2017年06月22日

「あいんしゅたいん」でがんばろう 6

高校の「学習指導要領」改訂の実施年は平成25年度という事だったが、数学と理科は一年前倒しで平成24年度(2012年)実施となった。何しろ教科書は使用前に検定があり、その後に見本で営業して採択を獲得し、製本するのだから、使用する2年前には中身は出来ていなければならない。私も実教出版の物理の教科書執筆をしているので、現在使われている物理の教科書が10冊ほどドット送られてきた。準備に急発進である。

今度の「改定」で高校理科の構成は久しぶりに外見は元に戻る。しばらく入り口は「総合」であったのが、今度は入り口から「物化生地」四科目である。「物化生地」という並べ方自体は1960年代のメジャーさの順番であって、現在の履修数でいうと「生化物地」なのである。平成20年度の「Iもの」教科書数で言うと生物801,904,化学681,375,物理358,740である。ちなみに、数学Iは1,283,355である。履修数はセンター入試数が増えた辺りで化学が一番多くなり、多分21世紀に入って頃に生物が化学を追い越して一番になったのだと思う。1990年代中頃までは、センター入試の時間割上も生物と地学はマイナー科目扱いだった。その頃、医学部系を中心に「改善」を求める運動があってセンター入試の時間割が変わった経緯がある。

今から十数年前まで、医学部入試合格者の理科の選択科目は大体が物理と化学だった。最近のように社会的な「医療崩壊」ニュースが相次ぐと、世の秀才たちはそんな修羅場の医療現場を志望しなくなっているのかもしれないが、当時は自信のある子は医学部を志望した。数学の点数も理学部などより彼らの方が良い時代も続いた。暗記物は当たり外れがあるから、確実に点を獲得するには論理的にクリアできる科目の方がいいのである。数学と物理はそういう「点の取りやすい」科目だったのである。古い生物学の入試で論理思考の問題を作ろうとするとメンデル遺伝や血液型といった、中身はゲームの数学のような問題しかなく、問題を作るのに苦労したと言う話を聞いたことがある。しかし今では生物も化学・物理・数学化したので入試には困らなくなったようである。しかしより根本には医療は化学・物理・数学では解けない様で、空恐ろしいことが教育の背後で進行してるのかも知れない。