サロン詳細 - NPO法人 知的人材ネットワーク・あいんしゅたいん https://jein.jp/jifs/workshop/science-salon-2019/details.html Fri, 03 May 2024 13:00:35 +0900 Joomla! - Open Source Content Management ja-jp on-line cafe “湯川博士の贈り物” 2024年特別企画 第2弾 https://jein.jp/jifs/workshop/science-salon-2019/details/2056-yukawa-cafe-2024special2.html https://jein.jp/jifs/workshop/science-salon-2019/details/2056-yukawa-cafe-2024special2.html

サロン・ド・科学の眼差しの講座として続けているon-line cafe “湯川博士の贈り物”シリーズの2024年特別企画として、2月10日に講演会を開催しましたが、続けて3月23日(土)に第2弾を開催することとなりました。

今回は、湯川博士の教え子であり、湯川博士を間近で見ていた佐藤文隆氏(NPO法人あいんしゅたいん名誉会長・京都大学名誉教授)をスピーカーとして、「ビキニ事件と湯川秀樹」というテーマで講演いただきます。

今から70年前の1954年3月1日、太平洋上のビキニ環礁でアメリカ軍による水爆実験が行われ、静岡の第五福竜丸や高知の漁船、島の住民の多くが被爆しました。
その後、第五福竜丸の久保山愛吉さんが亡くなり、ビキニ事件と呼ばれるようになります。この事件をきっかけに、湯川博士はラッセル、アインシュタインと共に核兵器廃絶の活動に立ち上がります。

湯川博士の想いと生き方を教え子として間近に見ていた佐藤文隆氏から話していただき、「今、私たちはどう生きるか」という問いを一緒に考えてみませんか。

なお、現在工事が行われている「新湯川邸工事の進捗状況と今後の予定」についても、岡田知弘氏(京都大学名誉教授)よりご報告いただきます。

皆さまの ご参加お待ちしています!


日   時:3月23日(土) 14時~17時

会   場:京都大学楽友会館 2階講義・会議室
      ※ アクセスマップはこちらをご覧ください

スピーカー: <佐藤文隆>
 
  NPO法人あいんしゅたいん
名誉会長

テ ー マ:この時歴史は動いた! ビキニ事件から70年 ~湯川秀樹博士が未来へつなぎたかったもの~

定   員:100名

参 加 料:無料

申   込:参加申込フォームよりお申込ください

ご 注 意: 本講座は対面で実施しますが、後日オンデマンド配信も予定しています。
  本講座の映像・音声を、スクリーンショットや写真・動画、録音機器等で許可なく記録し、またそれらを第三者に共有・公開することは固くお断りいたします。

共   催:基礎科学研究所(NPO法人 知的人材ネットワーク・あいんしゅたいん 附置機関)
      湯川秀樹宅の保存と活用を願う市民の会

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サロン・ド・科学の眼差し プログラム詳細 Mon, 04 Mar 2024 09:00:36 +0900
on-line cafe “湯川博士の贈り物” 2024年特別企画 https://jein.jp/jifs/workshop/science-salon-2019/details/2047-yukawa-cafe-2024special.html https://jein.jp/jifs/workshop/science-salon-2019/details/2047-yukawa-cafe-2024special.html

2021年2月より、サロン・ド・科学の眼差しの講座として続けているon-line cafe “湯川博士の贈り物”シリーズの特別企画として、日本初のノーベル賞受賞者である湯川博士が創設に尽くされた共同利用研究所「基礎物理学研究所(通称:基研)」において講演会を開催することとなりました。

前回の特別企画は、on-line cafe “湯川博士の贈り物 3”中の1回として昨年1月14日に開催し、壮大な宇宙の謎に迫る科学者の探求を、基研の若いスタッフ、大屋瑶子先生(京都大学基礎物理学研究所講師)と西道啓博先生(京都大学基礎物理学研究所特定准教授)が語ってくださいました。

今回の特別企画では、いま大きな期待が寄せられ将来の発展が期待される技術、量子コンピュータや量子情報といった注目の最新テーマを研究しておられる若いお二人の登場です。
ワクワクする今どきの楽しいお話が聞けると思います。量子コンピュータが次の科学の発展の扉を開くと言われても、「なんのこと?」と思われている方も多いと思います。ぜひ若いお二人のお話を聞いていただき、日ごろ知りたいと思っていることを質問してみてください。

これからの科学がどのように、未来を開いていくか、わくわくしながらお話を聞いてみませんか。 ご参加お待ちしています!


日   時:2月10日(土) 14時~17時

会   場:京都大学基礎物理学研究所 湯川記念館 パナソニック国際交流ホール
      ※ アクセスマップはこちら 11  の建物)ないしはこちらをご覧ください

スピーカー: <伊藤悦子>   <中田芳史>
   
  基礎物理学研究所 准教授    基礎物理学研究所 准教授 

テ ー マ:量子コンピュータでみる素粒子の世界(伊藤悦子)

この世界の物質を作る一番基本の粒子(素粒子)の世界の性質を明らかにするため、最近登場した量子コンピュータを使う試みついて、紹介します

      量子と情報の出会い(中田芳史)

原子や分子の世界には我々の直観が通用しない奇妙な現象がたくさん存在し、量子現象と呼ばれています。本講演では不思議な量子現象を紹介した上で、その量子現象が新世代のコンピュータやインターネットに役立つ!というお話をしていきたいと思います

定   員:100名

参 加 料:無料

申   込:不要(どなたでもご自由にご参加いただけます)

ご 注 意: 本講座は対面で実施し、Zoom配信は行いません。参加希望の方は会場までご来場ください。
  本講座の映像・音声を、スクリーンショットや写真・動画、録音機器等で許可なく記録し、またそれらを第三者に共有・公開することは固くお断りいたします。

共   催:基礎科学研究所(NPO法人 知的人材ネットワーク・あいんしゅたいん 附置機関)
      物理学会京都支部
      京都大学基礎物理学研究所

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サロン・ド・科学の眼差し プログラム詳細 Tue, 16 Jan 2024 03:38:59 +0900
on-line cafe “湯川博士の贈り物 5” https://jein.jp/jifs/workshop/science-salon-2019/details/2027-yukawa-cafe5-2023.html https://jein.jp/jifs/workshop/science-salon-2019/details/2027-yukawa-cafe5-2023.html

2021年2月よりサロン・ド・科学の眼差しの講座として始めたon-line cafe “湯川博士の贈り物” シリーズは、2023年6月で通算20回を数えました。

on-line cafe “湯川博士の贈り物”
on-line cafe “続・湯川博士の贈り物”
on-line cafe “湯川博士の贈り物 3”
on-line cafe “湯川博士の贈り物 4”

2023年8月からは、新しくシリーズ5をスタートします。シリーズ5のテーマは、“言葉を獲得した人類の現在と未来” 。ChatGPTに端を発して人間と言葉の問題を掘り下げます。

ChatGPTの出現は、世界を驚かせ「なぜあんなに論理的にしかも、素早く反応して喋れるのか?開発した科学者自身も不思議に思っている」と世界中で議論が沸騰しています。

この問題に以前から着目してきたのが、当法人あいんしゅたいん副理事長の松田卓也氏で、ずいぶん前からシンギュラリティサロンを主催して猛烈な勉強をしてきました。
最大の謎は、このような統計的な処方だけで、なぜここまで人の気持ちまでわかるような振りができるのか、またAIは意識や感情を持ちうるのかということであり、このことは「人はなぜどのようにして言葉を獲得したのか」、さらに「人間はどうあるべきか」という大きな問題を突きつけられていると言えます。

確かに湯川博士は、「人間とは何か、どのようにして、人間の持つ共感、感情と、外界からの情報処理を組み合わせているのか」という議論をしています。
AIについて、現在多くの議論がなされ、さまざまな意見が交錯しています。湯川の疑問を基にして言語と人間の問題を様々な面からお話をしていただき、言語を獲得したAIを目の前に、われわれ人間はどうあるべきか?という議論につなげたいと考えています。


※ 開催済みの動画ダイジェストの閲覧はこちら(参加者限定)


スピーカー: <松田卓也>   <山極寿一>   <広瀬友紀>
     
  神戸大学名誉教授
NPOあいんしゅたいん副理事長
  京都大学名誉教授
総合地球環境学研究所所長
  東京大学総合文化研究科教授
           
  <大西琢朗>   <荒木穂積>   <神谷栄司>
     
  京都大学大学院文学研究科
特定准教授
  立命館大学名誉教授   佛教大学社会福祉学部元教授

司   会:艸場よしみ(絵本・書籍編集者)・坂東昌子(NPO法人あいんしゅたいん理事長・基礎科学研究所所長)

日   程:8月19日~12月9日(全5回)

回 数 日  程 各回テーマ スピーカー
第1回    8月19日(土)  ChatGPTと人類の終焉:言語を獲得した機械の現在と未来 松田卓也
第2回    9月  9日(土)  言語の発生と戦争 山極寿一
第3回  10月21日(土)  ことばとは何か:子どもが教えてくれること 広瀬友紀
第4回  11月18日(土)  ブランダムのオウム―大規模言語モデルと推論主義 大西琢朗
第5回  12月  9日(土)  幼児の言語(language)同定(identification)創造性(creativity)
        ~ 湯川秀樹さんが示唆したこと
荒木穂積
神谷栄司

時   間:10時~12時

講 座 形 式:Zoom配信によるオンラインサロン

定   員:50名

参 加 料:一 般:1講座:800円 全5回一括払:3,000円
      会 員:正会員・賛助会員・利用会員・1講座:600円 全5回一括払:2,000円
                   協力会員:1講座:700円 全5回一括払:2,500円
      日本物理学会会員:1講座:600円 全5回一括払:2,000円

  法人の会員にご入会いただくと、受講料割引を始めとする会員特典を受けることができます。詳しくは、会員特典案内のページをご覧ください。法人会員のご入会は、会員入会申込フォームのページから、必要事項をご記入の上、お申込み下さい。
  内容はそれぞれの回毎に独立していますので、ご興味のある回のみご参加いただいても支障はございません。
  参加料のお支払いは、銀行振込・クレジットカード払い(Visa・Mastercard・American Express・JCB)のいずれかを選択いただけます
支払方法については、お申込み後、当法人より送付させていただくご案内メールにてお知らせいたします。

申   込:参加申込フォームよりお申込みください

ご 注 意:お申込みに際しては、以下の点ご了承いただきますようお願いいたします

  講座の様子は撮影いたします。 撮影した映像の一部は電子教材として使用し、インターネット等の媒体を通じて公開させていただく場合があります。 公開に際しては、可能な限り肖像権に配慮した編集を行いますが、質疑応答を行うという性格上、映り込みが生じる点はご了承ください。
  本講座の映像・音声を、スクリーンショットや写真・動画、録音機器等で許可なく記録し、またそれらを第三者に共有・公開すること、さらに講座に参加するために必要なURL・パスワードを第三者に共有・公開することは固くお断りいたします。
  開催日当日、参加者様のご都合より欠席された場合、払込済参加料の返還はいたしません。参加申込いただいた場合は、この点につき認容いただいたものとみなさせていただきますので、予めご承知おきください。

問い合わせ:NPO法人あいんしゅたいん事務局 TEL:075-762-1522 E-mail:secretariat [at] jein.jp

主   催:基礎科学研究所(NPO法人 知的人材ネットワーク・あいんしゅたいん 附置機関)・物理学会京都支部

支   援:京都府地域交響プロジェクト

備   考: 本講座はZoomを使ったオンラインで実施するため、思わぬシステムトラブル・通信トラブルにより予定通りの内容をお届けできない可能性がある点につきましては、ご理解の上、ご容赦くださいますようお願いいたします

 講演概要
 
第1回 ChatGPTと人類の終焉:言語を獲得した機械の現在と未来

2022年11月30日にOpenAIからChatGPTが発表されて、人類史は新時代に入った。
人類は言語を獲得したことにより、地球を支配する力を獲得したが、今や機械が言語を獲得した。
人類は今後数十年で存続の危機に直面するのか、あるいは未曾有の発展を享受するのか? 人工知能の発展に貢献した三人の専門家ヒントン、ベンジオ、ルカンの意見は2対1で、前者の可能性に傾いている。
現状のChatGPTの知的能力は、言語知能では人間を凌駕しているが、論理・数学知能では人間並である。もし機械が人間を遥かに凌ぐ論理数学知能を獲得したら、人類は地球上で二級市民にならざるを得ない。
昨今の人工知能の発展は日進月歩どころか日進週歩である。私は人類の命運は2029年までに決着がつくと思う。
第2回 言語の発生と戦争

人類は言葉によって共同体を形成し、社会を作ってきた。一方で戦争は、言葉が歪んだ末の産物だとも言えるのではないだろうか。そしていま、言葉を獲得した機械(AI)を生み出すに至って、私たちはどこに向かうのだろう。
ゴリラも言葉を持っているが、人間のそれとは様相が違う。ゴリラと比較しながら、言葉の意味と、言葉の獲得と人間の成長について考察したい。
第3回 ことばとは何か:子どもが教えてくれること

私たちは小さい頃に母語をいとも自然に身につけ、大人になった今は立派に使いこなしています。
ですが、今振り返っても、その過程を思い出すことはできません。私たち大人が自力で思い出せない、「ことばを身につけた過程」、直接のぞいてみられない「頭の中のことばの知識のすがた」を、子どもたちの助けを借りて探ってみましょう。子どもたちはそうした知識をまさに試行錯誤しながら積み上げている最中です。
大人の言うことをまる覚えにするのでなく、ことばの秩序を私たちが思うよりずっと論理的なやり方で見いだし、試し、整理していく―子どもたちが「ちいさい言語学者」と呼ばれるゆえんです。
第4回 ブランダムのオウム―大規模言語モデルと推論主義

最近の大規模言語モデルに基づく生成AIの爆発的な発展を見ると、AI・ロボットなどの人工的エージェントが、私たちの新しい「仲間」として、社会の中で立ち振る舞う未来がもうすぐそこに来ていると感じさせられます。
しかし、少なくとも私の見立てでは、例えばChatGPTはまだ私たちの「仲間」ではありません。では何が足りないのか。この発表では、アメリカの哲学者ロバート・ブランダムの「推論主義」という立場から、言語を操る動物としての私たちと、来るべき新しい「仲間」たちについて考えてみたいと思います。
第5回 幼児の言語(language)同定(identification)創造性(creativity)~ 湯川秀樹さんが示唆したこと

湯川秀樹さんが公刊されてきた論文やエッセーには人間の創造性を論じたものがあります。またそれに関連する残されていた資料があり、さらに心理学者らとの交流もありました。
それらを参照しつつ、幼児期の心の働きでもある「同定」につながる幼児言語の実際(および理論)を通して、幼児期における創造性の芽およびそれを育む幼児教育の大切さを湯川さんがどのように考えておられていたかを報告したいと思います。
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サロン・ド・科学の眼差し プログラム詳細 Fri, 14 Jul 2023 10:09:49 +0900
on-line cafe “湯川博士の贈り物 4” https://jein.jp/jifs/workshop/science-salon-2019/details/1992-yukawa-cafe4-2023.html https://jein.jp/jifs/workshop/science-salon-2019/details/1992-yukawa-cafe4-2023.html

2021年2月よりサロン・ド・科学の眼差しの講座として始めたon-line cafe “湯川博士の贈り物” シリーズは2023年1月で通算15回を数えました。

on-line cafe “湯川博士の贈り物”
on-line cafe “続・湯川博士の贈り物”
on-line cafe “湯川博士の贈り物 3”

これまでの経験から、テーマを「SC:サイエンス編 BH:文化・平和編 JI:事件簿編」のどれかに絞って深く掘り下げるという試みを行います。
今回は、ほんの少しですが興味深い湯川像が見えてきたところで、「YD:湯川資料編」を付け加えて、湯川邸の遺品の資料について「こんな興味深いものが見つかりました」という中間報告の講座とします。

今後、これら1つ1つをさらに中身に従って取り上げることになりますが、今回はその中から以下の5回分を用意しました。

テーマは「湯川博士の残された資料と思い」

子ども向けにしては少し難解なところもありますが、ノーベル賞をもらった偉い先生が、どんな経験をされ、どんなことを考えられたかを知ることで、さらに深く知るきっかけにしていいただければと思います。

皆様のご希望に合うようにやり方を工夫して、試行錯誤しつつ今後もシリーズを続けていきますので、ご意見をおよせ下さい。
それらを参考にして、市民と科学者、そして子どもたちにも親しめる集いの場として、湯川邸オープンの日を迎えるよう、またオープン後はその交流が定着したイベントとなるようにと期待を込めて月1回のペースで続けていきます。

今回のサロンは2023年2月から6月までとなります。主に湯川家に残る遺品を点検整理いただいている方々を中心にして、資料の紹介を手掛かりに湯川邸の京大移管についてのご苦労やご感想も含めてご紹介します。

これまでのシリーズに参加された方はもちろん、初めての方も大歓迎です。皆さまのご参加をお待ちしています!!

※ 開催済みの動画ダイジェストの閲覧はこちら(参加者限定)


スピーカー: <岡田知弘>   <佐藤文隆>   <早川尚男>
     
  京都大学名誉教授
京都橘大学教授
  NPO法人あいんしゅたいん
名誉会長
  京都大学
基礎物理学研究所教授

司   会:艸場よしみ(絵本・書籍編集者)・坂東昌子(NPO法人あいんしゅたいん理事長・基礎科学研究所所長)

日   程:2月19日~6月18日(全5回)

回 数 日  程 各回テーマ 種 別 スピーカー
第1回 2月19日(日)  湯川秀樹「自己教育」論の系譜を探る
          ~『世界』創刊号の随想を手掛かりに~
YD 岡田知弘
第2回 3月19日(日)  小川秀樹の講義ノート・・・高校・大学での湯川の勉強 YD 佐藤文隆
第3回 4月16日(日)  湯川秀樹と中谷宇吉郎 ~「文人科学者」たちの交友録~ YD 岡田知弘
第4回 5月21日(日)  西田幾多郎と湯川秀樹・・・桑木彧雄・小川ノート・西田外彦 YD 佐藤文隆
第5回 6月18日(日)  窮理学から湯川へ、湯川から現代物理へ:日本の物理学の発展史 YD 早川尚男

※ SC:サイエンス編 BH:文化・平和編 JI:事件簿編 YD編:湯川資料編

時   間:15時~17時

講 座 形 式:Zoom配信によるオンラインサロン

定   員:50名

参 加 料:一 般:1講座:800円 全5回一括払:3,000円
      会 員:正会員・賛助会員・利用会員・1講座:600円 全5回一括払:2,000円
                   協力会員:1講座:700円 全5回一括払:2,500円
      日本物理学会会員:1講座:600円 全5回一括払:2,000円

  法人の会員にご入会いただくと、受講料割引を始めとする会員特典を受けることができます。詳しくは、会員特典案内のページをご覧ください。法人会員のご入会は、会員入会申込フォームのページから、必要事項をご記入の上、お申込み下さい。
  内容はそれぞれの回毎に独立していますので、ご興味のある回のみご参加いただいても支障はございません。
  参加料のお支払いは、銀行振込・クレジットカード払い(Visa・Mastercard・American Express・JCB)のいずれかを選択いただけます
支払方法については、お申込み後、当法人より送付させていただくご案内メールにてお知らせいたします。

申   込:参加申込フォームよりお申込みください

ご 注 意:お申込みに際しては、以下の点ご了承いただきますようお願いいたします

  講座の様子は撮影いたします。 撮影した映像の一部は電子教材として使用し、インターネット等の媒体を通じて公開させていただく場合があります。 公開に際しては、可能な限り肖像権に配慮した編集を行いますが、質疑応答を行うという性格上、映り込みが生じる点はご了承ください。
  本講座の映像・音声を、スクリーンショットや写真・動画、録音機器等で許可なく記録し、またそれらを第三者に共有・公開すること、さらに講座に参加するために必要なURL・パスワードを第三者に共有・公開することは固くお断りいたします。
  開催日当日、参加者様のご都合より欠席された場合、払込済参加料の返還はいたしません。参加申込いただいた場合は、この点につき認容いただいたものとみなさせていただきますので、予めご承知おきください。

問い合わせ:NPO法人あいんしゅたいん事務局 TEL:075-762-1522 E-mail:secretariat [at] jein.jp

※ コロナ禍を原因とする業務の大幅縮小中のため、電話対応できない場合がございます。悪しからずご容赦ください。

主   催:基礎科学研究所(NPO法人 知的人材ネットワーク・あいんしゅたいん 附置機関)・物理学会京都支部

支   援:京都府地域交響プロジェクト

備   考: 本講座はZoomを使ったオンラインで実施するため、思わぬシステムトラブル・通信トラブルにより予定通りの内容をお届けできない可能性がある点につきましては、ご理解の上、ご容赦くださいますようお願いいたします

 講演概要
 
第1回 湯川秀樹「自己教育」論の系譜を探る ~『世界』創刊号の随想を手掛かりに~

湯川邸の資料を整理する中で、岩波書店の『世界』創刊号の表紙と「自己教育」というタイトルの小文が見つかりました。
この「自己教育」という言葉は、約100年前に信州の「上田自由大学」運動に深くかかわった京都帝国大学文学部卒業生の土田杏村が提起した言葉で、「社会教育」と対となって使われているものです。
湯川は、この小文で戦争を食い止められなかった「知識階級」の責任を指摘するだけに留まらず、国家によるその抑圧、そして戦後「知識階級」だけではなく、国民も社会教育を通して自己教育をしなければならず、自分の頭で考え行動する必要があると述べています。
1945年11月という執筆時点で、若き理論物理学者の湯川がなぜこのような考えを持ち執筆したのでしょうか。現代にも通底する、その意味を探ってみたいと思います。
第2回 小川秀樹の講義ノート・・・高校・大学での湯川の勉強

湯川旧居が京都大学に移管されることになり、旧居に残る遺留品の整理が行われたが、そこで湯川が京都大学理学部学生時代に受けた授業に関係した一群の史料が発見された。
これまでの湯川史料の大半は結婚後のものであり「小川」時代のものは珍しい。これまでも「小川」時代に購入し大学の研究室に置かれていた書籍はあったが、自宅に「小川」時代のものが見つかるのは初めてである。
発見されたものは「小川秀樹」と記名した10冊ほどの講義ノートとそれらに挟まれた計算用紙、学生実験レポート、受教簿、その他目的不明の成績証明書がある。
ただし、全講義のノートが残っているのではない。またノートは講師の発言の筆記のみであり、小川の反応が読み取れる書き込みはない。
この講演ではこの発見物の概要と湯川自伝『旅人』に記されている高校と大学の時期での湯川の勉強ぶりについて話す。高校の時の物理講義の英文の教科書はながく大学の研究室に置かれていた。この米国の英文教科書の演習問題を自分で解いていったときの快感を記した『旅人』の文章は小川青年の研究者への出発を彷彿させる。
第3回 湯川秀樹と中谷宇吉郎 ~「文人科学者」たちの交友録~

湯川邸には、多くの書画が遺されています。
スミ夫人との共作が多いのですが、「雪は天から送られた手紙である」という文章を残した中谷宇吉郎の絵と湯川秀樹の和歌が書かれた色紙や掛軸も複数ありました。
中谷は、寺田寅彦を師として、専門分野だけでなく、今も読まれる随筆や絵本も書いた文人でもあり、二人は「文人科学者」と言われる存在でした。この二人は、1940年の北海道帝国大学での集中講義の時から、家族ぐるみの交友を深めていきました。
しかし、1954年のビキニ事件をめぐっては、異なる発言をすることになりました。
その後、二人の関係は、どうなっていったのでしょうか。ここでは、中谷宇吉郎の家系や岩波書店・映画との関係や、まちづくりで有名な由布院の中谷健太郎とのつながりについても話してみたいと思います。
第4回 西田幾多郎と湯川秀樹・・・桑木彧雄・小川ノート・西田外彦

京都大学の誇りとして、理系では湯川秀樹、文系では西田幾多郎、がよく発信される。
西田は湯川の父小川琢治と同年齢であり、同じく京大文学部創設時に京大に赴任しており、湯川の37歳年長である。西田の「善の研究」(初版1910年)はベストセラーで多くの青年を魅了した。
湯川旧居整理で発見された講義ノートの一冊に西田『哲学概論』もあり、これの専門家による「鑑定」を紹介する。初期の西田はマッハやフェヒネル(精神物理学)などの物理学者の考えに興味を示しており物理学者桑木彧雄との交流もあった(佐藤『転換期の科学者』第10章「西田幾多郎と桑木彧雄ー「プランクのマッハ批判」の余波」、青土社、2022年)。
また、息子西田外彦に理論物理学をすすめ、湯川、朝永が京都大学物理の玉城嘉十郎研究室に入ったときには原子物理学を目指す先輩として外彦がいた。幾多郎の外彦に宛てた書簡などを紹介する。
湯川は晩年の西田を鎌倉に尋ねており、旧居には西田の扁額あったが、戦後、京都学派への「戦争協力」の批判もあり、湯川は西田には多くは語っていない。西田旧居についても触れる。
第5回 窮理学から湯川へ、湯川から現代物理へ:日本の物理学の発展史

日本の物理学が江戸時代後期から明治、大正を経てどのように発展して湯川秀樹の中間子論に辿り着いたか、また湯川が如何に中間子論の着想を得て評価されるようになったか、また湯川が基研を設置してからどのように理論物理が発展してきたかの概略を話す。
特に湯川の本講演は基研所蔵の湯川の写真をふんだんに使って、湯川の成し遂げた研究の意義が高校生に分かる様に講演する予定である。
尚、本講演は2022年10月1日に行われたIUPAP100周年記念講演会での演者講演の拡張バージョンである。
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サロン・ド・科学の眼差し プログラム詳細 Fri, 13 Jan 2023 06:17:11 +0900
on-line cafe “湯川博士の贈り物 3” https://jein.jp/jifs/workshop/science-salon-2019/details/1980-yukawa-cafe3-2022.html https://jein.jp/jifs/workshop/science-salon-2019/details/1980-yukawa-cafe3-2022.html

サロン・ド・科学の眼差しの講座として、2021年2月より5回のシリーズのon-line cafe “湯川博士の贈り物”、続けて2022年1月より第2弾となる、これも5回シリーズのon-line cafe “続・湯川博士の贈り物”を開始してきましたが、9月より第3弾となるシリーズを開催します。

第3弾も、通常回:4回+特別企画:1回の全5回シリーズです。湯川邸が京都大学の所属になったことで市民と科学者の交流の場としてオープンの日を迎えるように、またオープン後はその交流が湯川邸の定着したイベントとなるようにと期待を込めて、湯川邸オープンの日まで月1回のペースで続けていきます。

テーマは「生物と宇宙」

湯川秀樹博士は67歳のとき「宇宙と人間 七つのなぞ」というエッセイをお書きになりました。雨を見た2歳半のお孫さんに「だれが水をまいてるの?」と聞かれて答えに詰まったのをきかっけに、宇宙・素粒子・生命・言葉・数と図形・知覚・感情の7つのなぞについて、分かりやすい言葉で解説されています。

本シリーズでは、7つのなぞのうち「生命」と「宇宙」を取り上げます。博士の幅広い好奇心と専門外の人とも一緒に学び探求しようとする姿勢をお手本に、子どもも大人も一緒になって現代科学の知見を学び、さらに科学と社会との関わりについて湯川博士ならどう考えるだろうと思いをはせながら参加者のみなさんと議論していきたいと思います。

これまでのシリーズに参加された方はもちろん、初めての方も大歓迎です。皆さまのご参加をお待ちしています!!

※ 開催済みの動画ダイジェストの閲覧はこちら(参加者限定)


スピーカー: <内海博司>   <宇野賀津子>   <坂東昌子>   <山極壽一>
       
  体質研究会主任研究員   ルイ・パストゥール
医学研究センター
生体防御研究室室長
  NPO法人
あいんしゅたいん
理事長
  総合地球環境学研究所
所長
    <榎戸輝揚>   <大屋瑶子>   <西道啓博>
       
    理化学研究所
白眉研究チームリーダー
  基礎物理学研究所
講師
  基礎物理学研究所
特定准教授

司   会::艸場よしみ(絵本・書籍編集者)・坂東昌子(NPO法人あいんしゅたいん理事長・基礎科学研究所所長)

日   程:2022年9月25日~2023年1月21日(4回+特別企画1回)

回 数 日  程 各回テーマ 形 式 種 別 スピーカー
第1回 9月25日(日)  分子生物学の幕開けと湯川博士 オンライン SC 内海博司
第2回 10月16日(日)  湯川博士はビキニ事件をどう受け止められたか
  ↓ 第4回と入替、同時にテーマを小変更
 天から降り注ぐ宇宙線と雷の不思議
オンライン JI 宇野賀津子
坂東昌子
↓ 入替
榎戸輝揚
第3回 11月13日(日)  なぜ人間は殺し合うのか? オンライン BH
SC
山極壽一
第4回 12月17日(土)  地上と天上の架け橋:宇宙線
 ↓ 第2回と入替
 湯川博士はビキニ事件をどう受け止められたか
オンライン BH
SC
榎戸輝揚
↓ 入替
宇野賀津子
坂東昌子
特別
企画
2023年
1月21日(土)
↓ 変更
1月14日(土)
 巨大電波望遠鏡で見上げる星空 ~太陽系の昔の姿とは?~
 AIで解き明かすダークな宇宙
対面
オンライン
SC 大屋瑶子
西道啓博

※ SC:サイエンス編 BH:文化・平和編 JI:事件簿編

時   間:第1回~第4回:15時~17時
      特別企画  :14時~17時

会   場:特別企画:京都大学基礎物理学研究所  ※ 第1回~第4回:Zoom配信によるオンラインサロン形式

地図及びアクセスはこちら 11 の建物)

定   員:50名(特別企画は定員100名)

参 加 料:一 般(含、協力会員):1講座:800円 全4回一括払:2,500円
      会 員:正会員・賛助会員・利用会員 1講座:600円 全4回一括払:2,000円
      日本物理学会会員:1講座:600円 全4回一括払:2,000円

  2023年1月14日開催の特別企画は無料でご参加いただけます(参加申込は必要です)。
  法人の会員にご入会いただくと、受講料割引を始めとする会員特典を受けることができます。詳しくは、会員特典案内のページをご覧ください。法人会員のご入会は、会員入会申込フォームのページから、必要事項をご記入の上、お申込み下さい。
  内容はそれぞれの回毎に独立していますので、ご興味のある回のみご参加いただいても支障はございません。
  参加料のお支払いは、銀行振込・クレジットカード払い(Visa・Mastercard・American Express・JCB)のいずれかを選択いただけます
支払方法については、お申込み後、当法人より送付させていただくご案内メールにてお知らせいたします。

申   込:参加申込受付は終了しました

ご 注 意:お申込みに際しては、以下の点ご了承いただきますようお願いいたします

  講座の様子は撮影いたします。 撮影した映像の一部は電子教材として使用し、インターネット等の媒体を通じて公開させていただく場合があります。 公開に際しては、可能な限り肖像権に配慮した編集を行いますが、質疑応答を行うという性格上、映り込みが生じる点はご了承ください。
  本講座の映像・音声を、スクリーンショットや写真・動画、録音機器等で許可なく記録し、またそれらを第三者に共有・公開すること、さらに講座に参加するために必要なURL・パスワードを第三者に共有・公開することは固くお断りいたします。
  開催日当日、参加者様のご都合より欠席された場合、払込済参加料の返還はいたしません。参加申込いただいた場合は、この点につき認容いただいたものとみなさせていただきますので、予めご承知おきください。

問い合わせ:NPO法人あいんしゅたいん事務局 TEL:075-762-1522 E-mail:secretariat [at] jein.jp

※ コロナ禍を原因とする業務の大幅縮小中のため、電話対応できない場合がございます。悪しからずご容赦ください。

主   催:基礎科学研究所(NPO法人 知的人材ネットワーク・あいんしゅたいん 附置機関)・物理学会京都支部
      京都大学基礎物理学研究所(特別企画)

支   援:京都府地域交響プロジェクト(2023年3月末まで)
      こども未来プロジェクト基金

備   考: 本講座の第1回~第4回はZoomを使ったオンラインで実施するため、思わぬシステムトラブル・通信トラブルにより予定通りの内容をお届けできない可能性がある点につきましては、ご理解の上、ご容赦くださいますようお願いいたします

 講演概要
 
第1回 分子生物学の幕開けと湯川博士

みなさんは、2045年にコンピュータが人間の脳より賢くなるという話を聞いたことがありますか?当あいんしゅたいんの松田副理事長はそうしたテーマを「松田卓也連続講座」や「AIグループ」で研究されています。こういう科学の大転換を、私達は何度も経験しています。その1つが生物学の大転換です。
1960年代、生物の研究は一大転換期を迎えたのです。このとき湯川先生は次のように言っています。
「自然科学の各分野は、それぞれ進歩し続けると同時に、より狭い専門分科へと細分化されてきた。しかし、そういう一方的な傾向の半面に、異なる諸分野の研究者の協力による、新しい領域の開拓が行われてきたという事実もあったことを見逃してはならない。その中も最も著しいのは、細菌中数年間における生物物理学の急速な発展であろう。しかも、それは今後長期にわたって、ほとんど限界を知らないほどの大きな未来を約束されているのである。したがって、これから自然科学の研究を始めようとする若い人たちの中の相当数が、生物物理学に興味を持ったとしても
不思議ではない。さらにまた、自然科学のある分野で知識と技術を一応身に着けた人たちの中から、生物物理で転身する人が相当数出てきたとしても、むしろ当然のことであろう。(量子生物学講座 発刊に際しての推薦の辞 湯川秀樹)」
この頃の熱気が伝わってきますね。この時期に生物物理学会が誕生し、京都大学理学部でも新しい学問分野に合わせて新しい教室を作ろうという話が出てきました。そして1967年には京都大学理学部に「生物物理学科」が設置されました。丁度私は大学院博士課程を終えて、ほやほやの助手をしていた頃でした。
今回のスピーカーである内海先生は、その頃大学に入られました。そしてこの新しい学問への意欲に燃えた若手研究者の夏の学校などにも出席され、その息吹を身近に感じておられました。その後、エルカインド博士という有名な放射線生物学者のもとで修業し、新しい学問に専念されたのです。エルカインド博士とは、X線が放射線障害(突然変異)を誘発し、その損傷は修復されず蓄積するというマラーの実験結果を覆す大発見をした研究者です。
その頃の雰囲気を伝えていただき、この学問分野がその後どう発展したかも話していただきます。
第2回 湯川博士はビキニ事件をどう受け止められたか

宇野賀津子と坂東昌子の漫才風対談・・ビキニ事件の真実・・
1954年3月のビキニ事件を知っている人は、今や少なくなっているかもしれません。湯川博士は、このビキニ水爆事件にショックを受けて、よりいっそう核兵器の問題を真剣に具体的に考えられ、その後の一生を核兵器廃絶にささげられたのです。湯川夫妻はアインシュタインから「核兵器を廃絶する道は、世界が1つの国になる、世界連邦を作るしかない」という思いを託され、その後ずっとお二人で「世界連邦」の設立に力を尽くされました。
しかし、このビキニ事件で半年後に亡くなられた久保山さんの死因をめぐって、物理学者と医学者はかなり違った評価をしていました。そのことが明らかになったのは、3・11福島原発事故から始まった物理屋さんと生物屋さんとの交流でした。生物屋の宇野さんと物理屋の坂東さんの2人が、放射線影響の議論のなかでビキニ事件をどう見ていたかの違いに気が付いたのです。ショックを受けた二人はビキニの真相に迫っていきます。特に武谷三男の「死の灰」(岩波新書)の中の一枚の図がキイとなりました。何が分かり、話がどう発展していったか、その様子はまるで漫才。どうぞ、とくとお聞き下さい。
いっぽうこのいきさつは、「真実はどうして明らかになるか」「科学者の分野を超えた交流がいかに大切か」を教えてくれます。皆さんと一緒に追体験しながら、未来の市民と科学者の在り方を考えてみたいと思います。
第3回 なぜ人間は殺し合うのか?

戦争は人間の本能なのでしょうか?人はなぜ争い、殺し合うようになったのでしょうか?戦争の起源を、人類学の視点から考えます。
これは、湯川博士が特にビキニ水爆事件でショックを受けて、核兵器廃絶にその後の一生をささげ、「世界連邦」設立に力を尽くされたこととも大きく関わっています。
湯川博士はこうした活動を通じて、なぜ戦争が起こるのかという問いをずっと投げかけておられたのでした。湯川スミさんは、あるインタビューで「残念ながら戦争はなくならないのか?」と聞かれて、スミさんが「それで困っているのですよ。人間ほっといたらけんかすると主人が申します。秀樹さんは性善説なら喧嘩はしないといいます。戦争は人間が完全でないというところですね」と語っておられます。
この9月3日に開催された「湯川秀樹旧宅の保存と活用を願う市民の会」の総会で、「湯川博士がウクライナ戦争を見ておられたら、どう言われただろう」という話が出ました。人間には本来闘争本能があるのでしょうか? それとも?
そこで今回は、「湯川秀樹旧宅の保存と活用を願う市民の会」の顧問でもいらっしゃる山極先生に、ヒトの進化のお話を伺いながら、湯川先生の疑問を共有したいと思います。大いに皆さんの疑問をぶっつけ合いましょう。
第4回 地上と天上の架け橋:宇宙線

今度11月に京大物理に着任される榎戸輝揚さんはとても面白い先生で、市民と一緒に科学を楽しむことをモットーに、これまでも理化学研究所で活躍されてきました。ご専門は、中性子星という不思議な天体をX線やガンマ線で観測し研究している宇宙物理学者です。また、その測定技術を応用して、雷や雷雲という身近な現象を市民と一緒にガンマ線で観測するシチズンサイエンス「雷雲プロジェクト」 も進めている、とてもユニークな先生です。宇宙線に着目し、地上と宇宙を繋ぐところから、宇宙の神秘が解き明かされてくるというわくわくしたお話です。
湯川博士も、若い時代、宇宙線のシャワー現象を熱心に調べておられたことがわかっています。宇宙から降ってくる宇宙線こそ、この地上で起こる現象と宇宙にみる現象をつないでくれる役割をしているのですね。
湯川博士がノーベル賞を受賞されたとき、湯川さんは「京大だけでなく、全国いや世界の共同利用研究所を作りたい」と構想されました。この湯川構想でできたのが、基礎物理学研究所です。ここでは、毎年、「長期研究会」の募集を全国に向けて行っていました。この研究会をめぐっては、まさに、学問の未来を見据えて、「次はどんなテーマを取り上げるか」と議論が盛んにおこなわれていたのでした。そんな長期研究会について、基礎物理学研究所のサロンでの雑談のなかで話題になったとき、湯川さんは、早川、武谷の両先生に「お星さまの話はどうかね」と言われたそうです。ここから日本の優れた研究である、星の進化の研究が始まったということです。こうして新しい学問が生まれてくるのです。気さくにサロンに出てきて、雑談されていた湯川さんの姿が目に見えるようです。
宇宙からやってくるX線や放射線を研究している榎戸輝揚さんは何を見つめてどんなことを研究されているのか、楽しみですね。
榎戸さんは、「トコトンやさしい天文学の本」という本も書いておられます。 おたのしみに!
特別企画 テーマ1:巨大電波望遠鏡で見上げる星空 ~太陽系の昔の姿とは?~
テーマ2:AIで解き明かすダークな宇宙


特別企画は、京都大学基礎物理学研究所(基研)と物理学会京都支部とあいんしゅたいんという3つの湯川博士に関わるグループが共催で行います。
ゆくゆく湯川邸がオープンになったときにも引き継いでいきたいという思いを込めています。湯川博士の誕生月は1月なので(誕生日は1月23日)、毎年1月に行おうと計画しており、今回はその第1回目となります。 今回は天体・宇宙という広い世界を研究している若いお二人にお話ししていていただきます。
講演内容の詳細については、基研のホームページをご覧ください。

 大屋瑤子氏:生まれたばかりの星(原始星)の研究を通じて、星の赤ちゃんから惑星系形成に至る過程とそこでの物質進化を調べ、星には様々な化学組成のものがあり、多様な個性を持つことを示しました。
西道啓博氏:大規模銀河の観測技術を開拓し、宇宙の構造がどう形成されているかを精密に調べダークマター、ダークエネルギー、背景重力波などに関連した観測データを、持ち前のコンピューター技術画像解析技術を駆使して分析し、広域宇宙の謎に迫る研究をしています。
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サロン・ド・科学の眼差し プログラム詳細 Tue, 13 Sep 2022 10:00:44 +0900
on-line cafe “続・湯川博士の贈り物” https://jein.jp/jifs/workshop/science-salon-2019/details/1921-yukawa-cafe2-2022.html https://jein.jp/jifs/workshop/science-salon-2019/details/1921-yukawa-cafe2-2022.html

2021年2月より5回のシリーズとして開催したサロン・ド・科学の眼差しの講座、on-line cafe “湯川博士の贈り物”は大変好評いただきましたが、もっと湯川先生にまつわるお話を聞きたいという皆さまの声にお応えし、湯川邸が京都大学の所有になったことを記念して、2022年1月より続編の講座を開講します。

1月23日は湯川博士のお誕生日です(123と覚えると忘れないそうですよ!)。
日本で初のノーベル賞受賞者である湯川博士は何を追求しようとしたのか、幅広く学術全般にわたり文学的素養も持ちつつ科学者としてどういう生き方をされたのか、また科学と社会の問題にどう取り組まれたか、さらに日本の中でどういう役割を果たしたか、といった様々な疑問が皆さんにはあるのではないでしょうか。
今回の講座は、子ども達も理解できて楽しめるような内容になっています。ぜひ将来を担う子ども達にも参加いただいて、湯川博士の功績を知ってもらえればと考えています。

現在、湯川旧宅市民の会の皆さんにより、湯川邸に遺されたたくさんの遺品の整理をしていただいていますので、純粋な科学に関するものとは別の、文化人湯川博士として遺されたものから発見する情報もたくさん出てくると思います。

このサロンは、湯川邸が完成するまでじっくり続けていくつもりです。皆さまのご参加をお待ちしています!!

 ※ 開催済みの動画ダイジェストの閲覧はこちら(参加者限定)


スピーカー: <永田和宏>   <萩野浩一>   <政池明>   <橋本幸士>
       
  JT生命誌研究館館長   京都大学理学部教授   京都大学名誉教授   京都大学理学部教授

司   会:坂東昌子(NPO法人あいんしゅたいん理事長・基礎科学研究所所長)・宇野賀津子(NPO法人あいんしゅたいん常務理事)

日   程:2022年1月23日~5月22日(全5回)

回 数 日  程 各回テーマ 種 別 スピーカー
第1回 1月23日(日)  湯川博士が短歌で語りたかったもの BH 永田和宏
第2回 2月27日(日)  鉄腕アトムは宇宙へ  ~素粒子の世界を拓いた湯川博士~ SC 萩野浩一
第3回 3月27日(日)  太陽の子をめぐる科学者たち JI 政池明
第4回 4月24日(日)  パパが教える超ひも理論  ~湯川博士の謎とき?~ SC 橋本幸士
第5回 5月22日(日)  理系、文系って何なんだ? ~物理学者とエッセイの系譜~ BH 永田和宏

※ SC:サイエンス編 BH:文化・平和編 JI:事件簿編

時   間 :15時~17時

定   員:50名

参 加 料:一 般:1講座:800円 全5回一括払:3,000円
      会 員:正会員・賛助会員・利用会員・1講座:600円 全5回一括払:2,000円
                   協力会員:1講座:700円 全5回一括払:2,500円
      日本物理学会会員:1講座:600円 全5回一括払:2,000円

  法人の会員にご入会いただくと、受講料割引を始めとする会員特典を受けることができます。詳しくは、会員特典案内のページをご覧ください。法人会員のご入会は、会員入会申込フォームのページから、必要事項をご記入の上、お申込み下さい。
  内容はそれぞれの回毎に独立していますので、ご興味のある回のみご参加いただいても支障はございません。
  参加料のお支払いは、銀行振込・クレジットカード払い(Visa・Mastercard・American Express・JCB)のいずれかを選択いただけます
支払方法については、お申込み後、当法人より送付させていただくご案内メールにてお知らせいたします。

申   込:参加申込フォームよりお申込みください

ご 注 意:お申込みに際しては、以下の点ご了承いただきますようお願いいたします

  講座の様子は撮影いたします。 撮影した映像の一部は電子教材として使用し、インターネット等の媒体を通じて公開させていただく場合があります。 公開に際しては、可能な限り肖像権に配慮した編集を行いますが、質疑応答を行うという性格上、映り込みが生じる点はご了承ください。
  本講座の映像・音声を、スクリーンショットや写真・動画、録音機器等で許可なく記録し、またそれらを第三者に共有・公開すること、さらに講座に参加するために必要なURL・パスワードを第三者に共有・公開することは固くお断りいたします。
  開催日当日、参加者様のご都合より欠席された場合、Zoomを通じてクラウド上に録画された講座の動画をご覧いただけるようにいたしますので(閲覧可能期間は1週間程度)、払込済参加料の返還はいたしません。

問い合わせ:NPO法人あいんしゅたいん事務局 TEL:075-762-1522 E-mail:secretariat [at] jein.jp

※ コロナ禍を原因とする業務の大幅縮小中のため、電話対応できない場合がございます。悪しからずご容赦ください。

主   催:基礎科学研究所(NPO法人 知的人材ネットワーク・あいんしゅたいん 附置機関)・物理学会京都支部

支   援:京都府地域交響プロジェクト(2022年3月末まで)

備   考: 本講座は、Zoomを使ったオンラインで実施するため、思わぬシステムトラブル・通信トラブルにより予定通りの内容をお届けできない可能性がある点につきましては、ご理解の上、ご容赦くださいますようお願いいたします

 講演概要
 
第1回 湯川博士が短歌で語りたかったもの

永田先生は、湯川先生が京大教授として最後に教壇に立たれた時の学生でした。基礎物理学研究所(通称基研、またの名を湯川研)のサロンのような部屋で、一年間「物理学通論」の講義を受け、その経験は物理から生命科学の研究者になったあとも、どこかで先生の研究者としての自信になっていたといいます。湯川先生が五七五七七からなる短歌を作っておられたことは知っている人も多いと思いますが、「深山木」という歌集も出しておられます。理論物理学、最先端の素粒子物理学と短歌はどのように両立したのか。忙しい学者としての時間の合間に、歌を作り続けられたのはなぜか。湯川先生は、短歌という詩型を通じて、何を訴えたかったのか。そもそも短歌を作ることは、何が楽しいのか。
 永田先生は、学生時代から50年以上にわたって、歌人として活動をしてこられ、すでに十五冊もの歌集を出してこられました。生命科学の研究者としての活動のなかで、科学と短歌を同時にやり続けることの苦悩も含めてお話しいただきます。
第2回 鉄腕アトムは宇宙へ ~素粒子の世界を拓いた湯川博士~

萩野浩一先生は、現在京都大学理学部物理教室の教授をしておられます。京都の小学校に出かけていろいろな科学のお話もなさっています、聞いたことがある人もあるかもしれません。今回は、もっとさきの話もでてくるかもよ。「湯川博士って日本で初めてノーベル賞をもらったのだよね?どんなことしたの?」素粒子って何なの?みたことあるの?どんな色をしているの?皆さんは謎だらけかもしれません。大人も子供も一緒になってとことん探検してみましょう。「元素」という言葉を聞いたこと ありますか? まだない?では「原子」はどうですか?それでは素粒子はどうかな?素粒子という言葉を作ったのは湯川博士なのですよ。で?湯川先生はどんなことを発見したのでしょうね?で、何が偉いのかな?そんなお話を、私達でしたてみたいと思います。また「ニホニウム」のことがニュースになったのは知っているかな?二ホンという名前が付いたので、知っているかもしれませんね。そしてそれよりもっと小さな素粒子のクォークというのはどうですか?クォークには美しいクォークとか、奇妙なクォークとか、おかしな名前がついています。時々クォークには色がついていると思っている人がありますが、どうかな?この小さなクォークの作る世界の話を、一緒に探検してみましよう。下の絵は、なんでしょう?スイへ―リーベという周期律表に似ているけど、なんかちょっとちがうね?実は¥、宇宙の始まりを考える時にはこちの方が大切になるんですよ。こんなこともお話しするかも!坂東昌子は、湯川先生の研究室に育った今はおばあさんです。助手を務めていたので、湯川博士のことをちょっとは知っています。裏話もできるかもよ。で、素粒子のお話が、宇宙の始まりにつながる次の話につなげていきますね。
第3回 太陽の子をめぐる科学者たち

皆さんは、「太陽の子」という映画を見たことがありますか?あの映画を作るとき、政池さんには、映画のスタッフがお世話になったはずです。そして私どもにも電話がかかってきました。あのなかで使っている式は「濃縮」を表す式なのですが、その研究をしていたのは、あいんしゅたいん副理事長である松田卓也さんなのです。まあ、この話は又いつか別にお聞きすることとして、戦争中の科学者の悩みや生き方は身につまされるものがあります。聞きたいことだらけです。政池さんはそういう様子を10年以上かけてアメリカの資料まで調べてこの本を書かれました。この本を書くように勧めたのは、あいんしゅたいんで政池さんのお話しを聞いた時ですが、あいんしゅたいんの名誉会長である佐藤文隆先生です。そんな裏話も含めて、戦争と科学者の悩みをみんなで話し合ってみたいですね。「荒勝文策と原子核物理学の黎明」は原子の火がともるころのお話しから出てきます。この本は全体としては難しいですが、とても身につまされるエピソードや、びっくりするような若者の活躍などが書いてあって、お父さん、お母さんとも一緒にお話を聞いてほしいです。政池さんは「ぼくはもういい」と言われるのですが、無理に出てもらって、お話を坂東と宇野が聞くという形で進めたいです。
第4回 パパが教える超ひも理論 ~湯川博士の謎とき?~

橋本さん(ハッシャン)は、この4月に大阪大学から京都大学に移ってこられたばかりですが、出身は京大の素粒子研究室(旧湯川研究室)です。大学院の時代は、まあ、普通の人(いえいえ、研究では目立った人ですが、人柄とか振る舞いは、です)でしたが、いつの間にか、草履をはいて短パンで闊歩するかわった人になりました。研究室に行くと、南部先生の使われていた黒板が(どないして持ってきたのかな?)あり、周りは全部白板で壁のない部屋で、この図のように長ズボンではなかったような・・・。素粒子理論屋としては所謂、超ひも理論にまつわる研究からだんだん広げて、今は、それをいろいろな方面に応用して活躍しています。この続・湯川の世話人になってとお願いして、最初が永田先生だといったら、「まかしといて、僕はベストエッセイに選ばれているんやで」と言ってました。へー、そんな才能もあったのか。では、超ひも理論という超難しい話を中心に、一体湯川博士が切り開いた素粒子論の今が、どういうものか、どう発展しそうか、お手並み拝見と行きたいです。楽しみです。坂東はきっと反論もあると思いますが、それはその時のお楽しみです。佐藤さんも湯川のやり残したもの、は、もっと別だったと思っている一人です。科学のこの先がどうなるのか、やいやい議論してみたいです。ともかく、素粒子論の今の姿がどんなものかじっくり聞かせて子供にもわかるように説明してもらいましょう。
第5回 理系、文系って何なんだ? ~物理学者とエッセイの系譜~

僕は数学がよくできるから理系に行く。私は物理なんかよくわからないから文系に行く。そんな風に高校時代に理系・文系が分けられてしまうのは、とても残念なことです。特に日本における教育制度で、早くから理系文系を分けてしまうことは、百害あって一利無しと言わざるを得ません。湯川秀樹先生は、優れたエッセイを書かれる研究者でもありました。自伝『旅人』をはじめ、湯川先生の多くのエッセイ集には一人の思索者としての思索の跡が、豊かな文章表現として見事に残されています。考えてみますと、寺田寅彦をはじめとして、日本の物理学者にはすぐれたエッセイを書き残した方々が多くいました。雪の研究の中谷宇吉郎、湯川の盟友でノーベル賞受賞者の朝永振一郎も素晴らしいエッセイの書き手でした。この物理学とエッセイの系譜を簡単に辿りながら、なぜ彼らはエッセイを書き続けたのか、もっと一般的に「知」とは何なのか、「知るということ」の何が喜びなのか、さらに広げて、教養っていったい何なのだ、などなど、永田先生に思う存分語っていただきます。
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サロン・ド・科学の眼差し プログラム詳細 Wed, 17 Nov 2021 08:24:28 +0900
on-line cafe “湯川博士の贈り物” https://jein.jp/jifs/workshop/science-salon-2019/details/1815-yukawa-cafe-2021.html https://jein.jp/jifs/workshop/science-salon-2019/details/1815-yukawa-cafe-2021.html

2020年は、コロナウイルス感染症の拡大により、予定していたサロン・ド・科学の眼差しの講座(続・松田卓也連続講座)を延期・中止とせざるを得なくなりました。

そこで、コロナ禍が終息しない現状を踏まえ、Web会議ツールであるZoomを使って、オンライン経由でご参加いただける講座を開催いたします。
この講座は、誰でも気楽に参加できて、ざっくばらんに意見交換できる場したいとの思いを込めて、冒頭に「cafe」との名称を付与することにしました。オンライン経由ではありますが、講演者の一方的なトークで終わるのではなく、自由に質問し、意見が交換できるようにして、皆さんが楽めるcafeとの名にふさわしい場にしたいと考えています。

2021年のスタートは、「湯川博士の贈り物」というテーマで、NPO法人あいんしゅたいん名誉会長である佐藤文隆氏をスピーカーとして、湯川秀樹博士にまつわるお話しをしていただきます。

佐藤氏は、最近行われた「玉城嘉十郎教授記念公開学術講演会 50周年記念Zoom講演会」で湯川博士の話をされ、そのために新たに多くの資料を収集されました。まだまだたくさん話すことがあるとのことですので、この機会にご披露いただきます。

湯川研究所長(基礎物理学研究所所長)を長らく経験された佐藤氏は、湯川博士との思い出をたくさん持っておられます。湯川博士のご自宅に挨拶に行かれたときのエピソードなど、他では聞けないお話を盛りだくさん聞かせていただけるでしょう。
科学者としての深い思索や何事も深く追求してやまない湯川精神の神髄を、市民・科学者問わずみなさんで共有し、同時に現代の問題につなげつつ、共に考える機会にできればと思います。

湯川博士の贈り物をしっかり受け取り、次の世代に受け渡していきたいと願っています。皆さまのご参加をお待ちしています!!


スピーカー:佐藤文隆(NPO法人あいんしゅたいん名誉会長)

 

司   会:坂東昌子(NPO法人あいんしゅたいん理事長・基礎科学研究所所長)・艸場よしみ(編集者) 

日   程:2月21日~6月27日(全5回)

回 数 日 程 各回テーマ
第1回 2月21日(日)  湯川の生涯 ~湯川邸を訪ねて~
第2回 3月28日(日)  湯川と物理学 ~創造と展開~
第3回 4月25日(日)  湯川の戦前戦後 ~戦争と核兵器~
第4回 5月30日(日)
変更
6月27日(日)
 湯川の文化活動 ~科学と伝統~
第5回 6月27日(日)
変更
7月25日(日)
 湯川の短歌・書・記念碑など ~世間と共感~

※ 開催は月1回を予定しています。日程については、講演者の都合等で変更になる場合があります。

時   間 :10時~11時30分(90分を予定)

定   員:50名

参 加 料:一 般:1講座:800円 全5回一括払:3,000円
      会 員:正会員・賛助会員・利用会員:1講座:600円 全4回一括払:2,000円(第1回は参加料無料)
                   協力会員:1講座:800円 全4回一括払:2,500円(第1回は参加料無料)

  法人の会員(含、協力会員)にご入会いただくと、第1回目の講演(2月21日開催)は無料でご参加いただけます。
また、その他にも会員特典がございます。詳しくは、会員特典案内のページをご覧ください。法人会員のご入会は、会員入会申込フォームのページから、必要事項をご記入の上、お申込み下さい。
  内容はそれぞれの回毎に独立していますので、ご興味のある回のみご参加いただいても支障はございません。
  参加料のお支払いは、銀行振込・クレジットカード払い(Visa・Mastercard・American Express)のいずれかを選択いただけます
支払方法については、お申込み後、当法人より送付させていただくご案内メールにてお知らせいたします。

申   込:参加申込フォームよりお申込みください

ご 注 意:お申込みに際しては、以下の点ご了承いただきますようお願いいたします

  講座の様子は撮影いたします。 撮影した映像の一部は電子教材として使用し、インターネット等の媒体を通じて公開させていただく場合があります。 公開に際しては、可能な限り肖像権に配慮した編集を行いますが、質疑応答を行うという性格上、映り込みが生じる点はご了承ください。
  本講座の映像・音声を、スクリーンショットや写真・動画、録音機器等で許可なく記録し、またそれらを第三者に共有・公開すること、さらに講座に参加するために必要なURL・パスワードを第三者に共有・公開することは固くお断りいたします。
  開催日当日、参加者様のご都合より欠席された場合、Zoomを通じてクラウド上に録画された講座の動画をご覧いただけるようにいたしますので(閲覧可能期間は1週間程度)、払込済参加料の返還はいたしません。

問い合わせ:NPO法人あいんしゅたいん事務局 TEL:075-762-1522 E-mail:secretariat [at] jein.jp

※ コロナ禍を原因とする業務の大幅縮小中のため、電話対応できない場合がございます。悪しからずご容赦ください。

主   催:基礎科学研究所(NPO法人 知的人材ネットワーク・あいんしゅたいん 附置機関)

後   援:京都大学基礎物理学研究所

備   考: 本講座は、Zoomを使ったオンラインで実施するため、思わぬシステムトラブル・通信トラブルにより予定通りの内容をお届けできない可能性がある点につきましては、ご理解の上、ご容赦くださいますようお願いいたします

 講演概要
 
第1回 湯川の生涯 ~湯川邸を訪ねて~

父小川琢治の転任により京都市内で成長し、そのまま市内の第三高等学校、京都大において物理学のみちにすすみ、27歳で発表した中間子論により、戦後まもない1949年に日本人初のノーベル賞に輝いた。その衝撃的感動は全国民のものであり、湯川は国民の負託に応え、学術、文化、平和の国民的課題で積極的に行動し、多彩な人生をえがいた。湯川の生涯を日本の時代の流れの中で見るとともに、そのゆかりの地についても触れる。
第2回 湯川と物理学 ~創造と展開~

ニュートン以来の物理学の革新といえる量子力学の誕生に大学時代に遭遇し、同級生の朝永振一郎とともにこれを自学自習し素粒子物理学という新分野を創造した。湯川の植えたその芽は日本の研究を世界最前線に押し上げたのみならず、基礎物理学研究所所長として量子力学の宇宙物理学や生物物理学への展開にも注力して幅広い分野に貢献した。X線の発見から現在の最前線の研究の中に湯川の創造を位置づける。
第3回 湯川の戦前戦後 ~戦争と核兵器~

自由な大正時代に青少年時代を過ごした湯川は、軍国主義の昭和十年代に著名な学者となり、苦悩の中におかれた。末の弟も徴兵で戦死した。戦後すぐの1948年、原爆の父オッペンハイマーの招待で訪米し、その後足掛け5年にわたり家族で米国に滞在した。帰国後の1954年、ビキニ環礁での水爆実験で日本漁船が被曝したのを期に大量の核兵器の存在が多くの人々のまえに明らかになり、湯川はこれを人類の危機と受け止めて核兵器の廃絶運動に取り組んだ。
第4回 湯川の文化活動 ~科学と伝統~

湯川は幼児期には祖父による漢学の素読の薫陶をうけ、また少年期には文芸ものに読み耽けるという文系人間だった。戦後、科学が輝いて見えた時期、世界的科学者としての湯川と小林秀雄のような碩学をはじめとする学者・作家などとの対談が企画され、また後半生には司馬遼太郎、梅棹忠夫、梅原猛などの新進とも積極的に交流した。こうした闊達な討論のなかに多くの国民は学問の真髄を享受した。そのテーマは近代科学から日本の古典にもおよび、十数冊の著作集が発行されるほどの多くの文章を残した。
第5回 湯川の短歌・書・記念碑など ~世間と共感~

湯川は若い時から短歌をたしなみ、470首以上の歌を発表している。戦後の湯川は講演要請に応じて各地を旅して、ひとびとに多くの感銘を与えるとともに要請に応じて揮毫をのこしている。また広島の平和公園はじめ各所に湯川の歌や揮毫の石碑が残されている。将来は、多くの国民の共感を得て湯川が紙幣の肖像として登場することをねがっている。
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サロン・ド・科学の眼差し プログラム詳細 Tue, 26 Jan 2021 04:21:51 +0900
続・松田卓也連続講座 https://jein.jp/jifs/workshop/science-salon-2019/details/1751-matsuda-salon-2020.html https://jein.jp/jifs/workshop/science-salon-2019/details/1751-matsuda-salon-2020.html

テーマ:物理学者からみた脳・腸・健康の本

最近マイクロバイオームという言葉が、健康、食事、栄養などの分野で大きな話題になっています。マイクロバイオームとは人間と共生する微生物のことですが、中でも特に腸内細菌が重要で、人間の健康に対して大きな影響を及ぼすことが分かってきました。様々な慢性疾患、例えば肥満、糖尿病、炎症性腸疾患、脳卒中、心臓病、喘息、アレルギー、慢性痛、老化などの多くの病気は腸がひとつの原因です。さらにうつ病、自閉症、パーキンソン病、アルツハイマー病などの脳の病気も腸に原因があるらしいことがわかってきました。健康な人間であっても、気分ややる気、つまり人間の幸福感は腸が多くを決めていることも分かってきました。

私はそのことに興味を持ち関連する10冊以上の英語の本を読み勉強しました。そして上記の病気の予防、治療には腸の調子を整えることが最重要であることを知りました。本講座では、それらの本の内容を簡単に解説し、どうすれば健康な生活が送れるかに関して、特に食事と栄養の面から話します。アルツハイマー病やパーキンソン病は数十年かけてゆっくりと進行するもので、年を取り病気になってからでは手遅れで、若いときからすでに手を打つ必要があります。そのためにはどのような生活を送ればよいかについての指針を話したいと考えています。各回、一冊の本を取り上げます。

 

トーク:松田卓也(基礎科学研究所副所長・NPO法人あいんしゅたいん副理事長)

日 程:2月15日~11月予定(全10回)

回 数 日 程 各回テーマ
第1回 2月15日(土)  脳腸相関:体内の密かな会話が我々の気分、直感的選択、健康にどのように影響するか?
                                エメラン・マイヤー
第2回 4月25日(土)
↓ 延期
日程未定
 脳の健康つくり:腸内細菌の力が脳を癒やし、保護する デービッド・パールムター
第3回 5月30日(土)
↓ 延期
日程未定
 神経新生と食事、ライフスタイル:脳と健康を改善しよう ブラント・コートライト
第4回 未定  腸反応:健康な体が体重、気分、幸福を改善する
             ジャスティン・ソンネンバーク、エリカ・ソンネンバーク
第5回 未定   アルツハイマーの終焉:認知症を防ぎ、治す初めての試み デール・ブレデセン
第6回 未定   食事にまつわる神話:我々の食事の本当の科学 ティム・スペクター
第7回 未定   長生き食:老化を遅らせ、病気と戦い、体重を最適化するためのステム細胞と再生の新しい科学
                                    ヴァルター・ロンゴ
第8回  未定   病気に打ち勝つために食べる:体が自然に良くなる機構の科学 ウイリアム・リー
第9回  未定   全回復:慢性痛と鬱の謎を解く ギャリー・カプラン、ドナ・ビーチ
第10回 未定   微生物負荷:老化と老化に関連した病気の主原因と老化防止法 マイケル・ルストガルテン

※ 開催は月1回を予定しています。日程については、講師の都合等で変更になる場合があります。

時 間:13時30分(13時15分入室開始)~16時

スケジュール
13:30 ~ 15:00 講 演
15:00 ~ 15:10 休 憩
15:10 ~ 15:40 質疑応答
15:40 ~ 16:00 交 流

会 場:ルイ・パストゥール医学研究センター 4階会議室(〒606-8225 京都府京都市左京区田中門前町103-5)

アクセスはこちらをご覧ください

定 員:50名

参加料:500円(飲物・お菓子代込) ※ 参加料は当日会場にてお支払いただきます

申 込:現在参加申込受付は中止しております

共 催:(公財)ルイ・パストゥール医学研究センター
     ※ ルイ・パストゥール医学研究センターのホームページにも案内を掲載予定

備 考: 参加申込いただいた場合は、当日欠席されないようご協力ください。やむを得ず欠席される場合は、事前にメールないしは電話にて欠席連絡をお願いします(無断欠席された方には、次回以降のご参加をお断りする場合がございます)。
  当日は、コーヒーなどの飲み物と、ちょっとしたお菓子をお出しする予定です。セルフサービスとなっておりますので、片付けなどのご協力をお願いします。

 講演概要
 
第1回 脳腸相関:体内の密かな会話が我々の気分、直感的選択、健康にどのように影響するか? エメラン・マイヤー
The Mind-Gut Connection: How the Hidden Conversation Within Our Bodies Impacts Our Mood, Gut Choices, and Our Overall Health, by Emeran Mayer

腸にはたくさんの神経細胞があり消化活動を司っている。その意味で腸は第二の脳と言われている。脳は交感神経系を通じて腸を支配している。ストレスを感じると食欲が落ちるのはこのせいだ。しかし逆に腸は脳を支配している。人の気分とか直感的意思決定に腸は大きな影響を及ぼしている。このように脳と腸は密接に関わり合っている。この関係を脳腸相関とよぶ。腸には、人体の細胞数と同程度の数の腸内細菌がいる。腸の活動はこの腸内細菌で大きく規定されている。その意味で脳腸相関は脳腸・マイクロバイオーム相関ともいう。腸を良くすることは脳を良くすることであり、健康を促進することである。そのためには植物中心食にすること、発酵食品を食べ、糖分と加工食品を制限すること、動物性脂肪を避けるなど食事を改善する必要がある。伝統的な日本食は実はかなり理想的な食事なのであるが食事の欧風化が慢性病をもたらしている。食事を改善するだけで、肥満、さまざまな慢性疾患、認知症などを予防することができるだけでなく、気分が明るくなり幸福になる。
第2回 脳の健康つくり:腸内細菌の力が脳を癒やし、保護する デービッド・パールムター
Brain Maker: The Power of Gut Microbes to Heal and Protect Your Brain-for Life, by David Perlmutter

近年、子供の自閉症や老人の認知症が急速に増えている。最近の研究の進展で、これらの病気は人間の腸に住む腸内細菌が大きな影響を及ぼしていることが明らかになって来た。腸内細菌は神経系を含む人間の健康に大きな影響を及ぼしている。本書では自閉症の子供を浣腸と糞便移植で治した劇的な例から話が始まる。子供の腸内細菌は正常分娩か帝王切開か、母乳か人工栄養かで決まり、大人の腸内細菌は食べるもので決まる。腸内細菌のバランスが崩れると肥満や慢性疾患、さまざまな脳疾患に罹患しやすくなる。腸を整えることが健康と脳にとって決定的に重要である。ここでは具体的な食事法についても述べる。
第3回 神経新生と食事、ライフスタイル: 脳と健康を改善しよう ブラント・コートライト
Neurogenesis Diet and Lifestyle: Upgrade Your Brain, Upgrade Your Health, by Brant Cortright

これまで神経細胞の数は20歳台で最大になり、それ以降は減少するだけだといわれていた。しかし最近の研究では、神経細胞は死ぬまで増える可能性を秘めていることが分かった。これを神経新生とよぶ。神経新生は特に海馬と呼ばれる短期記憶に関連した脳の部分でみられる。神経新生の大きさは我々の人生全体に重大な影響を及ぼす。神経新生の割合が小さいと認知障害、記憶減退、不安とストレス、鬱、免疫力減退を経験する。逆に神経新生の割合が大きいと、認知能力向上、学習の容易さ、強靭な感情、不安・ストレス・鬱の減少、免疫力の強化が得られる。本書では神経新生の具体的な方法を食事、運動、学習、人間関係、瞑想などの観点から述べる。
第4回 腸反応:健康な体が体重、気分、幸福を改善する ジャスティン・ソンネンバーク、エリカ・ソンネンバーク
Gut Reactions: How Healthy Insides Can Improve Your Weight, Mood and Well Being, by Justin and Erica Sonnenburg

我々は腸という重要な器官を長い間無視してきた。その結果、食物アレルギーや潰瘍性大腸炎、クローン病などの炎症性腸疾患は当然のこととして、がん、喘息、糖尿病などの慢性疾患、生活習慣病が近年、急速に増大している。我々の腸内には1200種類ほどの腸内細菌が住んでいるが、昔はもっといた。なぜ減少したのだろう。腸内細菌の多様性とバランスは健康に重大な影響を及ぼす。どうしたら健康な腸内細菌を復活することができるかを具体的な食事のレシピも交えて解説する。
第5回 アルツハイマーの終焉:認知症を防ぎ、治す初めての試み デール・ブレデセン
The End of Alzheimer's: The First Program to Prevent and Reverse Cognitive Decline, by Dale Bredesen

ガンは治るがアルツハイマー病は治らない病気であるといわれてきたし、現在でも多くの医者や研究者はそう信じている。しかしここに画期的な研究が現れた。アルツハイマー病は予防できるだけでなく、治せるのだという。著者のデール・ブレデセンはアルツハイマー病とは単一の病気ではなく、すくなくとも3種類に分類できるという。さらに詳しく見ると36の原因があるという。だからアルツハイマー病は1種類の薬で治せるようなものではなく、生活習慣を改めることから始めなければならないという。実際、まず10人の患者で実験して9人が治った。さらにその後、100人で実験した。現在ではもっと多くの被験者で治験が行われている。本書ではアルツハイマー病の予防、および治療に関する具体的な手法が述べられている。
第6回 食事にまつわる神話:我々の食事の本当の科学 ティム・スペクター
The Diet Myth: The Real Science Behind What We Eat, by Tim Spector

よい食事法とされるものには流行がある。例えば一昔前は、脂肪は悪いものとされ、低脂肪が健康に良いとされてきた。しかし現在では、むしろ脂肪をとれという食事法が幅を利かせている。よい食事法とされるものには流行があり、それは科学というよりは、むしろ一種の信仰みたいな側面がある。つまり食事法には神話が多いのである。欧米の健康上の大きな問題に肥満がある。従来は食べる量を減らして運動をする減量法が推奨されてきた。しかしことはそんなに単純でないことが分かってきた。腸内細菌の存在である。その人の腸内にある腸内細菌の種類や多様性により、人は太るか痩せるかが決まるという側面がある。本書で著者は脂肪、カロリー、ビタミン、栄養素に関する誤概念について解説する。
第7回 長生き食:老化を遅らせ、病気と戦い、体重を最適化するためのステム細胞と再生の新しい科学 ヴァルター・ロンゴ
The Longevity Diet: Discover the New Science Behind Stem Cell Activation and Regeneration to Slow Aging, Fight Disease, and Optimize Weight, by Valter Longo

何を食べるか、どう食べるかにより、どれだけ長生きするかが決まる。老化、栄養、病気についての著者の25年に及ぶ研究は長生きをするための食事を明らかにした。著者が推奨する食事は低タンパク質、低糖分、健康な脂肪分を主体とする魚を含む植物中心食である。もう一つ著者が推奨するのは年に数度の短期間断食である。著者はイースト菌、ハエ、ネズミの研究から断食は体の組織を再生させ、長生きにつながることを発見した。その理論に基づき、具体的な断食法が述べられている。 
第8回 病気に打ち勝つために食べる:体が自然に良くなる機構の科学 ウイリアム・リー
Eat to Beat Disease: The New Science of How Your Body Can Heal Itself, by William W Li

ガン、心臓病、脳卒中、糖尿病、肥満などの生活習慣病が急速に増えている。最近の科学研究によれば、これらの病気を予防し治す最適な薬は食事である。著者によれば人間の体にはこれらの病気に対する5つの防護機構が備わっているという。血管新生、細胞再生、マイクロバイオーム、DNA防護、免疫である。これらは食事と密接に関係している。著者は長生きするための200種以上の食物による、5x5x5法を提案する。つまり健康に良い食物を5種類、一日に5回、上記の5種類の防護機構を考慮して選んで食べる方法である。具体的な食品とレシピも紹介される。
第9回 全回復:慢性痛と鬱の謎を解く ギャリー・カプラン、ドナ・ビーチ
Total Recovery: Solving the Mystery of Chronic Pain and Depression, by Gary Kaplan and Donna Beech

多くの人が慢性疼痛に悩んでいるが、その原因は多くの医者には謎である。あなたが原因のよく分からない痛みで医者に相談したとしても、さまざまな検査をした結果、何ら異常なしとして追い返されるケースがほとんどだ。それは痛みについて現代西欧医学が間違った考えを持っているからだ。著者は最新の研究と自身の治療実績から慢性疼痛と感情的な痛みは密接に関連していることを発見した。痛みは人生を通じてのトラウマ、けが、感染、感情的打撃の集積の結果である。だから現状の治療法は役に立たない。痛みの症状だけではなく、その根本原因に目を向けることにより、慢性疼痛からの全回復の道を探る。
第10回 微生物負荷:老化と老化に関連した病気の主原因と老化防止法 マイケル・ルストガルテン
Microbial Burden: A Major Cause of Aging and Age-Related Disease and What We Can Do To Fight Back! by Michael Lustgarten

百年以上昔の主な死因は感染症であった。しかしここ百年の間に感染症による死者の数は激減した。それでは我々は細菌やウイルスのような微生物との戦いに勝利したか? まったくそんなことはない。微生物の数は圧倒的であり、我々の免疫系は微生物の侵入を完全には阻止できない。体内に侵入した微生物は、急性の感染症だけではなく、循環器病、ガン、脳卒中、アルツハイマー病、糖尿病などの慢性病を引き起こす。その理由は、微生物はインシュリン抵抗、慢性炎症、テロメアの短縮、酸化ストレスを通じてこれらの病気の原因となるからだ。著者は老化と老化に伴う疾患は微生物が原因であるという仮説を立て、それを論証する。どうすれば老化とそれに伴う疾患に打ち勝てるか? それは微生物が体内に侵入する口を塞ぐことである。侵入口は腸、皮膚、口腔である。本書ではその侵入口を塞ぐ方法を論じる。著者はそのために自分自身の体を使って人体実験をしている。
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サロン・ド・科学の眼差し プログラム詳細 Wed, 15 Jan 2020 10:17:38 +0900
本川達雄講演会 https://jein.jp/jifs/workshop/science-salon-2019/details/1697-motokawa-salon.html https://jein.jp/jifs/workshop/science-salon-2019/details/1697-motokawa-salon.html

テーマ:ゾウの時間・ネズミの時間・私たちの時間
      ~ ネズミもゾウも心臓は15億回打って止まる・ハツカネズミの心臓はドキンに0.1秒、ゾウは3秒 ~

  「え、本川先生が来られるのですか?あの「ゾウの時間・ネズミの時間の著者の?」と、目を丸くしてとても喜ぶ人が多く、今からみなさん楽しみにしています。
「ゾウの時間・ネズミの時間・私たちの時間」(初版 1992年)は、ロング&ベストセラー、若者も市民もたくさんの人がおもしろいといって読んでいました。
なぜゾウの寿命は長くネズミは短いのか、そんなことを生き物の多様性を超えて考えてみるってとてもワクワクするものです。この本が出たころは、私の周りの物理の専門の人もよく話題にしていたのですが、生物の人はもう、まるで天上人と言わんばかりに、あこがれているようです。
私も浮かれて読んだ1人です。「歌う生物学者」としても知られており、ご自分で作曲した歌を歌われるのですが、その朗々たるテナーの声にうっとりします。
そんなことも交えて、博学な先生の語り口で、生物学的世界観を、しかもとても分かりやすく説いてくださいます。

講演者:本川達雄(東京工業大学名誉教授)

    本川先生プロフィール

1948年宮城県仙台市生れ 1971年、東京大学理学部生物学科(動物学)卒業。東京大学助手、琉球大学講師・助教授、デューク大学(アメリカ)客員助教授(86~88年)を経て、91年より東京工業大学理学部生物学教室教授、理学博士 専門は生物学、動物生理学 主な著書に「サンゴ礁の生物たち」(85年 中公新書)「細胞のバイオメカニクス(共著 90年 オーム社)「Biology of Echinodermata」(共編著 91年 Balkema)「ゾウの時間 ネズミの時間」(92年 同 講談社出版文化賞科学出版賞受賞)「歌う生物学」(93年 講談社)「絵とき ゾウの時間とネズミの時間」(93年 福音館書店)、訳著に「サンゴ礁の自然誌」(86年 平河出版社)、「生物の形とバイオメカニクス」(89年 東海大学出版会)等、たくさんの著書がある “歌う生物学者”としても知られ、CD付き受験参考書『歌う生物学 必修編』も出版。一番最近の本に「生き物とは何か―世界と自分を知るための生物学」(筑摩プリマ―新書 2019年)がある。この本にも楽譜が掲載されている。 NHK教育テレビ「人間大学-生物のデザイン」に出演されたときは、“歌う生物学”と銘打って、毎回番組中で自作自演の歌を披露して話題になった。CD(「ゾウの時間 ネズミの時間」日本コロムビア)デビューもされている。

日 程:9月23日(月 祝)

時 間:14時30分(14時20分入室開始)~16時30分

スケジュール
14:30 ~ 16:00 講 演
16:00 ~ 16:10 休 憩
16:10 ~16:30 ミニコンサート+放談会

会 場:京都大学理学研究科セミナーハウス

   
  ※ クリックすると地図が拡大します   アクセスマップはこちら 10 の建物)

時 間:14時30分~16時00分

定 員:60名

参加料:1,000円 ※ 参加料は当日会場にてお支払いただきます
              同伴の小学生は無料です(中学生以上のお子様は参加料が必要となります)

申 込:参加申込フォームよりお申込みください

共 催:(公財)ルイ・パストゥール医学研究センター

備 考: 参加申込いただいた場合は、当日欠席されないようご協力ください。やむを得ず欠席される場合は、事前にメールないしは電話にて欠席連絡をお願いします(無断欠席された方には、次回以降のご参加をお断りする場合がございます)。
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サロン・ド・科学の眼差し プログラム詳細 Thu, 30 May 2019 01:00:53 +0900
松田卓也連続講座 https://jein.jp/jifs/workshop/science-salon-2019/details/1672-matsuda-salon.html https://jein.jp/jifs/workshop/science-salon-2019/details/1672-matsuda-salon.html

テーマ:迫り来るシンギュラリティと人類社会の未来

人工知能、ロボット技術、生物工学などの進歩により2045年頃に起きるとされるシンギュラリティについて、我々の生活はどうなるか、世界はどうなるか、人類はどうなるかという視点で全6回の講座を開講します。

トーク:松田卓也(基礎科学研究所副所長・NPO法人あいんしゅたいん副理事長)

日 程:4月27日~8月31日(全6回)

回 数 日 程 各回テーマ
第1回 4月27日(土)  シンギュラリティとは何か? 人工知能とロボット技術の発達
第2回 5月18日(土)  技術的失業とは何か? 生き残るには我々はどう対処すべきか
第3回 6月29日(土)  日本は大丈夫か? 人工知能先進国に向けた世界の大競争
第4回 7月27日(土)  覇権を握るのはどの国か? 先端技術を巡る米中覇権闘争
第5回 8月31日(土)  汎用人工知能とは何か? 人類史を変える技術
第6回 9月28日(土)
↓ 再変更
12月14日(土)
 22世紀は超人類の時代か? 人間と機械の融合

時 間:13時30分(13時15分入室開始)~16時

スケジュール
13:30 ~ 15:00 講 演
15:00 ~ 15:10 休 憩
15:10 ~ 15:40 質疑応答
15:40 ~ 16:00 交 流

会 場:ルイ・パストゥール医学研究センター 4階会議室(〒606-8225 京都府京都市左京区田中門前町103-5)

アクセスはこちらをご覧ください

定 員:50名

参加料:500円(飲物・お菓子代込) ※ 参加料は当日会場にてお支払いただきます

申 込:参加申込フォームよりお申込みください

共 催:(公財)ルイ・パストゥール医学研究センター
     ※ ルイ・パストゥール医学研究センターのホームページにも案内が掲載されています

備 考: 参加申込いただいた場合は、当日欠席されないようご協力ください。やむを得ず欠席される場合は、事前にメールないしは電話にて欠席連絡をお願いします(無断欠席された方には、次回以降のご参加をお断りする場合がございます)。
  当日は、コーヒーなどの飲み物と、ちょっとしたお菓子をお出しする予定です。セルフサービスとなっておりますので、片付けなどのご協力をお願いします。

 講演概要
 
第1回 シンギュラリティとは何か? 人工知能とロボット技術の発達

人工知能、ロボット技術、生物工学の発展により2045年には人類社会が大きく変わると予想される。それをシンギュラリティと呼び、農業革命、産業革命に次ぐ、あるいはそれを凌ぐ革命となり、生物的な人間を超えて超人類が誕生するかもしれない。今回はその基礎となる技術である人工知能とロボットについて解説する。
第2回 技術的失業とは何か? 生き残るには我々はどう対処すべきか

人工知能には特化型と汎用がある。今後の10年で特化型人工知能とロボット技術が大きく進展して、半分程度の仕事が失われる。それを技術的失業とよぶ。失われる仕事は定型的な事務作業を含む仕事、つまり大部分のサラリーマンの仕事である。当面残る仕事は高度な知的能力や創造力を要求する仕事と、低賃金ではあるが対人技術を必要とするサービス産業である。その社会で生き残るには我々は、子供達はどうすれば良いか?それは絶えざる勉強である。今回は有効な勉強法についても解説する。
第3回 日本は大丈夫か? 人工知能先進国に向けた世界の大競争

人工知能技術の進歩が今後の国の命運を決める。世界的には欧米と中国の間で激しい研究競争が続いている。今回は人工知能技術の現状について解説する。残念ながら日本はその競争で大きく遅れている。日本は幕末と第二次大戦の敗戦で大きな危機を迎えたがそれに打ち勝った。政府も最近になってようやく危機感を深めて、教育を大きく変えようとしている。一番必要な要素は指導層と国民の危機感と気概である。
第4回 覇権を握るのはどの国か? 先端技術を巡る米中覇権闘争

中国は有史以来、世界最大の大国で先進国であった。ところがここ150年ほどは欧米と日本に大きく遅れをとった。日本はここ150年ほどは世界をリードする大国で先進国であった。中国の指導層はそれを百年国恥とよび2049年には世界の最先進国になり世界覇権を握る事を決意して宣言した。それに対して米国は危機感を深め、中国の台頭を阻止するための戦いを始めた。米中覇権闘争は今後どうなるであろうか?1980年代に台頭し始めた日本は、米国に徹底的に打ちのめされた。その歴史が再現されて中国が打ちのめされるのか、あるいは中国が世界史的に見て成上りの欧米をたたき伏せるのか?
第5回 汎用人工知能とは何か? 人類史を変える技術

人間のように考え、振る舞う人工知能を汎用人工知能とよぶ。これができると世界は大きく変わる。2029年頃には汎用人工知能の基礎が解明されると私は予測する。この時点を私はプレシンギュラリティとよぶ。汎用人工知能を作るには人間の脳を研究するのが近道だと思う。今回は汎用人工知能のアルゴリズムであるマスターアルゴリズムについて脳研究と絡めて解説する。マスターアルゴリズムの姿は私の前におぼろげながら姿を現し始めている。階層型ベイズ脳モデルと変分自由エネルギー原理について触れる。
第6回 22世紀は超人類の時代か? 人間と機械の融合

汎用人工知能は真に考える機械である。機械自体を自律させて自我を持たせると、人間がコントロールできなくなる可能性がある。映画『ターミネーター』の世界である。これを防ぐには人間と機械を融合させる道、つまり人間がサイボーグ化する道が良いと私は考える。映画『攻殻機動隊』の世界である。今回はその技術的基盤について述べる。機械の知能が極めて高い場合、それを超知能とよぶが、それが完成すると科学技術が飛躍的に発展して真のシンギュラリティに到達する。それが実現するのは2045年頃であろう。超知能と融合した人類は超人類であり、生物進化の新しい方向である。22世紀は超人類の世紀になるであろう。
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サロン・ド・科学の眼差し プログラム詳細 Wed, 03 Apr 2019 13:30:26 +0900