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2013年9月 - 130904_Diary

9月30日 iPhone5sとVP400E

2013-09-30

iPhone5sとVP400E

iPhone 5sについてと、iOS7についてのアップルの発表会のプレゼンを聞いた。まずはiPhoneについて。CPUチップは64ビットのA7である。そのパフォーマンスはiPhone5用のA6の2倍、私の持つiPhone 4SのA5

富士通VP400Eの4倍近いと言う。メモリは1GBである。私は60年代からコンピュータを使っているので、この値は驚異的である。京都大学に1969年に導入された富士通の大型計算機FACOM 230-60のメモリは最大262Kワードである。1ワードは42ビットであった。

80年代末に私が使っていた富士通のスパコンVP400Eのメモリは256MBであった ので、iPhoneの1/4である。写真の巨大な筐体の中にあるメモリの4倍のメモリがiPhoneの中に入っていると思うと感無量である。

ところで今日、家内のiPhone 4S、32GBのシルバーが届いたと近くのソフトバンクから連絡があった。11時開店だが、10分前にいくと応対してくれた。いろいろ手続きをするのに、1時間近くかかった。私の注文した64GBのゴールドはまだ届いていない。

9月29日 iPhoneとアンドロイド サムソンと韓国

2013-09-29

iPhoneとアンドロイド

 なかなか興味深い記事を読んだ。Android Google Playの収益の危険な地域性(その3)である。アンドロイド用の有料ソフトの購買者が多いのは、世界的に見て日本と韓国だけであるという。また日本は世界でも例外的にiPhoneのシェアが高い。最近ドコモがついにiPhoneを販売する事にしたので、日本におけるiPhoneのシェアはさらに高まるであろう。するとアンドロイドの有料ソフトが売れる国は韓国だけになり、アンドロイドは崩壊するのではないかと言う観測記事がある。

スマートフォンとタブレットをモバイル機器と呼ぶ。モバイル機器は基本的に二つに分かれる。アップル製のiPhone, iPadとそれ以外である。アップルはiPhone, iPadのハードも基本ソフトであるOSも自社で提供している。一方、アンドロイドの方は基本ソフトはグーグルのAndroidであり、ハードはいろんな会社が作っている。主要なメーカーは韓国のサムソンであり、中国製も多い。

iOSの有料ソフトの販売数のランキングはアメリカ、日本、英国、オーストラリア、ドイツであり、ようするに先進国で、人々が経済的に余裕のある国だ。順当なランキングである。iPhoneなどアップルの製品は高いことで有名であるので、iPhoneを持てるのは基本的にお金に余裕のある人たちだ。

スマホの台数のシェアで言えばアンドロイドの方がiPhoneより多いが、それは要するにアンドロイドのモバイルが安く、発展途上国の人々はそちらを買うからである。アメリカにおいてさえ、iPhoneのユーザーは高所得層で、アンドロイドはそうでないという調査がある。ようするにiPhoneはステータスシンボルの役割を果たしているのだ。

ところがAndroidの有料ソフトのランキングは異常である。グラフを見れば分かるように圧倒的に日本と韓国である。あとはアメリカが少しで、他の国にはほとんど浸透していない。だから先に述べたように、ドコモがiPhoneを発売して日本に置けるiPhoneのシェアがさらに上がると、アンドロイドの有料ソフト勢は崩壊するのではないかと言うのだ。するとソフト開発者がiPhoneを優先するので、ますます差が開いてくる。台数のシェアだけでは語れない側面がある。

私が驚いた事は、日本は世界で見て、ちっぽけな国で、大して影響力がないようにみえるがそうでないこと。韓国のITにおける、ここ10年ほどの恐るべき発展である。それは主にサムソンの躍進である。

アップルはガラクタは売らない

つぎのビデオでアップルのスティーブ・ジョブスが「アップルはガラクタ(Junk)を売らない」と公言している。つまりアップルの製品が高いのは、意図的に良いものを高く売っていると言うのだ。そう聞くと、iPhone 5cがなぜ事前の予測と異なって、安くなかったのかがよくわかる。ガラクタで中国や韓国と競争しないと言うのだ。

ファブレットに関する私の誤解

 Galaxy Noteなど Phabletの真の価値という記事も目から鱗だ。

ファブレット(Phablet)とはフォーン(Phone)とタブレット(Tablet)を掛けた造語であり、要するに大きなスマートフォンである。アップルはそれを出していない。ファブレットの主要なメーカーはサムソンである。私はiPhoneの画面の小ささに、かなり困っている。スマホを主に電話として使うなら小さい方が良いので、iPhoneのサイズは良い。ところがネットの閲覧などを考えると、画面は大きい方が良い。たくさん字数が入るだろうからだ。だからファブレットが発明された。

ところがそうではないと言う。画面のサイズが大きいと、確かに字は大きいが、入る内容量に大差はないと言うのだ。さらに知って驚いた事は、アンドロイドは遅いのでiPhoneほどには画面がスムーズに動かない、それを克服する為に強力なCPUを搭載する、すると電池の消費が激しい、そこで大きい電池を入れたい、そのためにサイズが大きい方が良い、というのがファブレットの画面が大きい理由だと言うのだ。

サムソンと韓国、かつての日本の姿

 サムソンと韓国の躍進を見るにつけ、私は80年代の日本を思い出す。当時、日本も日本のコンピュータメーカーも日の出の勢いであった。80年代末のバブルの頃は、日本の土地の時価総額が米国を凌ぐのではないかと言われた。また「ジャパン・アズ・ナンバーワン」という西欧人の本が売れて、私を含む日本人は天狗になっていた。我々はその勢いがずっと続くと信じていた。21世紀は日本の世紀だと確信していた。しかし90年代に入ると日本の勢はガタンと低下した。そして失われた10年とか20年と言われる時代に突入した。

80年代の日本のコンピューターメーカーである富士通、日立、NECも日の出の勢であった。富士通と日立はIBMの汎用機のコピーを作り、IBMより良い製品をよりやすく売った。またスーパーコンピューターも、それを始めて開発した米国のクレイの製品より、高性能で安いものを販売した。

ところが米国とIBMの画策で日立の社員が米国で逮捕されると言う事件が起こり、日本の会社は多大な賠償金をIBMに支払う事になった。またスパコンもアメリカ政府の激しい介入で、一部の国立大学ではクレイを無理矢理買わされた。また90年代に入り、スパコンのアーキテクチャーが米国主導でかわり、日本の主導権は失われた。ようするに90年代に入り、日本全体の国力も、コンピュータ会社の威勢も失われた。

そういう過去の経験から見ると、現在の韓国とサムソンの勢いも、いつまでも続くとは思われない。実際、サムソンはアップルと米国政府の激しい攻撃を浴びている。韓国人がそれに異論を唱えているのを聞くと、80年代の日本を思い出すのだ。韓国とサムソンの勢は多分、2020年頃までには失われるのではないだろうか。

そもそなぜ日本が90年代に入り勢を失ったのか。いろいろな分析がある。政府の施策の失敗とする説がある。しかしわたしはそれは構造的なものであると思う。つまり少子高齢化である。そのことにより労働力が失われ、福祉に費やす費用が増加した。中国や韓国は(当時)は若い国であった。しかし中国も韓国もこれから少子高齢化に突入する。だからこのまま勢が持続するとは思われない。

つまり日本が衰退を始めたのは、世界でもっとも進んだ国であるからだ、というのが私の見方である。

 

 

9月28日 アイアンマン Mac Unix

2013-09-28

アイアンマン

ツタヤで「アイアンマン Iron Man」のビデオを借りてみた。以前、講義のレポートで学生がぜひ見るように勧めていたものだ。よっぽどのファンなのであろう。という訳で見たのだが、科学的にはあり得ない。エネルギーをどうするのだと言いたい。熱プラズマ反応炉「アーク・リアクター」だって。ありえないつうの。それにあんなに精巧なものを洞窟で手作りできる訳無いつうの。

要するにスーパー・ヒーローものである。スーパーマン、スパイダーマン、バットマン、ウルトラマン、ガッチャマン・・・。彼が着ているのはパワードスーツである。

人工知能J.A.R.V.I.S.(ジャーヴィス)は私も欲しい。ただしこれは現代では無理だ。最低でもあと10年、多分20年は必要だろう。

Mac のUnix

MacのオペレイティングシステムであるOS XはUnixの上に構築されている。しかしほとんどのユーザーは、そんなことは気にしないで、Macの優れたUIを使っている。ところでMac上でそのままUnixのコマンドを発することも簡単にできる。これがWindowsだとバーチャルソフトを立ち上げて、その上で仮想マシンとしてUnixなりLinuxを動かさなくてはならず、厄介である。

私は急にMacのUnixを使ってみたくなった。Unixについては神戸大学時代「情報数理」という講義で使っていたのだ。当時はまず講義をして、次の時間に演習というパターンであった。

ところで長い間使っていなかったので、知識が錆び付いてしまっていた。そこで再び勉強しようと思ったのだが、ネットでは十分に詳しい記事が無いので、いっそのこと教科書を買うことにした。日本語の本もあるがやたら高い。そこでアメリカのアマゾンからKindle版を買うことにした。タイトルは

Learning Unix for OS X: Going Deep With the Terminal and Shell, by Dave Taylor, O'REILLY

$9.31であった。アマゾンの本の値段はコロコロ変わるので、これはあくまで買った時の値段である。この本は初心者用である。私はbashはよく知らない。昔はcsh, tcshを主に使っていたからだ。bashの使い方をマスターするには、この本は不十分かもしれない。最終的にFortanを入れたいと思う。私はWindowsのVisual StudioでIntel Fortranを使っているが、MacでもFortanを使って見たいと思ったのだ。

なぜアメリカのアマゾンで買ったかというと、私のもつKindle, iPad2, iPad3, iPhoneはそれようになっているからだ。日本のアマゾンで買うとiPad mini用になってしまう。この二つが統合できないことが悩みの種である。iPad miniでもクラウドにあげた本は読むことは出来る。しかし辞書が英英辞典になり、和英辞典が使えない。これは痛い。

9月27日 潮汐力と遠心力 理系が世界を支配する

 2013-09-27

潮汐力と遠心力を巡るよくある誤解

私が8/6に科学の散歩道に書いた「潮汐力と遠心力を巡るよくある誤解」に関して、Twitter上で結構な議論があったようだ。それが「潮汐力と遠心力を巡るよくある誤解を巡るよくある(?)議論」と題してアップされている。9/6のことである。道理で私の当該の記事のアクセス数が急増した訳だ。ネットの威力はすごい。

議論には琉球大学の自称「色物物理学者」こと前野さんと気象庁のアキシオンさんこと木下さんも参加している。彼らはさすがに頭が良い。前野さんが書いた図は私のものより丁寧で分かりやすい。しかし前野さんの図4でも良いのではないかと言う疑問に関しては、そもそも潮汐力の定義が問題になる。潮汐力に寄与するのは、非軸対称(非球対称)な力であるので、図4は間違いなのだ。どんな教科書を見ても、潮汐力の数学的な導出は簡単で、月による重力を微分するだけである。その結果は、地球上の月に対する近地点と遠地点では、潮汐力の大きさは等しく、方向は反対になる。つまり図4は間違いである。

私の議論は、多くの解説で月の潮汐力を説明するのに遠心力を使っているので、その「遠心力」とは何かを解説したものだ。結論は、そこでの「遠心力」は本来の遠心力ではなく、その一部に過ぎないと言う事だ。所詮大した問題ではないのだが、あまりに誤解がはびこるので書いただけだ。

そして、「理系」が世界を支配する

という特集が組まれた雑誌「Courier Japon 11月号」が発売された。読んでみたが、内容は私の知っていることばかりであった。しかしなかなか面白い。アメリカでは理系の卒業生の方が文系よりも給料が高いと言われている。中国もドイツも指導者は理系人間である。日本だけが世界の中で文系人間が威張っている国である。もっとも鳩山元首相や菅元首相は理系人間であるが、必ずしも指導力を発揮できなかった。しかし文系の指導者といえども理系のセンスを持つことはこれからの世界では必須である。

内容は以下の通りである。

Part 1 世界のルールは理系が作る

数字がすべての世界で私たちは「アルゴリズムの奴隷」になるのか

世界を震撼させた「新時代の預言者」ネイト・シルバーとは何者か?

ハーバードの学生たちに広がる、急激な「文系離れ」の波紋

ウォール街を支配しているのは、経済学者ではなく数学者たちだった

米国の「理系学生」の優秀さは、日本の学生とは比べ物になりません

「文系バカ」になりたくないなら、まず統計を転ぶことから始めよう

Part 2 「理系」は世界をこう見ている

もし「数学オタク」のアラフォー女性が、世界的IT企業のCEOになったら

「理系」のお億万長者たちが夢見る、あまりに過激な「未来予想図」

経験や勘に頼らない、 Google流「革命的ベンチャー投資法」

これからのビックデータ時代に「必要とされる人材」の条件とは

「文系人間」でも楽しめる、必読「理系の教養本」ガイド

 

9月25日 Knowingとスーパーフレア

 

2013-09-26

Knowing

ビデオレンタルで借りた映画「ノウイング Knowing」を見た。実はこの映画は9/21の柴田先生の講演の中で、推薦されたものである。というのも映画の最後で全人類が巨大な太陽面爆発であるスーパーフレアで全滅するのである。主人公たちの幼い息子と娘だけが助かり、未来のアダムとイブになるという話だ。柴田さんは、話の内容はともかく、スーパーフレアの危険性に関して、多分、専門家の助言をえているだろうという。主演はニコラス・ケイジである。

スーパーフレアによる被害

問題は映画の最後にあるように、スーパーフレアで、はたしてあのようにビルが次々と倒壊するような熱風が吹くかということである。今までに記録された最大のスーパーフレアは1859年に英国のリチャード・キャリントンによって記録されたキャリントン・フレア(Carrington Event)である。太陽面でフレアが爆発して、コロナ質量放出を誘起して、それが17時間という短時間で地球に到着して、地球に磁気嵐を引き起こした。そのため巨大なオーロラが発生して、カリブ海でも見ることが出来た。このキャリントン・フレアによる被害は、電報用紙の自然発火程度であった。

しかし1989年にX5クラスの太陽フレアの影響で、カナダのケベック州で12時間の停電が起きて、600万世帯が影響を被りl00億円程度の被害が出た。太陽フレアが爆発して、コロナ質量放出によるプラズマが地球を直撃すると、送電線に大電流が流れて変圧器が焼けきれたりして停電になるのである。キャリントン・フレアより弱いフレアでなぜ大きな被害が出たかというと、人類社会が電気に頼るようになり、電力網が磁気嵐に対して脆弱だからだ。文明が進むほど、この種の自然災害に対して、人類社会は脆弱になる。一番のウイークポイントは電力網なのだ。だからアメリカやカナダといった先進国がスーパーフレアに弱いのである。つまり映画ノウイングにあるような超巨大フレアでなくても、先進国はかなり簡単に壊滅する。

この問題に敏感になったアメリカは2008年にアメリカ科学アカデミーの詳細なレポートを出している。これを読むと、恐ろしいことに、キャリントン・フレア程度のものが現在起きて、地球を直撃した場合、アメリカ東北部だけのシミュレーションでも数百万人が死ぬと予想されている。その原因は映画にあるような直接的影響ではなく、停電が数ヶ月から1年近く続くからである。

原因は異なるがアメリカがサイバー攻撃で攻撃されて、電気、水道などのインフラが破壊されたニューヨークの惨状を小説「Cyber Storm」が描いている。電力網が破壊されると、食料輸送が出来なくなり、人々は餓死するのである。坂本龍一が「たかが電気のために子供たちの命を危険にさらすのは・・・云々」と言ったと伝えられているが、「たかが電気がなくなる」と子供だけでなく、大人もみんな死ぬのである。現代社会は電気を食って生きているのである。単に明かりがなくなるとか、スマホが使えなくなると言った程度ではすまない。

まず病院で生命維持装置で生きている人たちが死ぬ。人工透析ができなくなり、多くの腎臓病患者が死ぬ。薬を運べないし薬を作れない。弱い病人はみんな死ぬ。電車が動かないだけでなく、車も動けない。信号機が働かないので、交通事故が多発する。ガソリンスタンドでガソリンをくみ上げることが出来ない。ガソリンを運ぶ車が動かない。食料が輸送できない。飛行機は当然飛ばない。銀行のコンピュータがやられるので、現金以外は役に立たない。銀行預金は全部パーになり経済は壊滅する。

壊れた変圧器は予備が少ない。あっても運ぶことが出来ない。技術者の数が少ない。変圧器を作り直すには最長1-3年はかかる。だからスーパーフレアによる停電の大被害から回復するには、最長1年近くかかる。スマートグリッドほど弱い。文明度が進んでいるほど脆弱なのだ。

だからスーパーフレアで生き延びるのはアフリカやブータンのような発展途上国であろう。先進国はみんなやられる。ちなみに中国で計画されている電力網は電圧が高いので、よけいに脆弱であると報告書には書いてある。

太陽フレアの強さは弱いものから順にC, M, X, X10クラスに分類されている。クラスが上になるとエネルギーは10倍になる。X10クラスのものは1年に1回程度起きる。だからケベックに被害をもたらした程度の太陽フレアはしょっちゅう起きているのだが、プラズマが地球を直撃しない限り問題にはならない。

今まで人類が経験した最大のフレアはX30程度であった。X100クラスで10年に1回、X1000クラスで100年に1回、X10000クラスで1000年に1回起きるとされている。X100クラスのフレアでも地球を直撃すると、宇宙ステーションに滞在している宇宙飛行士は重篤な放射線障害をおこし、死亡する可能性がある。航空機の乗客、乗員も無事ではない。

さてもとの疑問に戻って、映画のノウイングの最後に描かれたような現象は起きるのだろうか。キャリントン・フレア程度のフレアでは起きないことは明らかだ。しかし1000年に1度以下程度のX10000以上のスーパーフレアが起きたらどうだろうか。太陽以外の星で太陽最大のフレアの1000倍のエネルギーのスーパーフレアが起きた場合、その星の明るさが数パーセント明るくなった。もっと明るくなるようなスーパーフレアがもし太陽で起きた場合、地球表面の温度は上昇する。コンピュータシミュレーションによれば、日本が真昼の時にそれが起きたとして、温度上昇は砂漠の中東地方が一番大きい。地表の温度が上昇すると、そこに接した空気の温度が上昇して上昇気流が発生する。そして低気圧が出来る。スーパーフレアの規模にもよるが、巨大な台風が発生する可能性はある。これがノウイングのような現象の起きる機構だと私は思う。しかし、何度も述べているように、そんなに大きなスーパーフレアが起きなくても、キャリントン・フレア程度で先進国は簡単に壊滅するのである。

雑誌Natureの政治性

柴田さんは太陽に似た星のスーパーフレアをたくさん観測して、それが特異な現象でないことを示した。そのため我々の太陽もX10000程度のスーパーフレアが1000年に1回程度起きる可能性があることを警告しようとした。柴田さんはそのことを雑誌ネイチャー(Nature)に書こうとしたら、その部分は編集者に拒否されたという。人を不安に陥れるようなことを書いてはいけないというのだそうだ。

地球温暖化問題に関して、政治的には二酸化炭素原因説が正統派となっている。ネイチャーとかサイエンティフィック・アメリカンはここでも政治性を発揮している。正統派以外の論文を拒否するのである。柴田さんも私も、宇宙物理学者の一部は地球温暖化は太陽のせいではないかと疑っている。20世紀は非常に太陽活動の盛んな時期であった。その時と温暖化が一致している。また17世紀初頭にはマウンダー極小期といって、太陽活動が低迷した時期があった。その時と小氷期が一致するのである。ところが2008年に始まった太陽周期24では太陽活動が異常なほど弱いのである。さらに2019年から始まるはずの周期25は存在しないのではないかという説すらある。すると、今後数十年は地球温暖化どころか寒冷化の危険すらある。生物にとって寒冷化の方が温暖化より遥かに恐ろしい。植物の生産性が低下するので、食料危機になるからだ。

常識とは違って、人間を含む生物にとり「温暖化は善、寒冷化は悪」なのだ。

 

9月25日 Evernote 復旧

2013-09-25

Evernoteのバグ

最近iPhone 4sとiPad2, 3, miniをiOS7にバージョンアップした。それに伴い、mini以外のEvernoteをバージョン7にアップグレードした。Evernote社はiOS7の精神に則り、グリーンでクリーンなったと自画自賛しているが、ところが多くのデータが消えてしまったのだ。ごく最近のデータと2011年以前のデータのみ見ることが出来て、それ以外のものはない。冷え汗が出た。営々とためたデータが失われたのであろうか。ところがMacのEvernoteから見るとデータはあるので、データが消えたのではなくて、単に新しいバージョンのバグなのであろう。その証拠に、古いバージョンのままのminiのほうは、データがすべて見えるのだ。

App storeに行って、利用者の評価を見ると、ほとんどの人たちが同じ症状を訴えていて、多くの人たちが星一つの評価をしている。そのなかで、再インストールしたら回復したという報告があった。私は昨日、Evernote社にクレームの報告をしたら、今日返事が返ってきて、再インストールしろという。そこでiPhone, iPad3のEvernoteを再インストールしたら、データが回復したのでヤレヤレである。

それはそうと、Evernoteをビジネスとか、もっと重要な用途に使っていたとしたら、データが見えなくなるというのは重大な障害であろう。ルック・フィールがどうでも良いとは言わないが、まずはちゃんと動くことが第一であろう。Evernote社は自社の製品をチェックもしないで、出荷したのだろうか。信じられない話である。彼らに対する信用が一気に失われた。

実は前回のバージョンアップの時も、星一つになった。それは使い方が大幅に変わったので、ユーザーが戸惑ったからである。しかし、その不満はユーザーが慣れるに従い、鎮静した。しかしデータが見られないという今回の障害は、使い方やルック・フィール以前の問題だ。

9月24日 ニュートンビーズ・シミュレーション

2013-09-24

ニュートンビーズの数値シミュレーション

昨日、ニュートンビーズの運動についての数値シミュレーションをしようと考えた。今日は1のアイデア、つまり質点をゴムひもでつなぐモデルについて、Matlabでプログラムを組んだ。プログラム自体は、それほど時間もかからずに出来たが、質点の運動が予想したものとは異なる。まだバグがあるのか、モデルが悪いのかは、今日の段階では分からない。

iPhone 5s

iPhone 5sが売れているという。3日間で900万台も出荷したそうで、それは過去のモデルの中でも最大だそうだ。特に金色と銀色のモデルは、圧倒的に不足しているので、私はまだ手にしていない。いつになったら入荷するやら。

「またまた永久機関」の記事に関する神戸大学からの連絡

私はジャパンスケプティックスのホームページに2013/61/11づけで「またまた永久機関・・・海水発電」と題する記事を書いた。神戸大学名誉教授の西岡氏が提案した発電方法は一種の永久機関であるとする解説である。

その記事に関して西岡氏の所属する神戸大学海事科学研究科のホームページ管理者から、先週、メールがあり、私の記事には誤解があるという。それは西岡氏の「発明」が神戸大学のホームページに掲載されて、後に削除されただろうというネットのうわさを私が書いたことに対してである。

管理者氏によれば、西岡氏の記事が神戸大学海事科学研究科のホームページに出た事実は無いこと、共同通信PRワイヤーというところに西岡氏が記事を書き、そこに神戸大学のロゴをコピー・ペーストしたらしいので、それで誤解されたのであろうということだ。

私は管理者氏からのメールの要点をスケプティックスのコラムに書いた。

 

9月23日 ニュートンビーズ

2013-09-23

ニュートンビーズ解説

なんか今日のテレビでニュートンビーズの番組が放映されたらしい。私に問い合わせてきた番組だろう。しかし私に対するクレジットは無かったという。慣性の法則で説明されたらしいが、それだけでは不十分である。そこで書き溜めていた解説をここに一挙公開する。

ニュートンビーズの力学と逆懸垂線

実験成功

今日、秘密研究所で秘密研究会を開き、ニュートンビーズを実験してみた。神戸の東急ハンズで1mあたり単価231円のクロームメッキのボールチェインを30m買った。6930円であった。それをコーヒーマグに入れて、高いところから鎖を落とすと、奇麗に逆懸垂線状に鎖が持ち上がった。

数値シミュレーション

そこでニュートンビーズの運動についての数値シミュレーションをしようと考えた。アイデアとしては、1) 質点をゴム紐でつないだモデル、2) 拘束条件のあるラグランジュ方程式を使う方法、が考えられる。後者について、少し勉強した。

9月22日 スタートレック

2013-09-22

映画「スタートレック・イントゥ・ザ・ダークネス」を京都の新京極にあるMovixシアターで家内と見た。スタートレック・シリーズは家内の弟が1960年代の高校生の時に見ていて、それに啓発されて私も見た。なかなかおもしろかった。1970年代終わりから80年代にかけての映画も見た。2009年の新キャストによる映画も見た。もとのカーク船長とミスター・スポックに慣れたものとしては、若造のカーク船長があまりに幼稚なので、失望した。

さて今回のウリは悪役ハリソン中佐、実は以前の映画「カーンの逆襲」に出てきたカーンが、今人気上昇中の英国の俳優ベネディクト・カンバーバッチが演じていることだろう。カンバーバッチはBBCのテレビ番組「シャーロック」でシャーロック・ホームズ役を演じて人気を博した。この映画でカーンは悪役というが、それほどでもない。むしろ部下思いであり、艦隊のマーカス提督のほうがよほど悪役だ。カーンは遺伝子操作を受けた優性人類だそうで、抜群の体力と知力を誇るという。私もこうなりたいものだ。しかしその優性人類がアホなカーク船長たちに負けるというのだから、たいしたことないか。

シャーロック・ホームズ役のカンバーバッチをどうぞ。

ちなみに「シャーロック」でジョン・ワトソン役を演じたフリーマンもブレークして「ホビット」でビルボ・バギンズ役で主演を張っている。

9月21日 太陽スーパーフレア

2013-09-21

本日はNPOあいんしゅたいんのオフィスである、坂東理事長の通称ホワイトハウスでサロン・ド・科学の散歩道が行われた。講師は京都大学付属天文台長の柴田一成先生であった。太陽物理学における日本の権威者の一人だ。参加者は今まで一番多い、20人近くになった。参加者の内訳は名誉教授が5名、講師である教授1名が大学関係者である。さらに私が京都大学工学部航空工学の助教授をしていた時に、大学院修士課程の学生として私の研究室にいた人が二人いた。後の雑談で、実は柴田先生、私のかつての学生諸君、それに東北大学の宇宙論、相対論の権威者であるニ間瀬敏史教授はみんな同級か、それに近いことが分かった。聴衆の中には高校一年生もいて、彼は熱心に毎回参加している。その他の方々は退職者、先生、民間の方である。

柴田さんの話は太陽フレアとはなにか、日本におけるフレアの研究の話から始まった。太陽フレアというのは太陽面上での爆発である。フレアはしょっちゅう起きているのだが、人類にとって重要なのはスーパーフレアと呼ばれる大爆発である。柴田さんの話は下記の著書に詳細に述べられている。

「太陽 大異変」柴田一成、朝日新書407、朝日新聞出版、2013年6月30日、第1刷り、798円

 

9月20日 iPhone5s

2013-09-20

 iPhone 5s発注

今日はアップルのiPhone5sの発売日である。iPhone 5cは予約を受け付けていたのだが、5sの方は生産がトラブっているようで、予約を受け付けていない。今日発売なのである。私は現在はiPhone 4s、家内はiPhone 4を使っている。ちょうど2年目の切りなので、新しいのに買い替えようと思う。実は私のiPhone 4sは16GBなので、写真を撮りすぎたために、メモリが圧迫されてニッチもサッチも行かなくなっていた。iOS5から6へのバージョンアップもままならなかったのだ。そこで写真を大幅に削除してスペースを空けて、なんとかiOS6にアップした。後で述べるが、昨日iOS7にアップした。その話は後で。

私はソフトバンクなので、店の開店時間を調べると11時からだと言う。そこで11時過ぎに家内と出向くと、既に先客が来ていた。さて我々の番になって、何色にしますかと聞かれた。いままでのiPhoneは黒と白だけであったが、今回は金色、銀色、灰色だという。アメリカの購入希望では灰色が圧倒的金銀はほとんどないと読んだ。しかし私は家内のもの、古いものと区別するために、私は金色、家内は銀色にした。メモリは私は64GB、家内は32GBにした。現物は無くて、予約ということになった。

家に帰って調べてみると、日本では金色が人気であるが、非常な品薄らしい。アップルは見込み生産を間違ったと思う。数週間で届くのか、数ヶ月かかるのか、よく分からない。しかし後で述べるように、iOS7にバージョンアップしたので、iPhone 5sの主な特徴はかなり実現しているので、まあ、いつ届いてもかまわない。

ところがiPhone 5cが予想されたほど安くないということで、批評家やブロガーにたたかれ、株価が下がったという。しかし私は5cには興味が無いのでどうでもよい。5sはどうかということだ。新機軸としては指紋認証システムであろう。これはよい。私は最近、パスコード入力を設定した。先日述べたAndroidの遠隔操作ソフトの話を読んで、パスコードの設定が必要と思ったからだ。しかしこれが結構めんどうである。指紋認証はそれを簡単化すると思われる。後の新機軸と言えば、カメラの機能のアップ程度か。

アップルのイノベーション力の枯渇

私はアップルはジョブスの死後、イノベーションが枯渇しかけているように感じる。新製品を発表した時に、ウワッとうならせる新しさが少なくなっている。Siriは新しかったけれど、今回の5sの宣伝文句は指紋認証を別とすれば、64bit CPUのA7を採用してスピートが速くなったということだ。もちろんそれは良いことではあるが、定性的な新しさではなく、定量的なものだ。

しかもアップルの最近のやりかたがせこくなっている。例えばiPad miniだ。私はあの大きさは極めて良い大きさで、必要なものだと思う。ところがスペックはCPUも画面解像度も一時代前のiPad 2と同じである。それしか出来なかったとすれば、技術力が無いということである。しかし新しいCPUもRetinaディスプレイもすでにあるのだ。それをあえて古い技術を投入したのは、次のバージョンでCPUを新しくする、解像度を上げるためであろう。これは簡単なことで、あまり努力を必要としない。これを「せこい」と見るか、技術力が枯渇していると見るか。うわさでは、つぎのiPad miniはCPUは強化するがディスプレイの解像度はアップしないという。もしそうであれば、まったく消費者をバカにした態度であろう。

ジョブスは神格化されているが、彼もいろいろ読み違いをしている。例えばiPad miniだ。彼はあのサイズを断固拒否したという。しかしジョブスの死後、発表してみると、ベストセラーである。大きなiPadよりminiの方が、はるかに人気がある。使ってみれば分かることだが、iPadでは重すぎて、机の前で使うというのが主な使い方になる。iPadを寝転んで使うのはつらい。つまりiPadはデスクトップまたはラップトップの代替、つまりパソコンの代替なのである。ジョブスの頭の中には、パソコンをタブレットで置き換えようとしたのであろう。しかし人々はiPad miniを小さなパソコンとしてよりは、大きなiPhoneとして使いたがっているように思う。

同じ間違いは、iPhoneの画面サイズである。現在のサイズは4インチであるが、サムソンなどの他社はもっと大画面のもの、いわゆるファブレットを出して人気を博している。正直言って、私も大きな画面が良いと思っている。結局スマホをコンピュータでもある電話機ととらえるか、電話も出来るコンピュータととらえるかで、画面サイズが決まる。前者なら小さい方がよいので、現在のiPhoneのサイズはベストであろう。しかし私のように後者を望むものは、画面は大きい方がよいのだ。その意味でサムソンのものは良いが、Androidだから使いたくない。

サイズの上限はiPad miniで抑えられているとすれば、Kindleサイズのものが欲しい。できれば2画面にするか、Microsoft Surfaceのようにキーボードをつけるかである。

アップルの技術力の弱さとして、グーグルが出したGoogle glass相当品を出せていないこと。Pebbleなどの時計型を出せていないことなどがある。もちろん研究は必死でやっているはずだが、まだ出せないということは、技術力が無いということだ。

iOS7

昨日の19日にiOS7がダウンロードが可能なった。そこで私はiPad2, iPad3, iPad mini, iPhone4s, iPhone 4を一挙にiOS6から7にバージョンアップした。印象は非常に良い。ネットでは一部の人たちがたたいているらしいが、それは毎度のことだ。私が使った印象はよいし、家内も非常に良いという。これは成功と思う。iOS6の時は、マップがひどくてさんざん叩かれた。だから私はしばらくはiOS5でやってきたのだ。iOS6にアップしたのは、メモリのこともあり、比較的最近のことだ。

9月19日 ニュートン・ビーズの曲線は逆懸垂線であることを発見した

2013-09-19

昨日述べたニュートン・ビーズだが、この鎖の形がなぜああなるのかを一日考えた。結局、分かった。方程式を立てると懸垂線(Catenary)と同じになる。ただし鎖が走って、その速さが一定以上になると、上に凸になるのである。これがビデオで示されている不思議な現象だ。ネットを調べたが、このことを言っている人はいないので、私が世界初かな!!?? 物理自身はそう難しい事ではないのだが、一件常識に反するので、あまりだれも考えた事がなかったのだろう。詳しい式は別にアップする。ところでこの問題は琉球大学の自称「色物物理学者」の前野さんと考えたのだ。彼はとても頭の良い人である。前野さんのホームページはここ

9月18日 ニュートンビーズ

 2013-09-18

昨日あるテレビ番組制作会社からニュートンビーズのメカニズムについて問い合わせがあった。実は私はそのときまでニュートンビーズの何たるかを知らなかったが、紹介されたYouTubeを見ておどろいた。実に不可思議な現象である。ニュートン力学の範疇だが、だれもまだ解明していないのではないかと思う。

http://www.youtube.com/watch?v=6ukMId5fIi0&feature=player_embedded#t=47

 

9月17日 京都ぐるぐる案内

2013-09-17

昨日アマゾンで注文した「森見登美彦の京都ぐるぐる案内」が届いた。1時間ほどで一気に読んだ。なつかしいなあ。私の好きな京都の景色がここに詰まっている。いわゆる観光名所ではなく、森見氏が過ごした大学時代の京都である。それは私の京都大学工学部航空工学の時代に学生諸君と、あるいはひとりで歩き回った場所なのである。第1作の「太陽の塔」の舞台なんか、京都大学と北大路と東大路が交わる高野までが舞台であり、それは私の活動域と重なるのである。

本書で紹介されている場所を紹介しよう。鴨川デルタ、下鴨神社、京都大学、進々堂、吉田山、大文字山、真如堂、荒神橋、京都市美術館、水路閣、哲学の道、琵琶湖疎水、四条大橋、レストラン菊水、東華菜館、木屋町、先斗町、祇園、伏見稲荷大社、貴船口~鞍馬、竹林、太陽の塔、叡山電車

基本的に京都の東半分である。私に取っても京都の西半分は範囲外である。

ここで紹介されたレストラン、喫茶店、お店は知っているものも、知らないものもある。しらないものをこれから探索したい。このなかでちょっとだけ紹介されている喫茶店の茂庵を私はお勧めする。吉田山の山頂にあり、景色は抜群である。大正時代に立てられたと言う民家を改造したものだ。ただし行くまでの難易度が高い。私はなんども挑戦してようやく行けた。またようやくたどり着いたら休みだったということもあった。ネットで調べてから行った方が良い。

読者コメントもおもしろい。

9月16日 京都豪雨

2013-09-16

昨晩から家内と山科の特異点庵に泊まっていた。映画「ロード・オブ・ザ・リング3」を見る。一月ほど前に最新作の「ホビット」を見たので、その後日潭にあたる「ロード・オブ・ザ・リング」3部作を見ようと思ったからである。これは確か、以前にも見たはずなのだが、忘れてしまっていた。そして1, 2を見て3を見ようと思ったのだが、借りたDVDが不良品で見る事が出来なかった。結局はツタヤに言ったら、新しいものに換えてくれて、かつお詫びの無料券までくれた。

それはそうとして、昨日から激しい雨が降っている。今日も朝から降っている。京都の桂川の上流に当たる亀岡が洪水になっているというニュースを知った。亀岡を流れる川は、保津峡を通って桂川になるのだが、その部分が狭いので、水はけがわるくて洪水になっているのであろう。嵐山の名所である渡月橋も、橋桁ギリギリまで水が来ている。

ところで私のいる特異点庵は京都市営地下鉄の御陵(みささぎ)駅の近くにある。ひとつ向こうが山科で、そこには地下鉄の他にJRと京阪電車の駅があり、また百貨店やショッピングセンターもある、このあたりの中心街である。そこに行こうと思ったら、地下鉄が浸水の為に運休になっていた。一駅だから歩けるだろうと思って歩いてみた。一度、歩いてみたいと思っていたからだ。Google Mapを見ながら歩くと、30分ほどで行けた。途中のバス停には人々が待っていたが、時刻表を見ると、なんと1時間に1本である。たしかにJR、京阪電車、地下鉄が並走しているのだから、バスの必要は普段はない。しかしこんな時は、必須になる。京阪電鉄も途中までは地下鉄と同じ線路を使っているので、こちらも運休である。JR山科駅前も人だかりしていたから、運休かなんかであろう。タクシー乗り場は長蛇の列であった。しかたないからミスドてドーナツを食べて、もとの特異点庵に帰って来た。

家内はその一時間に1本のバスで帰った。私はタクシーで帰った。御陵の駅前に消防車が来ていて、排水していた。明日もどうなる事やら。

9月15日 マイクロソフトのSiri対抗AI

2013-09-15

マイクロソフトがアップルの人工知能Siri対抗の人工知能コルタナを用意しているらしいです。コルタナはビデオゲームHaloで登場するセクシーなAIであるとか。Siriは現状、声だけですが、コルタナには顔がつきます。その件に関しての英語のレポートです。コルタナのセクシーな肢体が鑑賞できます。コルタナは人工知能で、会話をすればどんどんと賢くなって行くそうです。実際の発表が楽しみですね。ただしクラウドを使うので、ネット環境によってはレスポンスが遅いかもしれません。これは私がSiriで痛感していることです。

Microsoft's Cortana to rival Apple's Siri

その種のものとしてはすでにバーチャルアシスタント・デニスがあります。でもあまり流布しているようには見えません。

9月14日 低線量放射線を超えて

本日NPOあいんしゅたいんのオフィスでサロン・ド・科学の散歩第6回(特別企画2)として、宇野賀津子理事が「低線量放射線を超えて」と題して講演した。宇野さんは同名の著書「低線量放射線を超えて・・・福島・日本再生への提案」小学館720円を出版している。宇野さんは印税で同書を買い込み、福島などで配布しているという。本の内容は以下のようなものだ。

「放射線については、その問題について専門家の間でも意見が分かれています。結局のところ、放射線とどのように向き合って生きたらいいのか? 長年、免疫の研究をしている理学博士がこれからの生き方を提言。低線量放射線の影響とその克服法、福島の現状と支援方法、免疫力を上げる実践法を紹介します。どの放射線関連本よりも優しく、わかりやすく、実践的に書かれた本書は、福島をはじめ被災地で生きる人々、さらには日本人に、正しい知識と危機意識、生きる勇気を与えてくれます。」

本書でも述べられているように、3.11 と福島原発事故が起きた時に、NPOあいんしゅたいんでは物理系の坂東理事長と私、それに生物系の宇野理事の間に激しい論争があった。要するに物理系は、放射能は所詮危険なものだから、その危険性を過大に言うのもOKという立場であった。しかし免疫学者の宇野理事はHIV騒動の時に、エイズの危険性を過大に言う学者のせいで、患者たちに無用の差別を助長したこと。当人は正義感で発言していても、結果的には非常な悪をなしていると感じていることを言われた。

放射線に関しても、放射線医学関係ではがんを治すのに、数10シーベルトの放射線を当てて、それでガン治療していると言われた。それは当時福島で騒がれていたマイクロシーベルトの100万倍、1ミリシーベルトの1000倍、100ミリシーベルトの100倍である。喉頭がんの患者に数10グレイ(シーベルト)の放射線を当てると、喉がやけどで赤くなるが、10日もたてばなおってしまう。つまり放射線でガンになることを怖がって放射線治療を拒むと、ガンで死ぬのである。なんと皮肉なことであろうか。

世間の学者で低線量放射線の危険性を喧伝する人たちは、最近の放射線生物学の知識を知らないという。それは私も坂東理事長も同じであった。坂東理事長は、それ以後、宇野理事と低線量放射線検討会を立ち上げて、徹底的に勉強し、最近はそれ関連の論文すら書いている。

ガンの発達には免疫力が大きな役割を果たす。低線量放射線を恐れて疎開した人のなかにはストレスのため、震災関連死した人が多い。ストレスは免疫力を下げて、ガンを促進する。汚染された野菜を恐れて野菜を食べない人は、免疫力の低下でガンになりやすくなる。低線量放射線を恐れて運動場で運動しない児童は、肥満やその他の原因でガンになりやすくなる。ようするに低線量放射線の危険性を過大に言う一部の、あるいは多くの善意の学者や識者は結果的には、ガンを促進しているというのだ。非常な皮肉である。宇野さんの言葉は、低線量放射線の危険性を過大に言うのも、過小に言うのも犯罪だということだ。

私は自分の無知を恥じるとともに、他の識者に、真の専門外のことは言うなと言いたい。

9月13日 流体力学会

昨日12日から明日の14日まで、日本流体力学会年会2013が東小金井にある東京農工大学で開催されている。本日は朝の9時から宇宙・惑星セッションが開かれた。私は千葉大学の松元亮治教授とともに、このセッションのオルガナイザーをしている。午前中は松元さんが座長、午後の第一セッションは海洋研究開発機構の廣瀬さんが座長、それから私、筑波大学の森さんが座長を務めた。私は午後の始めに松田・猪坂・大杉「ホイル・リットルトン降着流再訪1・解析解」として講演した。その次に大杉、猪坂・松田「ホイル・リットルトン降着流再訪2・数値計算」と題して講演した。その内容は、いずれ別のところでアップしたい。

印象的だったのは京コンピュータがいまやフルに稼働していることである。今後の成果が楽しみである。

 

9月9日 宇宙科学研究室同窓会

私は2006年に神戸大学理学部地球惑星科学科の教授を定年退官した。そのときまで運営していたのが宇宙科学研究室である。もっともその研究室は、次の教授によりそのまま存続している。さて本日、渋谷の居酒屋において研究室の同窓会を行った。参加者は私を除いて8名で女性2名、男性6名であった。みんな博士課程か修士課程を修了した諸君である。

全員が著名な、あるいは一流の企業に就職している。アカデミックなポストに就いたもの、つまり研究者になった者はいない。博士号を持ちながらもったいないと思うが、それは私の方針であった。

学部を卒業して修士課程に進学しようと思う者は、試験さえ通れば、そして研究室の定員以内なら受け入れた。博士課程に進学を希望する者は、終了後はアカデミック・ポジション、つまり大学の研究者ではなく企業に就職することをあらかじめ勧めておいた。従って、博士課程修了後、全員が企業に就職した。だからポスドク、高学歴ワーキングプアー、高学歴難民はいない。話を聞く限り全員、それなりに幸福に過ごしている。

世情、高学歴ワーキングプアー、高学歴難民、ポスドクとよばれる人たちがあふれている。日本で2万人近くいると思う。優秀な頭脳をもちながら、結構悲惨な生活を余儀なくされている。全くもったいないことだ。

ポスドク問題が発生する根本的な原因は、アカデミック・ポジションの不足である。しかしその問題が簡単に解決できるとは思えない。特に今後の日本の財政事情を考えると、大学教員を増やす政策は難しい。

そのように外部条件が所与として、ポスドク問題が起きない為には、博士課程に進学しなければ良いだけだ。しかしそうならない理由として、学生側の問題と教員側の問題がある。

学生側の問題としては、研究者になりたいという欲求がある。知的で頭の良い若者には、当然のことだ。研究者というのは極めて魅力的な仕事である。自分のやりたい研究をして給料がもらえるなら理想的だ。だから多くの人がアカデミック・ポジションにつきたがる。そのために競争が激しくなり、あぶれた者が高学歴難民に陥るのである。

研究者の世界は実力の世界である。というかそうあるべきだ。すると超一流の能力、ピカイチの能力を持った一部の者は、だいたいは望みのポジションを得ることが出来る。ただし、ここでいう実力の中には、研究能力だけではなく、世間を泳ぎ渡って行く能力、つまりはコミュニケーション能力も含まれている。このような人々は、約一割はいると思う。

ところで博士課程進学者が全員、超一流の能力を持っている訳ではない。多くは一流の能力、ピカイチではなくピカニの能力である。彼らのうちで運の良い一部の者は、アカデミックポジションにつけるかもしれないが、多くの者は高学歴難民に陥るであろう。

教員側の事情としては、学生、院生を労働力として見ていて、彼らの将来はどうでもよく、ただの労働者としてこき使いたいという需要がある。そのような教員は学生に甘い言葉で、博士課程進学を勧める。勧めておいて、後は知らん顔である。もちろん、知らん顔ではなくて、知った顔をしていても、ないポジションはないのである。無い袖は振れないのだ。それを知りながら、博士課程進学を勧めたとしたら、学生にとっては不幸である。

というわけで私は博士課程進学は認めるが、始めからアカデミック・ポジション狙いではなく、一般企業を狙いなさいと勧めて来た。その結果が、今晩の同窓会であったのだ。

 

9月8日 分散学習と集中学習

Scientific Americanのデジタルニュースを読んでいたら、勉強法に効果的な方法とそうでないものがあるという記述があった。そうでないものは時間のむだだそうだ。要約だけなので、本文を読みたければ買えという。

しかしその要約でも興味あることが分かった。例えば我々がよくやる、本に下線をひくという作業は無駄らしい。またDistributed Practiceは効果的だと書いてあった。そこでそれについて調べてみた。

Distributed Practiceとは日本語に直すと分散学習という。それに対する概念は集中学習だ。分散学習とは、ある物事を勉強するのに、時間を分割して少しずつ勉強する方法だ。それに対して集中学習とは、一夜漬けに代表されるように、長時間、集中的に勉強する方法である。具体例で言えばAとBを勉強するのにA1時間、B1時間、A1時間、B1時間とやるのを分散学習とすると、A2時間、B2時間とやるのが集中学習である。

日本語のWikipediaの学習という項目で当該部分を引用する。


集中学習と分散学習

時間間隔を置かずに学習する事を集中学習という。 時間間隔を置いて学習する事を分散学習という。

次のような理由で、一般的には分散学習のほうが効率的だと言われている。

  • 分散学習では、休憩中に学習した内容をリハーサルする事が可能である。
  • 分散学習の方が、学習対象に注意を集中しやすい。
  • 分散学習の方が、様々な視点から学習対象の符号化を行いやすい。

このことのメカニズムは最近、理化学研究所の研究であきらかになった。

運動学習の記憶を長持ちさせるには適度な休憩が必要

―休憩の間に運動学習の記憶が神経回路に沿って移動し固定化する-

私はそんなことは今まで知らなかった。学校でも習ったことはなかった。しかしそんなことは20世紀の初頭にエビングハウスという学者により、実験的に証明されていたという。もっと早く、教えてほしかった。今となっては手遅れである。

 

9月7日 2045年問題、グラン・フロント

今日、梅田の朝日カルチャーセンターで「2045年問題 コンピュータが人類を越える日」と題して講演して来た。私は一昨年前までは、ここで定期的に講演していたのだけれども、昨年度から途絶えた。理由は生徒が集まらないからである。この種のカルチャーセンターの内容は文科的な教養の話と語学を含むお稽古ごとがほとんどで、科学的な内容の物は、私の話だけであった。それでも生徒の数は10人程度と少なく、例えば歩き方のコースなんかより、遥かに少ない。生徒はお年寄りが多い。

グランフロント

大阪駅の北に出来た商業・研究施設のグランフロントに行って来た。ここは5月に開業したのだが、開業当初は芋の子を洗うような混雑だとかで、その頃に行った人は大変だったそうだ。私はたまたま大阪に出たので、この機会に行ってみた。さすがに当初ほどの混雑ではないが、それでも休日ということで、結構混んでいた。私はエスカレーターに乗って、行けるところまで行ったら、屋上庭園に達した。さすがにここは人気は少なかった。人々は下のレストラン街やショッピング・モールに集中しているのだ。私はさらに北に歩いて行くと、階段があり、ずっと下りが続いていた。そして建物の周囲を巡るテラスに到達した。誰も人はいなかった。すぐく歩いてようやく建物の中に入ることが出来た。建築家はこれをどういうつもりで設計したのだろう。人々が散策すると思ったのではないか。それなら出入り口をもっとたくさん設置すべきだ。あまりに不便だから、探検家以外は行かない。設計ミスと思う。

 

 

 

9月5日 アンドロイドとiPhoneの脆弱性

アンドロイドをOSとするスマホが遠隔操作される可能性があることを報告したが、iPhoneはどうだろうか。iPhoneのOSはiOSという。それらの報告されている脆弱性はiOSが387件あり、Androidが13件であるという。これだけ見るとiOSの方が危険に見えるが、実はそうではない。iOSの脆弱性を研究する研究者の数が多いからだろうといわれている。

実際、2012年のモバイルのマルウエアの数を見ると、iOSが1件、Androidが103件と、Androidが圧倒的に多い。iOSのアプリはアップルが管理しているAppStore経由である。そこでは審査が行われていて、やばいアプリは認可されないか、認可されても後で取り消される。それにたいしてAndroidはOS自体が公開されているし、アプリの配布も自由である。そこを突かれる訳だ。

ただしマルウエアは脆弱性をついて感染するタイプではなく、ユーザーをだましてインストールさせるものである。Androidユーザーは怪しげなアプリはインストールしない方がよい。

モバイルOS、脆弱性の報告が多いのはiOS、マルウエアが多いのはAndroid

 

9月4日 アンドロイド・スマホの遠隔操作 処女性と結婚

アンドロイド・スマホの遠隔操作

昨日の続きである。スマホの遠隔操作に関して、私は昨日それをネットで知って衝撃的であったのだが、その後調べると、かなり知られているようだ。NHKの番組でやっていたとか。とくにケルベロスが知られているようで、その使い方に関するサイトがあるのでここに書く。

通話履歴、GPS、写真撮影、音声録音なんでも遠隔閲覧可能!悪用厳禁盗難対策特集2

怖! 携帯電話管理アプリの恐怖!!

実際、ある主婦がこの手のアプリを中学生の娘にいれられて、浮気現場をバッチリ録画、録音されて、間男は家庭崩壊、会社クビになる。主婦は離婚は免れるも、家庭の中で居場所を失い地獄の毎日。旦那の母に言われた言葉「自殺するときは電車は止めてね、後が大変だから」

子供たちのスマホ操作で不倫がばれました

人ごととはいえ、いやはや、恐ろしいものだ。とてもアンドロイドのスマホは持てない。iPhoneに限る。

私は個人の力は時に歴史を変えると思う。例えばスティーブ・ジョブスがそうだ。iPod, iPhone, iPadは人類の生活パターンを変えたと思う。iPodは音楽シーンを変え、ソニー凋落の原因を作った。

スマホはiPhone以前からあったと言う人がいるが、普及させたのはジョブスだ。現在、電車の中を見るとよい。人々は(自分も含めて)、じっとスマホを見ている。スマホ中毒である。アメリカの調査では、若者の20%はセックス中にもスマホを使うと言う。

iPadの導入はPCからタブレットへの流れを作った。マイクロソフトも凋落するであろう。

ところでiPhoneとアンドロイドのシェアだが、日本だけ例外でiPhoneのシェアが高い。他の国はすべてアンドロイドのシェアが高い。その理由は外国ではアンドロイドのスマホが安いからだ。外国ではiPhoneを持っていることは、お金持ちの証拠であり、ステータス・シンボルになるという。ところが日本でiPhoneのシェアが高いのは、電話会社の方針でiPhoneが安いからだ。外国に持って行ってドヤ顔をするにはiPhoneがよい。

処女性と結婚に関する考察

未婚男性は結婚相手として処女を好む。それは自分の遺伝子を確実に残すための生物的本能に由来する。日本の女子大学生の性交経験率は現在は47%である。ということは若い日本女性の約半数は非処女である。日中韓米の若者の純潔観でみると、日本女性がとりわけ貞操意識が低い。その ことをあるケーススタディを通して示す。非処女は結婚した場合、離婚しやすいという様々なデータがある。浮気、離婚の割合は、性経験が多いとそれに応じて 上がる。また初体験年齢が若いほど上昇する。

日本人の未婚男性は結婚対象でない恋人、セフレには非処女を選ぶ。楽だし責任を取る必要がないからである。一方、結婚相手には処女を選ぶ。浮気される可能性が少ないからだ。結婚した後に妻の性経験を知った夫は、妻に対する生理的嫌悪を感じ、愛情が薄れ、無関心、セックスレス、 家庭内暴力、浮気に繋がりやすい。日本女性(の半数)の結婚生活は、今後ますます不安定になるであろう。

某大学での衝撃のレポートを含む詳細なレポートは上記表題をクリッのこと。

 

9月3日 スマホの遠隔操作

 2chにはまる

このところ2chにはまっている。といっても書き込みをする訳でもないし、ROMをする訳でもない。まとめサイトを読んでいるのだ。これが実に面白い。私は何でも好奇心が旺盛で、のめり込むところがあるのだ。人には時間の無駄だから止めろと言われている。確かに時間の無駄であることは重々承知である。これもそのうちには、止めると思うが、今ははまっていると言う訳だ。

私はいままで2chをバカにしていた。確かに知的と言う訳ではない。そこに登場する人々は、私が普段つきあっているインテリ、高学歴層の人々ではない。普通の人々、つまり庶民である。しかし普通の人々のおりなすさまざまな事件、意見、思いがそこにはある。小説より面白い(ものもある)。リアルタイムに事件が進んで行く(のをまとめた物を後で見る)。

2007年1月15日01:21:080から始まる話がその一例である。冬の真夜中に家を飛び出して、しかし後悔して戻って来た妻と、屋内の夫の息詰るメール交換がある。夫はどうすべきかを2chの住人の意見を求めている。妻は外は寒いので鼻が出たから入れてくれと懇願する。頑としていれない夫。あまりに露骨な話なのでURLは紹介しない。

従来はマスメディアの記者や評論家のような、いわゆるエリートのみが発言できる特権を持っていた。彼らが世論を導いていたのだ。しかし2chやプログに代表されるようなネットの発達により、庶民でも発言できるようになった。これは一種の革命である。テレビや新聞の凋落が激しい。ネットではマスメディアはマスゴミとして叩かれている。庶民はもはやエリートの言うことを聞かなくなってきた。

スマホの遠隔操作

実は今日の主題はそこではない。その種のサイトを見ていたときに、スマホに関する驚くべき事実を知った。それはスマホを外部から操作できるということだ。PCでも可能であるがアンドロイド・スマホでそれが可能と言う。具体的にはCerberusとAndroid Lost Freeというアプリである。前者は有料だが高機能、後者は無料である。

http://koukentag.blog52.fc2.com/blog-entry-523.html

できることは、電話の使用履歴の抜き取り、電話帳の抜き取り、今いる場所の確認、今いる場所の画像と音声を取る。スマホを持つ人物の会話と、会っている人の特定。現在スマホで何をしているか、そのスマホから別なところに電話をかける、スマホの緊急ロックなどもできる。これらが手元のPCで確認できるのだ。

自分のスマホにこの種のアプリを入れてもあまり意味がない。他人のスマホにこのアプリを黙ってインストールするのだ。しかもアプリを隠すことが出来るので、これをやられると、何がどうなっているか分からない。同じキャリア同士なら、自分宛に通話状態にすると、その場の映像と会話が筒抜けになると言う。つまりスマホが究極のスパイ道具になるのだ。

ちなみにこの種のアプリが動くのはアンドロイド・スマホでありiPhoneでは出来ない。iPhoneはアップルがアプリを厳重に監視しているから、こんな危なっかしいアプリは許さないのだ。自分がスパイされたくなければiPhoneにして、他人をスパイしたければアンドロイドを勧めれば良い。恐ろしい世界になって来たものだ。

 

9月2日 ミニ脳、コップの中の嵐

ミニ脳

オーストリアの学者が人間の幹細胞から、人間の脳の小さな物を作り出したと言う。大きさは4mmと豆粒大である。こんなに小さいのは、血管がないのである程度以上には成長できないからである。目的は小頭症の研究、アルツハイマー病や統合失調症の研究の為だと言う。実際の人間の脳を実験室で作るのは技術的にも倫理的にも極めて難しい。しかし、この技術が進めば、いろんな応用が考えられるであろう。

コップの中の嵐と遠心分離機

私の70年代の研究テーマの一つとして回転流体力学があった。当時の日本はウラン濃縮のための遠心分離機を自主開発していた。遠心分離機の中の流れの様子が分からないと効率的な分離が出来ない。ところがこの問題は各国とも秘密のベールに包まれている。アメリカがマンハッタン計画で遠心分離機の研究をしたことは知られている。しかしアメリカは最終的にはガス拡散法を採用した。70年代当時、ヨーロッパでは英国、ドイツ、オランダが共同で遠心分離機を開発していた。しかし詳細は秘密のベールに覆われていた。私と当時の上司の桜井健郎教授は遠心分離機の流体力学を解明することにした。企業とは共同研究しないことに決めた。というのも、企業秘密を知ってしまうと、論文が出版できないからだ。私は手に入る論文を片端から調べた。国会図書館にも行った。アメリカ原子力委員会の論文があるのだが、タイトルだけあり、本文は秘密なのである。仕方ないから、全て一から自前で研究することにした。私はまず回転流体力学を徹底的に勉強した。そして最終的には遠心機の流体力学と題する論文を英国の雑誌に公開した。後で知ったことだが、この理論は英国や米国でも研究されていたのだが、論文が公開されなかったので、我々が世界初ということになった。

私はそれ以降は遠心分離機の研究はやめたのだが、2006年になって北京で開かれた国際会議に招待された。桜井先生が前年に亡くなられたので、その追悼公演であった。一番衝撃的であったことは、一般の予想に反してソ連が熱拡散法ではなく遠心分離法を採用していたことだ。ロシアの研究者から私と桜井教授の論文はバイブルであったと告げられて、うれしかった。中国にはロシア製の遠心分離機が導入されていた。そこで中国の研究者になぜ遠心分離機の研究をするのか、ロシア製の機械を分解してリバース・エンジニアリングすれば良いのではと聞いた。しかし、それは契約で固く禁じられているとのことであった。ロシアは中国にミグやスホーイの戦闘機をコピーされて怒っているのだ。中国の戦闘機はロシアのパクリである。遠心分離機ではそうはさせないと言う訳だ。

私と桜井先生はそのご、回転流体力学の論文を書いたり、学生実験に取り入れたりした。そのときの知識で書いたのが「コップの中の嵐・・・お茶の葉はなぜ中心に集まるか」である。

 

Open quantum system

このブログを1月、休んでしまったが、今回から再会する。とこまで書けるか分からないが、ぼちぼちやることにしよう。今日は昔の博士課程の学生の結婚披露宴の為に東京まででかけた。場所は銀座のあるビルの7階にあるレストランであった。最近はこの種のレストランでの披露宴が多いようだ。親族をよんだ結婚式は別にやったと言う。というか、半年以上も前に入籍して、一緒に住んでいるのだから、今回の行事はたんなるお披露目である。新郎も新婦も30代の半ばである。

開放量子系

ところで昨日は私の秘密研究所である特異点庵で開放量子系(Open Quantum System)の勉強会を行った。開放量子系に対応することばに閉鎖量子系(Closed Quantum System)がある。純粋状態の時間発展を支配する方程式はシュレディンガーの波動方程式である。混合状態は密度演算子または密度行列で記述される。密度行列の時間発展を支配する方程式はフォン・ノイマン方程式である。古典的にはリウビルの方程式がこれに相当する。

開放量子系の理論では、全体系を注目する系と環境に分けて、注目する系の時間発展を知りたい。量子コンピュータでは、注目するのは量子ビットであり、それに擾乱を及ぼすのが環境である。フォン・ノイマン方程式の拡張形がリンドブラッドのマスター方程式で、それを勉強するのが、勉強会の目的である。

友人がアマゾンからThe Theory of Open Quantum Systems, by Heinz-Peter Bruere and Francesco Petruccioneという本を買った。アメリカだと$85で日本だと7,566円である。値段の関係がなんだかよくわからない。ともかくこの場合は日本のアマゾンで買った方が良い。私はKindle版がかさばらなくてよいのだが、友人はやはり紙の本が良いと言う。一長一短であろう。

もっと安い本がないかと探したら、Open Quantum Systems: An Introduction (SpringerBriefs in Physics) by Angel Rivas and Susana F. Huelgaというのがあった。こちらはアメリカでは44.96ドルでKindle版は25.11ドル、日本のアマゾンだと5189円である。こちらはアメリカの方が安い。Kindleの場合、アメリカから買うか日本から買うか、どちらかに統一しないとややこしいことになる。私の場合、アメリカ版はiPhone, iPad, Macで読めるが、日本版はiPad miniでしか読めない。二つを統一できないのである。

ところで実のところこの本は、買う必要がないのである。PDFファイルが落ちているのである。arXivサイトである。ダウンロードしてみて分かったことは、短いことと(100ページ程度)、数学的なことで、とても難しい。いきなりバナッハ空間論から話が始まる。バナッハ空間とは完備なノルム空間、つまりノルムつけられた線形空間である。そんなこといわれてもなあ! 要するに何なんや?

 

   
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