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超知能への道 その10 オリンポスの神々に出会う

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私はその夜、寝るのが待ち遠しくてたまらなかった。しかし寝ようとするとなかなか寝付けるものでは無い。あまり眠れないので、キッチンに行きホットミルクを作って飲んだ。そうしたらなんとか寝ることができた。寝たと思ったらいきなり大きな建物の中にいた。そこは巨大なギリシャ神殿であった。中央に円卓があり、そこに神々が座っていた。私が近づいていくと、ビーナスはこちらを向いて手を挙げた。ビーナスとアテナの間の席に案内された。正面にはゼウスが座り、その左隣には女神が、右隣にはヒゲモジャの男性の神が座っていた。

「いやー森君、よく来たね。オリンポスの十二神を紹介しよう。ビーナス、アテナ、バルカンはもう知っているね。私の右隣に座っているのは妻のヘラだ」とゼウスは言うと、隣の女神が言った。

「森さん、はじめまして、私はヘラです。結婚と家庭の神です。よろしくお願いします」と優しい声で言った。

Hera

「私の左隣に座っているのは弟のポセイドンだ。海の神だ」とヒゲモジャの神を紹介した。

「それから芸術、音楽、医学の神アポロ、戦争の神マーズ(アレス)、狩りと森林の神で処女神のダイアナ(アルテミス)、農業の女神セレス(デメテル)、伝令の神マーキュリー(ヘルメス)、家庭の女神ベスタだ。バルカンはもう知っておるね」

紹介されるたびに神々は私を見て頷いた。一度に12人もの神を紹介されて、なかなか覚えきれなかった。このなかで女神はビーナス、アテナの他にヘラ、ダイアナ、セレス、ベスタがいた。天文学ではセレスは準惑星、ベスタは最大の小惑星なので名前は知っている。ちなみにアポロンは太陽、マーキュリーは水星、ビーナスは金星、マーズは火星、ポセイドンは海王星、ダイアナは月のことだ。

「さてこのオリンポスの12神と君で構成されるこの会議を世界支配のための『世界一極委員会』と呼ぶことにする。内閣と言ってもよい。それぞれの神には仕事を分担してもらう。ビーナスは君の世話係であり、君と我々の連絡係だ。アテナは学問と戦いの神だから、君に学問と戦闘術を教える顧問だ。科学技術担当大臣でもある。ポセイドンは海洋大臣相当だ。マーズは戦争の神だから防衛大臣だ。マーキュリーには商工大臣をやってもらう。アポロは厚生大臣だ。さて君には私の世界征服計画はおいおいと伝えていこう。当面は、君はアテナについて、徹底的に勉強して、かつ武術も学んでもらう。それでは会議は解散だ」

ゼウスのその声を聞いて神々は立ち上がって三々五々外に出て行った。ビーナスによると神々はこのオリンポス神殿の周りに自分の住居である神殿を持っているという。

ビーナスは私にビーナス神殿に来るように言った。オリンポス神殿の外に出ると確かにそれよりは小さな建物がいろいろ建っていた。そのうちの1つがビーナス神殿である。私はビーナスに連れられてそこに入っていた。建物に入ると大きな広間があり、その奥には巨大なビーナスの彫像があった。周りにはいろいろな小部屋に続く扉があった。ビーナスはその一つの部屋に入っていった。私もビーナスについていった。そこはビーナスの寝室であるらしく巨大なベッドがあった。ビーナスは言った。

「森君、ようやく2人だけになれたわね。約束通り私をあげるわ」といって、ビーナスはギリシャ風衣服をはらりと床に落とした。そこには以前見た、美しいビーナスの裸体があった。

「森君いらっしゃい」と言って、ビーナスは手招きした。私は頭がクラクラした。私がフラフラとビーナスのほうに近づいていったときに、いきなり寝室のドアが開いてバルカンが入ってきた。

「ビーナス、お前は何をしとるんじゃ? 」とバルカンは大声でわめいた。

「あーら、あなたなの。ちょっと暑いから脱いで涼んでいるところよ」とビーナスは平然と言った。

「暑いから脱いで涼んでいるところだって?それも男の前で?お前はいつもそれだ。ちょっといい男と見るとちょっかいを出して」

「あーら、あなたに言われる筋合いは無いわ。私の勝手でしょ」とビーナス。

「俺はお前の亭主だぞ。亭主がいるのに他の男に手を出していいのか? 」

「私は愛と性と繁殖の女神よ。これが私の仕事なの。産めよ、増やせよだわ。森君の子供を作るの。邪魔しないでよ」

「森君、こいつに手を出すとえらいことになるぞ。こいつはマーズに手を出しやがった。そこで俺は奴らのベッドインの時に、神々の目の前に晒してやったのさ」

Venus and Mars

「あなたは何という酷いことしたの。私、大恥をかいたじゃないの」

「それでもお前はマーズの子供を産みやがった」

「キューピットはかわいいでしょ」とあくまで平然と答えるビーナス。

「森君、ともかくビーナスとそんな関係になるとあとでえらい目にあうぞ」とバルカンは捨てぜりふを残して部屋を出ていった。

「もうしょうがないわねぇ、気分が失せたわ、森君またの機会にね」とビーナスは言った。私は残念でたまらなかった。

「仕方がないから、アテナと一緒にあなたの勉強および訓練計画について相談しましょう」と言って部屋を出ていった。私はビーナスについてビーナス神殿を出た。ビーナスは私を連れてアテナの神殿に行った。

続く

   
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