2017年09月20日

【緊急】再び国立女性教育会館の統廃合問題について(ブログ その73)

当ホームページのニュースカテゴリに、国立女性教育会館(NWEC)の統廃合の危機について署名のお願いを出したのは、1週間ほど前のことです。この間幾人かの方々から賛同の趣旨を送っていただきました。しかし、メールアドレスに間違いがあったこともあり、あまり反響がありませんでしたので、再び、お願いしようと思います。
皆様の中には、NWECというのがどんなことをしていて、本当にこのNWECが、その目的に沿った活動をしているのか、果たしてその目的はどうなのか、といった疑問をお持ちの方もおられることと思います。私も、そのことをしっかりと理解したいと思って、ホームページを拝見しました。

さて、ホームページには、「女性教育指導者その他の女性教育関係者に対する研修、女性教育に関する専門的な調査及び研究等を行うことにより、女性教育の振興を図り、男女共同参画社会の形成に資すること」を目的としていると謳われています。そしてそのために、研修・交流・調査研究・情報・ボランティアの活動・学習支援などの活動を行っています。
2009年(2年前)11月の「事業仕分け」初日、神田道子NWEC理事長の「私の話も聞いてください。一方的にただ質問に答えろというのは心外です」といった蓮舫参院議員との激しいやり取りを思い出す方も多いと思います。それ以後、同会館の運営に対する様々な意見が飛び交いました。神田さんは、政策決定にもっと女性が関与すべきだ、そのためには女性がもっと勉強しなければいけないと思っておられると拝察します。そういう方と女性議員とのやりとりはとても強烈な印象として残っているからです。
NWECの目的そのものに対しての誤解や反感もあることはあります。男を敵視するようなイメージを持つ場合も多々あるからです。男女共同参画というのは、むしろ、「男性も女性も、助け合って社会を作っていこう」というイメージがあります。そもそも、私は男女共同参画というのは、女性の特性を生かした新しい価値観をもつ女性が、協働・参画して社会を作ることだと思っています。
豊かで戦争のない社会を実現したいという強い望みを持つ女性たちが、賢くなって政策提言ができるようになるべきだ、と私も思います。特に女性は暴力や戦争は絶対に嫌だという人が多いと思います。そういう例を多々発見するからです。

空中窒素固定法でノーベル賞をもらったすぐれた科学者、フリッツ・ハーバーは、第2次世界大戦にヒットラーに協力せざるを得ない立場に追いやられました。妻のクララも化学者でしたが、「あなたは科学者でしょ。兵器を作るのに協力するのはやめて」と訴え、最後には自殺してしまいました。
原爆の母と時に呼ばれた、りーゼ・マイトナーは、ナチスには迫害され続けましたが、それでもイギリスから原爆製造に協力するように言われて原爆製造には協力できませんときっぱりと断りました。ナチスが先に原爆製造に成功した時の危機を避けるためとはいえ、多くの原子科学者が、結局原爆製造に協力しましたが、女性だった彼女はそうはしなかったのではないかな、と思うことがあります。マリー・キュリーが生きていたらどういったでしょうね。
尤も、彼女の娘イレーヌとその夫ジョリオ・キュリーはナチ占領下で原爆を製造させないために必死の覚悟で、原爆の材料を北欧に持ち出したということです。世界が戦争に巻き込まれる中で、科学者もまた、悩みつつ、戦争に対して抵抗をつづけたのは事実です。でも、女性の「絶対に兵器製造にはかかわりたくない」という思いは独特のものがあるのでは、とも思います。もっと女性研究者がたくさんいたら、もっと違った形で歴史は進展したのではないか、ついそんなことを考えるのです。

アインシュタインは、ニコライと一緒に、第1次世界大戦のあと、ヨーロッパが愛国心をあおって、みんなが戦争に動員される雰囲気を恐れて、絶対平和を唱える科学者の署名を集めましたが、ヒットラーの暴挙によって米国に亡命しました。そして、絶対平和から、国際警察のような暴力を阻止する組織が必要な考え方に変わったようです。第2次世界大戦のあとは、核兵器廃絶に力を尽くしました。
戦争をこの世界からなくすためにどういう道筋があるか、それは、湯川秀樹先生たち日本の科学者たちも考え続けてきました。これは社会科学まで含む複雑な問題です。湯川先生は、ちょうど、戦後できた憲法9条を大変歓迎され、雑誌「世界」にこのことを書いておられます。ここにも、この社会から戦争という暴力をなくすために、私たちはどうすべきか、科学的に考え、協働できる男女共同参画の姿を見る思いがします。福島原発の事故後、原子力エネルギーの利用の問題で議論が起こっていますが、原発と原爆とは違います。それをしっかり見分けて、今一度湯川先生をはじめ、日本の科学者が、どう考え何を目指したか、どうしてこういう事態になったのか、そういうことをしっかりと検討して、今後の教訓にする必要があるのではと思うこのごろです。東日本震災シリーズの講演会を当NPOとして宇野賀津子さんと立ち上げたのも、こんな思いがこもっていました。

話がそれましたが、女性がその愛と知を活かして社会に影響力を発揮することは、とても大切です、単なる感情だけで、思いが実現するわけではありません。女性がかしこくなることが大切です。その意味で、NWECが、これからも、更にその運営を改善してより効果的にその役割を果たすようになってほしいと思います。
NWECの現理事長 内海房子さんは、民間のIT企業に40年間勤め、技術開発から人事・人材育成にわたる幅広い業務に携わってきた方で、実際に、国際婦人年の10年の中で、日本が変わってきた姿を実感された方でもあり、赤松良子(前文部大臣)さんたちが非常な努力をして成立させた1985年の男女雇用機会均等法が成立のなかで、働く女性の環境が大きく変化したことを見てこられました。この中で、これから、女性がリーダーシップを発揮し、マネージメントにも力を発揮する時代を作りたいと思っておられると思います。
堂本暁子さん、原ひろ子さんなどが、内海房子NWEC理事長とNWECの今後についても話し合う会を計画中だということです。
単に賛同署名だけでなく、私たちの意見をお伝えして、さらにより良い運営、よりわかりやすいNUECホームページを作るための提言をご一緒に届けるのがいいかなと思っています。私自身は、もっとネットワークを広げて、資料なども充実してほしいと願っています。
そこで、大坪さんと始めた署名運動ですが、さらに、これが女性のネットワークを広げるために役立つように、ご意見を一緒に書いてもらうことといたします。以下にある署名簿に書き込んでいただき

bando.masako[at]gmail.com([at]を@に変更してください)
hisako54[at]tcn-catv.ne.jp([at]を@に変更してください   

まで、メールでお伝えください。
すでに、アッピールでもふれたように、NWECは、女性研究者を育てるために、沢山の学界が関わっていろいろな活動をしていますが、NWECはそのために場所を提供してくださり、支援を行っています。そのことは知っていたのですが、この際、更にどういうことを行っているかを見たいと思ったのです。

その1つとして寺岡さんから届いたメールをご本人の許可を得て掲載いたします。
寺岡敦子(医薬情報センターあさひ)さんは、京都大学薬学部卒業生の調査などにもかかわられ、薬学の中での女性研究者問題に最初に取り組まれた世代の方です。じつをいうと、私たちは当時、女性研究者の問題に取り組み、「女性研究者の会」を立ち上げたのは、この薬学部の動きに刺激されたのを思い出しました。当時の様子は、「女性研究者の会たより(ふけんれんだより)」に収められていて、今読むと懐かしいです。もしこのDVDをご希望の方があれば女子学生亡国論が出たころです。

緊急の呼びかけにたして、以下のようなコメントを頂きました。まだご賛同の表明を頂いていない方もぜひ、ご賛同の趣旨をメールでくだされば幸いです。

署名簿(今までに賛同いただいた方々)
坂東昌子(NPO法人あいんしゅたいん 理事長)

宇野賀津子(ルイパスツール研究センター・NPO法人あいんしゅたいん 常務理事)

山縣ゆり子(熊本大学)
光川環代(科学普及活動員)

砂湖和子

コメント: 国立女性教育会館の統廃合に反対です。重要な男女共同参画の拠点である国立女性教育会館が他の法人と統合されると役割が果たせなくなります。世界の流れは女性のエンパワーメントの発揮に期待が寄せられているときに拠点施設の統廃合はやめるべきです。
寺岡敦子(医薬情報センターあさひ)
コメント: 国立女性教育会館の統廃合で、男女共同参画に後ろ向きにならないでください。
「国による国立女性教育会館の統廃合が議論されていることを聞きましたが、これは近来、国際的な女性政策が進められようとしている時代に逆行するものではないかと極めて遺憾です。わが国は男女共同参画基本法が制定され、それに沿った活動が進められているとは言え、女性の社会的進出度を示すGEMやGGI指数などはまだ世界で下位にあり、そうした活動が益々強化されなければならない時に、この分野で調査・啓蒙活動に大きな役割を果たしてきた機関を縮小するなどもってのほかと言わざるを得ません。最近の調査でも、女性の社会的進出を阻む出産・育児・介護などへの社会的支援体制がまだ不十分であるという結果が出されています。このような現況への関係各位のご配慮と、適切なご判断を要望致します。」
注: 寺岡敦子さんは、京都大学薬学部卒業生の調査などにも関わられ、薬学の中での女性研究者問題に最初に取り組まれた世代の方です。実を言うと、私たちは当時、女性研究者の問題に取り組み、「女性研究者の会」を立ち上げたのは、この薬学部の動きに刺激されたのを思い出しました。当時の様子は、「女性研究者の会たより(ふけんれんだより)」に収められていて、今読むと懐かしいです。もしこのDVDをご希望の方があれば女子学生亡国論が出たころです。ご希望の方は女性研究者の会京都まで申し込んでください。
原田慶恵(京都大学教授)

倉元綾子(鹿児島県立短期大学・准教授)