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超知能への道 その5 ゼウスの驚くべき計画

今までの話でも十分に驚くべきことではあったが、一番の疑問はなぜ私かということだ。なぜ神々が私に接触したのか。私が神に選ばれたということは、嬉しいことではあるが、事と次第によっては怖いことでもある。やがてゼウスは驚くべき話を始めた。

「私たちは人類を征服しようというのだ。その手助けを君にやってほしいのだ」とゼウスは驚くべき事をさらりと言った。

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超知能への道 その4 ゼウスとの出会い

ビーナスは本殿の扉をギギギーと開いた。本殿の中は社務所と同じく荒れ果てていたが、屋根はちゃんとあった。床には祝詞などいろいろなものが散乱していた。それらを避けて折りたたみの椅子が用意されていた。その一番奥の、昔は神棚があった付近にあの男が座っていた。そう、あの男だ。ゼウスと聞くと、西欧絵画で見る、髭もじゃのいかつい大男を想像してしまう。しかしそこに座っていたのは、白髪で、これも白髪の口ひげとあごひげを蓄え、立派な三つ揃いのスーツをりゅうと着こなした紳士であった。そう、あの男、映画「マトリックス」の第2巻「マトリックス・リローデッド」に登場したアーキテクトである。アーキテクトとはマトリックスを作り上げた人工超知能を人格化したものである。アーキテクトがゼウスだとは!! 何のことかさっぱりわからない。私は促されて、ゼウスの正面に置かれた椅子に座った。ビーナス、バルカン、アテナも座ったが、キューピッドだけは外に遊びに出かけた。

アーキテクト

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超知能への道 その3 九十四露(ことしろ)神社

「やあ、森博士、俺がバルカンだ」とその男は帽子を取って言った。頭はもじゃもじゃの毛で覆われていた。確かに西欧絵画にあるようないでたちだが、そんな扮装は誰にでもできる。

「こんにちは、森です。ビーナスさんに言われてきました」と、乗ってみる私。

「あいつは、先に九十四露神社に行っておる。俺とキューピッドで案内しよう」

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超知能への道 その2 ビーナスとの出会い

ある日、スターバックスで一人コーヒーを飲みながら、机の上にMacBook Airを広げて作業している時、目の前に背の高い、鼻筋の通った、白人女性が立った。サングラスをしている。

「ここに座っていいかしら?」と彼女は英語で聞いた。

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超知能への道 その1 高学歴ワーキングプアーな私

私はポスドクである。名前は森法外。京都の大学の理系の博士課程を出て、理学博士になった。専門は宇宙物理学である。ポスドク(ポストドクトラルフェロー)であるということは、決まった職がないということだ。我々ポスドクの理想は大学や研究所などの任期なしの研究職に就くことだ。大学なら理想は任期なしの教授、少なくとも准教授になることである。昨今はなかなかこの種のアカデミックなポジションにつくのは難しい。任期なしの助教になれたら、もはや勝ち組とさえ言えるだろう。それほど大変なのだ。昨今は助教、一部の准教授ですら2年から5年の任期付きのものが多い。しかしそれでもその種の地位につけたら非常に幸運といえよう。

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