2024年03月28日

2014年9月


2014/09/06

ロボットがほとんどの仕事を奪うとき、人間の目的は何になるか?

When Robots Take Over Most Jobs, What Will BE the Purpose of Humans?

2013年3月ニューヨーク連銀の4人の経済学者が報告書を書き、定型的な仕事が消滅する事、トップとボトムの熟練を要する仕事だけが残る事を報告した。

「明確な指示に従い、きちんと定義された規則に従うような仕事を定型的仕事と呼ぶ。これらは中間的な職業に多い。仕事が柔軟性、問題解決能力、創造性を必要とするなら非定型的仕事である。雇用が非定型的仕事に移動するに従い、仕事はトップとボトムの非定型的なものに分極化するだろう」

職業を知的労働と肉体労働、定型的仕事と非定型的仕事のマトリックスに分けると次のようになる。

 

定型的

非定型的

知的労働

事務員

販売員

マネジャー

クリエイター

技術者

医療従事者

肉体労働

建設労働者

機械工

組立工

ウエイター

警備員

1975年から2013年までの米国の職業に関する統計データによると、定型的仕事と非定型的仕事の全体に占める割合は、前者が60%から40%に低下し、後者は逆に40%から60%に上昇している。この傾向は好況、不況によって少し凸凹はあるが、ほぼ一直線である。

さらに詳しく見ると、定型的肉体労働は35%から20%に低下、定型的知的労働は25%から20%に低下、非定型的知的労働は27%から45%に増加、非定型的肉体労働はほとんど横ばいである。

その理由は、工場労働はロボットが代替し、オフィスの定型的な仕事は人工知能が代替するようになったからである。弁護士補助、X線写真判読、スポーツ記事執筆ですらボットにより自動化できる。

オックスフォード大学の研究者が現在ある702の職業について調査した結果、今後10-20年で、今ある職業の47%は消滅するだろうと述べている。結局、近い将来に残る仕事は非定型的な創造的な仕事だけになる。

「我々の研究によれば、コンピュータ化は「技術的平原」と呼ばれる時期を挟んで二つの波に分けられる。第一波では運送、事務、製造業がコンピュータで置き換えられる。第二波は少し遅れてやって来るが、人工知能が創造性、社会的知性を獲得した時に到来する。その時には弁護士、技術者、脳外科医、俳優すらボットで置き換えられる。実際ディープ・ノレッジ・ベンチャーという会社では経営者すらボットに置き換えられている。

「労働を必要としない世界、わずかな人だけがボット経済を運営するような世界では人々はなにをするのだろうか?」

今後の10-20年では、高等教育を受けた、創造的な、発明精神に富む人々は豊かな雇用を獲得するが、それはほんの少数である。今後、機械が商品やサービスをより安く提供できるようになると、十分な稼ぎを得る事が出来る人はほんの一握りになる。

人々に十分な教育を与えるか? あるいは農地に戻って機械家畜とともに働くか? ラダイト運動を起こしてオートメーションを禁止するか? 技術的ユートピアが到来して、人々は未だ存在しない新しい仕事をするか?

どうなるか分からない。しかしはっきりしている事は、農業革命、産業革命に次ぐ大革命がこれからの数十年で起きるという事だ。一世紀とか一世代とかもたたないほど、圧縮された時間で起きるのだ。その時、人々は何をすれば良いのだろうか? そもそも解答などあるのだろうか。