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京都秘密名所巡り 3・・・あまり知られていない寺社

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京都に住んでいる人は、あまり京都の観光はしないようだ。いつでも見ることが出来ると思うからだろう。そうして、何も見ないうちに時間が来て、死んでいくのである。私は、大阪生まれで京都人ではないから、結構、京都の名所を見て回る。JRの宣伝で「そうだ京都、行こう」というのがある。東京の人が発作的に「そうだ京都、行こう」と思ったとすると、新幹線で日帰りしたとしても、最低でも3万円はかかるであろう。そこで私は京都観光をするたびに「3万円儲かった」と唱えることにしている。そうすると豊かな気持ちになれる。家に帰って寝ると、ホテル代1万円助かったと考えることにしている。ずいぶん汚いホテルだが。

さて、私は清水や金閣寺のような有名観光地は、海外のお客さんが来たときでないと回らない。ロシア人を吉田神社、宗忠神社、真如堂、会津藩墓地、黒谷と案内して、結構喜ばれた。このルートは私の大のお気に入りである。第一に静かなのである。もう一つ重要な要素は、このルートだと拝観料がただなのである。ちなみに、海外の人、特にロシア人は、日本人と違って、お金に関して厳しい。

私は拝観料密度という概念を提案したい。拝観料をその観光寺社の敷地面積で割るのである。つまり単位面積あたりの拝観料というわけだ。これが高い寺社は、拝観効率が悪いということになる。拝観料がただであると、当然、拝観料密度はゼロで、最高に効率がよい。効率こそ資本主義社会の目指すべき指導原理であるとすれば、観光にも生かしたい。

私の経験では、もっとも拝観料密度が高かったのは、大原の寂光院であった。拝観料は600円だが、いかんせん面積が狭い。拝観料密度が低かったのは、渉成園、枳殻邸(きこくてい)である。東本願寺の飛び地で、京都駅の近くにある。ここは参観者協力寄付金と称するものが500円である。500円払うとパンフレットをくれるというのだが、払わなくてもよいのかもしれない。「パンフレットはネットで取り寄せますからいりません」とか言ったりして。以前紹介した法然院、大豊神社も拝観料は要らない。

現在は入ることが出来ないが、私が最高の拝観料千円を払って入った秘密寺院、何有荘(かいうそう)を紹介したい。2005年の春、蹴上げに桜見物に行った。インクライン沿いのレンガ塀にトンネルがあり、拝観料千円とある。物珍しさに大枚千円を支払ってはいると、トンネルが続いている。途中で二股に分かれて、下に行くと、日本庭園を望む丘の中腹に出た。丘の頂上には茶室があり、先のトンネルのもう一方を通ると、茶室の中に出るという仕掛けである。だれがこんな、変な趣向を考えたのだろう。日本庭園は、広いのである。私は翌年にも何有荘に出かけた。そうしたら、なんと裁判所が差し押さえをして、競売中とあるではないか。仕方ないから、蹴上から南禅寺に通じる道から、内部を覗いていると、通行のおじさんが、ここの持ち主は不動産会社の社長で、巨額詐欺事件で逮捕されたと教えてくれた。その後、大阪の不動産会社が26億円で買ったという。いやはや、何有荘(なにかありそう)である。こんなよいところを惜しい。見たい方はネットで見て下さい。

ところであるときグーグルアースで何有荘を見て驚いた。なにやら人魂のようなものが、本館の建物から南の方に飛んでいるではないか。何かは分からない。ところが後の写真を見ると消えていた。謎の寺院である。

   
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