サロン・ド・科学の探索 第14回
日 時:2015年12月13日(日) 14:00~17:00
場 所:NPO法人あいんしゅたいん事務所(京都市左京区吉田本町 5-14)
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テーマ:ニュートリノ またノーベル賞!
トーク:佐藤文隆氏(NPO法人あいんしゅたいん名誉会長・京都大学名誉教授)
佐藤氏は、あいんしゅたいんの名誉会長で、坂東理事長と京大理学部時代から大学院まで同級生です(ただ、佐藤氏はドクターの途中で助手に引き抜かれて先に大学院を退院されました)。佐藤氏の挨拶や略歴はこちらにありますのでご覧ください。 |
話 題: | 2002年のノーベル賞のときに小柴さんは「もう一つ取るんだ」と臆面もなく言っていたが、そのとおりになった。今回はニュートリノ振動だが、梶田さんが大気ミューニュートリノでSKを使って1998-99年頃確認、同時受賞のマクドナルドさんは太陽電子ニュートリノでカナダSNOを使って201-02年頃の確認、の実験だ。小柴さんと同時受賞したデイビスさんの業績は太陽ニュートリノを初めて捉えかつ理論と合わない欠損を発見したものだ。重水のタンクでのSNO実験はこの「欠損」が「振動」によることを確認したのだ。KamLandも含めこれら実験法の戦略を知る必要ある。現在、「振動」実験は加速器や原子炉を用いたT2Kなどが急進展である。この基礎分野で中国勢実験の進出著しく、またGrossやWittenが巨大加速器建設を中国に呼びかけたりしている。 「振動」はニュートリノの質量発見でもある。この理論が日本では牧・中川・坂田だが国際的にはPontecorvoが先に来るが、当時の歴史を思い出す必要ある。またニュートリノは質量あると考えられており、特に宇宙物理では暗黒問題がらみで質量は当然だった。しかし「質量があることは驚きの大発見」と盛んに言われていることの意味を理解するには標準理論でのニュートリノのP非対称性(Lee-Yang, Wu)の発見の意義を思い起こす必要がある。何にせよ「質量確認」は標準理論の先に進む実験による突破口を提供している重大事象なのだ。2002年のは宇宙物理だが、今回のは素粒子ものだ。 ニュートリノに関しては、当初から佐藤氏はいろいろとカミオカのプロジェクトにアドバイスしたり協力したりしてこられているので、裏話もいっぱい聞けると思います。「ニュートリノ研究ってどんな役に立つのですが?」とこの間ある雑誌記者から私も聞かれましたが、その記事を見たら「各施設を無いshで作った国があるとしましょう。あそこから当然ニュートリノが出るのですが、これを捕らえて分析すれば『あそこにあるぞ』と出所が分かるといった利用法も考えられる」と紹介されてちょっと困りました。それより何よりまずは、ニュートリノを図るのはとても精密な測定になるので、測定器が発達し、それが日本の精密測定機器の技術革新に大いに貢献しているとか言うほうがよほど大きなことなのに、一部だけ切り取られて紹介されるといやになります。ところで、佐藤氏はこういう質問にどう答えられるかなと楽しみです。 |
定 員:12名程度
申 込:「サロン・ド・科学の探索」総合ページをご覧の上、参加申込フォームよりお申込みください
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TEL: 075-762-1522(平日10時~17時)
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備 考:クッキーとお茶代として500円をいただきます。ご協力お願いします。