2017年08月22日

第7回科学交流セミナー

科学交流セミナー、今年最後の企画です。今回は、かの名高い武田尭先生をお迎えして、脳のお話です。脳科学の現時点での成果をふまえた、独自の展開が期待できます。どうぞお集まり下さい。


開催日:2009年12月15日 13:30~15:30

講演者:武田尭(所属:東京大学名誉教授・東北大学名誉教授・平成基礎科学財団理事)

タイトル:「人はなぜ自由にことばを操れるか?・・・脳の言語機能・・・」 

場 所:京都大学 基礎物理学研究所 湯川記念館・大会議室 Y306 

要 旨:

科学の諸概念や物理法則を、言語を用いて相互に伝達できることは、よく考えると不思議なことです。科学も脳もヒトの脳の働きの産物であることを考えると、両者を支える脳機能に共通の仕組みが働いているものと思われます。原子分子に比べて、ニューロンはより複雑な構造と機能を持っており、脳の言語機能をニューロン集団の機能をもとにして理解することができるかどうかは、試みる価値のあることと思います。
脳は、言語機能の中枢であるが、MRI,PET等の測定方法を用いて、言語機能を営んでいるときの脳の活性化部位をある程度特定できるようになってきました。
このセミナーでは、サル等の実験動物を用いた運動制御の際のニューロンレベルの機能に関する実験結果、文法は脳のどこにどのように記憶されているか、なぜ多数の単語や句を自然に覚えられるのか、言葉の構成を自由に突然に変えられる言葉の柔軟性はどのようにして得られるのか、等々の難問に、少しでも答える筋道の概略をお話ししたいと思います。脳の言語機能を明らかにすることは、物理学における概念の抽象化、少数の実験事実から物理法則を構成する脳機能、等々の不思議な隠された認知機能の理解にも役立つことと期待しています。

世話人:佐藤文隆(所属:NPO法人・あいんしゅたいん 名誉会長)
    坂東昌子(所属:NPO法人・あいんしゅたいん 理事長) 
    国友浩  (所属:京都大学 基礎物理学研究所) 

備 考:武田先生の横顔

1924年生。東京生まれの東京育ち。
武田尭先生のわかりやすい素粒子の本など、少し上の世代では知らない人はいないが、若い人はご存じない人もいるかもしれません。
1956年、東京大学原子核研究所の教授となり、その後、東北大学に、そして再び米国に。1966年再び12月原子核研究所に所長として全国の大学の共同利用研究所で、数々の国際会議や国際的なビッグプロジェクトの委員を手掛け、将来計画策定などで活躍されました。1969年8月再び東北大学教授に。1975年から85年まで東北大学理学部教授と東大素粒子国際研究センター客員教授を併任。定年後、1988年からは東北学院大学教養部で文系のも担当される傍ら、脳の研究を開始された。武田先生の「素粒子から脳の研究へ」とますますその研究の領域を広げられています。
★主な著書:「素粒子」「場の理論」「物理科学への招待」「形の科学」「脳と物理学」(裳華房)
      「脳と力学系」(講談社)
      「脳は物理学をいかに創るのか」(岩波書店) 

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