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京都秘密名所巡り 10・・・高野川

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高野川も誰でも知っている。ただし京都の人ならばだ。京都の川というと、鴨川、あるいは賀茂川が有名で、誰でもそちらを思い浮かべてしまうだろう。しかし高野川もれっきとした名所なのだ。と高野川の肩を持つのは、私の家が高野川の近くにあり、一時は毎日そこに行っていたからだ。高野川にかかる亀石をぴょんぴょんと跳んで川を渡ると、対岸の下鴨神社に達するのである。

高野川の源流は京都と滋賀の境の途中峠にあるらしい。それから南に流れて大原を通り、いろんな川を合流させながら南進する。そして出町柳のところで賀茂川と合流して鴨川になる。おなじ「かもがわ」と言っても、字が違うことに注意。出町柳にある合流点は鴨川デルタとよばれ、万城目学の小説「鴨川ホルモー」の舞台になっている。右が高野川で左が賀茂川である。ちなみに鴨川デルタの向こうの森が前回紹介した糺の森である。写真では子供たち(と大人も)、亀石を渡ったり、座ったりして楽しんでいる。ブルーシートを敷いて宴会の準備をする若者もいる。

高野川の見所は桜(写真)である。それはそれは見事なものだ。しかも拝観料なしである。桜の季節になると、大勢の人が河原に敷物を広げて、花見の宴会をする。高野川には桜以外にも自然に咲いたと思われる花がいろいろある。私も家内と学生諸君を連れて、高野川の河川敷に敷物を敷いて、近くのカナートで買ってきた弁当を食べることがある。これを高野川ピクニックと呼んでいる。

 

高野川の野鳥

高野川には結構、野鳥がいる。もっともよく目にするのは鴨とサギである。鴨は鴨川にいるだけではない、高野川にもいるし、下鴨神社や植物園の中にもいる。サギは大別してアオサギと白鷺がいるが、白鷺は大サギ、中サギ、小サギと分類される。

それから冬には都鳥ことユリカモメが水面を群舞する。カワセミもいる。私が知らない鳥もたくさんいる。

 

大文字・五山の送り火

8月16日には五山の送り火が行われる。「大文字焼き」などという人は素人である。これがどこからよく見えるかは、京都に住むものにとって重要なことだ。私が大学院生であったときは、京都大学理学部物理学教室の屋上に上がることができて、そこからの眺めは最高であった。全部見えるのである。後にも工学部の屋上など、いろいろ上がれたが、最近は部内者ですら怪しいと思う。私の住むマンションの屋上などは最適であろうが、事故のことを考えると、管理組合としては、屋上に上がる許可など出せない。だから管理組合の理事長であった私すら、団地の屋上からは見ていないのである。

ところで五山の送り火は、一番有名な大文字の他に、妙法、舟形、左大文字、鳥居とある。私の住む場所の近くからは大文字と法が見える。舟形もわずかに見える。大文字は東大路と北大路が交差する付近、つまり高野の交差点あたりでよく見える。高野中学校越しにである。大文字の点火時間は20時であるので、その10分前くらいにそこで待機する。法の点火は20時10分なので、5-10分後には高野橋東詰に移動する。この場所はよく知られているので、大変混雑する。警官も出動している。でもどうしようもなく混雑していると言うことはなく、十分に見ることができる。この場所では法に関しては、それこそ点火から最後までじっくりと見ることができる。京都に住むものの特権であろう。

   
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