及ぶ相談とリハーサルを繰り返しました。リーダーの蔵本さんは、ずっと親子理科実験教室のATをやってくれていたのですが、間浦さんとともに、素晴らしいリーダーシップを発揮して、見事なプログラムを組み立てました。
10月20日の実験教室当日の評判も上々で、さすがに練った内容で、レベルが高く、しかも、1つ1つ工夫が随所にみられ、子どもも満足、保護者の評判も上々でした。当日、アンケートも別途新しく作り、彼らが分析して、反応をしっかり見届けると張り切っています。彼ら自身も、「今まで式だけ理解していたが、実際に確かめることで、自然現象をより豊かに理解できるようになった」と述べています。科学普及活動を、自ら企画し実行する中で鍛えられるいい機会でした。
そこで、この企画に参加した若い人たちの経験を聞く会を催したいと思います。どんな授業展開をして、どのような子供たちの反応であったか、そんなことを、ご一緒に聞きながら考えるミニシンポジウムを企画しました。参加した方、企画した方、これからやってみたいと思う方、今後、枠を広げて研修会を充実していきたいですね。この授業開発研修会には、第3弾「水分子の冒険」を担当くださる山田明彦先生が、わざわざ名古屋から来られてアドバイスをいただきました。若者たちは、山田先生が所属しているグループの取り組み「仮説実験」という科学教育の方法にも興味を持っています。せっかくの機会ですので、若者の科学教室にわざわざ来てくださりメモを取りながら見学いただいた松林昭先生(親子理科実験教室4年連続講師担当)も、そして、これまで親子理科実験教室を担当された先生方(交渉中)にもコメントをいただければと思います。また、京都大学理学部、日本物理学会キャリア支援センター、京都支部の皆さんにも、彼らの指導ぶりを見ていただき、励ましや批判をいただきます。理学部研究科長、日本物理学会キャリアセンター長からもご挨拶をいただきます。
このような試みは、単に教員を目指す若手のみならず、いろいろなキャリアを広げるためにも、また、将来研究者として生きていく力を与えると思います。
どうかお集まりくださり、大いに若者を励ましてあげてください。