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京都秘密名所巡り 5・・・普段は非公開の社寺

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今回もあまり有名でない社寺を紹介しよう。まずは安楽寺である。哲学の道の東側、法然院から南に下がって、鹿ヶ谷の霊鑑寺に着く手前にある。花見に哲学の道に行ったときに、幸運にも開いていたので拝観したことがある。ここはいつも公開されているわけではない。ツツジの季節の5月上旬の土日、祝日に開いている。またサツキの季節の5月下旬、6月上旬の土日、紅葉の季節になると11月と12月上旬の土日、祝日に開いている。公開時間は9:30-16:30で、拝観料は400円である。

この寺の開祖は浄土宗の開祖である法然上人の弟子、住蓮上人、安楽上人であり、彼らは後鳥羽上皇の女官であった松虫姫と鈴虫姫を剃髪・出家させたために打ち首になったという。ここの見所はお庭である。桜の季節にはとくに何もなかったが、このお庭のツツジとサツキは見事である。というか、私は書院の畳間から見たお庭自体をとても気に入っている。書院の廊下にずっと長時間座って、お庭を眺めるのはとても落ち着く。

お庭を眺めながら、このお庭の地下に、私の秘密研究所を作ることを妄想した。本堂の仏様の裏にある扉を潜って地下に降りると、「京都秘密時間研究所」に向かう地下道に出る。そこにはスーパーコンピュータが轟音を立てて動いているのだ。マッドサイエンティストとしての私の研究テーマは、当然、タイムマシンである。実は、実現可能な構想はすでにあるのだ。後は資金だけである。株での大儲けを待つしかない。タイムマシンが出来ると株で大儲けが出来るのだが、株で大儲けしないとタイムマシンが出来ないのである。

安楽寺のつぎはお隣の霊鑑寺である。臨済宗南禅寺派のお寺で、後水尾天皇が皇女のために開山したという。皇室とのつながりを示す宝物が多く、谷の御所とも言われている。普段は非公開なのであるが、椿の時期(4月2日頃)と紅葉の頃(11月20日頃)に公開される。だから霊鑑寺を拝観できるのは、幸運なのである。私は昨年、椿の時期に行ったときに、たまたま公開されていて入った。実に見事な椿であった。30種類ほどもあり「おそらく椿」という変な名前の椿もあった。私にとって印象的であったのは、メインのコースから外れた裏庭である。そこには見事な桜と菜種が咲いている。これは外の道路から見ることが出来る。花見の季節には、あたりにウグイスも鳴いて、実に風流である。

霊鑑寺から西に行って、丸太町通りから細い路地を通って、私の「黒谷秘密経済物理学研究所」予定地を過ぎ、その北にある黒谷の金戒光明寺につく。ちなみにその研究所のテーマは、株の必勝方程式の開発である。しかし方程式無くして資金は得られず、秘密研究所も出来ないという、鶏が先か卵が先かというディレンマを私は抱えている。

金戒光明寺は非公開ではなく、拝観料なしで入れる。法然上人が開いた浄土宗最初の寺院である。ここが有名なのは、幕末に松平容保(かたもり)の率いる会津藩の本陣となったからである。城構になっていて、軍隊の駐屯に適していたので選ばれた。新撰組と黒谷本陣の間には毎日連絡があったという。ここの山門は見事なのだが、観光客がいない。付近は子供たちの遊び場になっている。墓地の間の階段を上り、日本三文殊随一文殊塔という三重の塔に達する。この塔は近くから見るより、南の都ホテルのあたりから見た景色がもっとも京都らしい。あるとき都ホテルで結婚披露宴があった。ボーイ長の指令の下、レストランの窓のカーテンがさっと開けられ、この三重の塔を含む黒谷の景色が眼前に展開して感動的であった。しかし黒谷門前には、世界征服を狙う私の秘密研究所(予定地)があることを誰も知らない。

   
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