2017年11月25日

電気の発見から応用までの歴史 ー ボルタの電池から電流の利用へ ー  杉原和男先生



フランス市民革命、イギリス産業革命、アメリカ合衆国建国といった激動の1700年代後半、その後の電磁気学の洪水のような発展の堰(せき)を切る発見がなされた。それは、静電気によるショック療法の試みが行われていた当時、筋肉収縮の研究を行っていた医学者ガルバーニによる「蛙の脊髄と足の間に、接続された二種類の金属をあてると、足が動く」という現象の発見である。
その仕組みとして、金属の種類によって電子の放出のし易さ「イオン化傾向」が異なることにより電気が流れることを、食塩水などの電気伝導体(電解質溶液)と種々の異種金属の組み合わせを用いて電池を発明することにより、証明したのがボルタである(1800年)。
それまでは静電気を蓄電器にためておき、そこから電気をいっきに放電してしまうような電源しかなかったのが、電池の発明により途切れることのない電流が得られるようになったのである。日本初の電池実験に成功したのは、1831年、宇田川榕菴であった。

ボルタの電池発明を知ったデービーは、複数の元素からなる物質(化合物)に電池をつなげてその化合物を構成する元素を取り出すこと(電気分解)により、1807年から1808年の間に、6種の元素(カリウム、ナトリウム、ストロンチウム、バリウム、マグネシウム)を取り出すことに成功した。また、デービーは、1808年、ボルタ電池を用いて放電発光実験に成功した。
この灯りは「アーク灯」と呼ばれ、これが電気を使用した照明(電灯)の始まりであった。