2017年07月21日

「あいんしゅたいん」でがんばろう 3

去る12月4-6日、横浜根岸のJAMSTEC(地球シミュレーターがあった研究所)で「宇宙線と地球環境」をテーマにしたワークショップがあり出席した。外人は僅かだが英語の会議で私も講演した。時々「CO2ナンセンス説」の証拠みたいにこの話題が引き合いに出されるが、サイエンスとしてはそんなものではなく広範な学問を切り拓く息吹を感じた。興味ある方はこちらを参照(「東工大」がらみだが例の丸山さんとは無関係です)

今回の話題はこれではなく知的人材論の基礎認識に関わることである。今から10年ほど前になるが「科学者の将来」(岩波書店)に載っている「制度としての科学」などを書くときに「科学者って何人居るのだろう?」「その数は何で決まるのだろう?」という関心で「科学技術白書」やICSUの文書などなどを調べたことがある。そこで大いに驚いたのは「日本は研究者数世界一である」ということだ。正確にいうと人口当たりの研究者は断然世界一なのである。(この「総数」の12-13%が文系)日本ほど研究者がこれほどウヨウヨそこらにいる国は世界にないのである。

この文章の最後に添付した「科学技術白書」(文科省)にある表のコピーを見てください。実数では流石アメリカが多いが、近代科学発祥地の英、仏、独よりは日本が圧倒的に多い。さらに、「人口当たり」にすると米国を優に日本は上回る。この話をすると「研究者の定義が問題だ」とか言う人もおるが、確かに「研究者とは」とか問いだすとヤヤコシイ課題だが、それは科学技術先進諸国で共通する仕事の外形的な性格を基準で統計をとるのはそう困難ではない。OECDとかはたえずそういう突合せやっている。だから基準を変えても各国比較が大きく変わることはない。今から5,6年前までは、日本学術会議会員の選出は選挙制だったので、ある基準での有権者登録があり「有権者総数」という確定した数字があった。これは大体この「白書」の数字、増加の傾向と合っており、大幅な食い違いはないと思ってよい。この場合の基準は学術誌への論文発表だった。「職の有無」ではない。

日本では人口10万人の地方都市には「専従」科学者が500人は居るのである。急激に増加したのは1960年代の中頃からである。1960年と1999年で比較すると、文系では3.6万から10万人に、理工系で8.2万から63万人に急増した。

ちなみに弁護士は現在は2.5万人ぐらいだが良く知られているように最近急増したもので2000年頃までは1.7万人ぐらいだった。また医師は、現在、人口一万人あたり21名である。ヨーロッパ諸国も25-35人である。教員数は文科省が厳格な数字を「学校調査」として公表する。最近だと、小学校42万、中学校25万、高校24万、その他専修校等10万、大学17万といった数字である。研究者は82万、小中高教師が91万である。

ここでて気付くのは医師、弁護士は資格数であるが、教員の場合は雇用数である。研究者は資格数でも雇用数でもない。旧学術会議有権者の場合のように、「論文」を一つの基準に出来るが、これは一般には生計費を産まない。生計費を産む研究者の行為を拡大する事において、世界一研究者の多い日本は先進国にならねばならないのである。