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6月23日付で、当NPO法人理事長:坂東昌子と、名誉会長:佐藤文隆の両名義で、『「京都未来を担う人づくり推進事業」への応募者に対する年齢制限を問う』という要望書を提出いたしました。これは、京都府就職支援事業の年齢制限について、当法人から「年齢制限の枠を外してほしい」という要望です。 要望書を京都府支援事業の担当者に送付した旨は、既に ニュース としてお伝えしましたが、これに対して、京都府商工労働観光部ものづくり振興課 京都未来を担う人づくりサポートセンターから「ぜひ一度、意見交換をさせていただけないかと思っております。」という回答をいただきました。 皆さんにもこの問題に関するコメントをお願いし、いくつかご意見をいただきました。ありがとうございます。自らのご意見をお寄せくださったほとんどの方は、私どもの活動に関心をお寄せくださって、自分たちの声を届けようという大変真摯な気持ちがあふれており、感銘を受けました。
この結果を踏まえて、さる7月3日午後3時より、基礎物理学研究所にて、 京都府商工労働観光部 ものづくり振興課 主任 足立雅浩氏 京都府商工労働観光部 ものづくり振興課 副所長 松本康雄氏 京都府雇用政策監 山口 寛士氏 お三方(あいうえお順)がお見えになりました。当法人の理事長、坂東昌子と、基礎物理研究所のポスドクをよくご存じで心を痛めておられる国友浩先生(基礎物理学研究所助教授)とご一緒にお話しさせていただきました。 皆様から寄せられた掲示板のご意見、「高学歴ほど就職しにくいのか」とか「教育分野への人材活用は考えていないのか」「年齢制限をする理由をはっきりしてほしい」なども参考に、現在のポスドクの年齢分布が年々上がっている現状のデータをグラフで示して、実情をわかっていただき、じっくり話し合いました。以下は、その報告です。 - 「年齢制限をする理由をはっきりしてほしい」に対して・・・・
今回の事業は平成14年から始まった雇用対策の事業で、今回は平成18年度からの第2期目に入っているもの、これまでサポートセンターとしては、
若年層(35歳まで) ミドル・シニア層(35歳以上) と分類している。 したがって、35歳以上は、事業として別個に取り扱ってきたため、今回はこういう制限つきの事業になった。しかし、ポスドクを対象にした事業も立ち上げる予定で、これは年齢制限がない。それに期待してほしい。
「高学歴ほど就職しにくいのか」に対する回答・・・・ より専門性を特化した、ポスドク支援を含めたプロジェクトを立ち上げる計画を練っている。京都は、学問の都である。これを生かして地域活性化と結びつけるために、大いに、ポスドクの力量を発揮したプロジェクトにしたいのでご協力をいただきたい。 「教育分野への人材活用は考えていないのか」に対する回答・・・・ 学校の先生への道は、教育委員会の管轄なので、今のところ、考えていない。
この回答に対しては、教育分野の事業、例えば教材作りや、教育支援事業などは、今回の対象になるのではないか、というお話を致しました。また、セクションを超えて、教育委員会など連携することが必要ではないかという意見をお伝えしました。 京都府のご意見では、地域の中小企業を活性化することで、知的人材を活用したいと考えているが、そもそも、ポスドクのような方々が、中小企業に飛び込んで頑張ろうと思っているか、ということに対して、不安がある、ということでした。 それに対しては、物理学会のアンケート結果なども示しながら、「確かに、今までと全然異なった所で働くことに対して、すぐに、ポスドクの気持は動かないかもしれないが、物理学会のいろいろなシンポジウムで、取り組む中で、徐々に、異なった分野に進出した人材がでてきて、けっこうな数になっている。今まで、状況を分析検討して、ある程度の見通しをつけて開拓した分野には、関心も高まって、進出している例も多い。」 ことを説明しました。 無理やり、「仕事がないから、コースを変更したらどうか」と一方的に決め付けるのではなく、体験談やシンポジウム、講習会など、いろいろな形で情報をとどけ、そこで、一緒に1つのテーマに取り組んで作り上げる中で興味がわく確率が高いし、その場合の方が、最終的にずっと成功するのです。。本人のモチベーションさえ上げれば、あとは勝手にどんどん伸びていく例が多いのです。「実際、医療部門、教育部門などには、ここ1・2年の間に、各々、20人を超える方々が、新しい分野に進んでいる」という説明をしました。 今まで、アンケートなどで、分かっていることは、ポスドクにとって最も関心の高い分野は教育部門だということです。科学教育、科学リテラシィの普及のために、「知る喜びを知っているからこそ、伝えられるものがある」を合言葉に、すでに若手が自ら研究会を組織して、勉強を始めています。その中で、自然と教育分野へ進む人が出てきているということです。それから、医療分野もこれから必要になると思います。」と説明しました。 以上のような話が進み、だんだん、話が具体的になってきて、何をすべきかなど、そして、この事業を進めるのには、どういうところと連携すればいいかなど、かなり具体的に話が進みました。いろいろアイデアが出て、「京都は学問の盛んなところ、それをこれから、日本全体に情報発信するような仕組みを考えたいもの」などと意気が上がりました。、終わったのは午後6時を過ぎていたでしょうか。 思いは一つ、創造的で、元気になるような、人づくりを、いろいろな仕事にむすびつけていきたいなあ、ということになりました。これからも、連携していいこうということになりました。 そんなわけですので、皆さんのアイデアも含めて、知恵を出し合い、いろいろな情報を届けることが、きっと、知的人材を、さまざまな分野で生かせる道を広げると思います。 私たちNPOを立ち上げたのは、佐藤(宇宙物理)・坂東(素粒子)からもわかりますが、素粒子・原子核・宇宙物理(これを物理学会では、素・核・宇(そ・かく・う)と呼ばれています)の専門から出発していたので、理論物理の仲間が多く、実際の「ものづくり」といった具体的な経験をもっているわけではありません。逆に、そのために、好奇心だけは大変強く、大変議論好きで、いろいろな分野に興味を持ち、分野を超えてわからないことに挑戦するという気風をもっています。実際、理事会のメーリングリストを通じて、気象のこと、気候変動、はては、経済変動まで話は及んでいます。理事会に集まっても、議題がすんだら必ず議論が始まります。実際、こういう場で話を共有できる機会をもつ若手はうらやましいですね。それがどんなに、素晴らしい経験であるかは、今、若手が思っている以上に将来わかると思います。ともかく、なんでも面白がる人種の集まりです。単に、趣味の範囲にとどまらず、それを先まで詰めて、論文を書き、発表することも厭いません。こんな気風は、湯川秀樹先生の伝統かもしれません。 ですので、私たちは、広いネットワークと、柔軟な考え方ができると思っています。知的人材を大いに活用するためには、ものづくりにつながる実験系の研究者が頼りになります。佐藤名誉会長とも相談して、「やっぱりもっと実験系の方々にも、ぜひ力になってもらいたいなあ。今度、いろいろな方々に積極的に呼びかけ、ご協力をいただこう」ということになりました。 今回の経験から、私たちは、NPOを立ち上げたことが、皆さんの声を届けることができることを実感しました。坂東や佐藤が、個人で意見を述べても、それは、それだけのことにしかなりません。NPOという1つの組織が、現状を変えるためにネットワークを形成しているからこそ、京都府も、私たちの願いに応えることができ、さらに連携して前進できるのではないでしょうか。これからも、仲間をどんどん増やして、地道な努力を広げていきたいと考えています。ご賛同の方々、若い方々もネットワークの大切さをしっかり自覚して、私たちの仲間になってください。会員もいろいろな種類があります。これから、いろいろと意見を言える機会を増やします。交流するなかで、そして、知恵を出し合う中でこそ、道は開けてくるのです。 京都府の担当の方々が、大変熱心に、この課題に取り組んでおられる姿に、心強いものを感じました。積極的に取り組んでいただいていることに感謝して、近く募集が始まる新しいプロジェクトに期待したいと思います。 たくさんの方々が、ご協力くださったことに、心から感謝します。 |