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聖子ちゃんの冒険 その13

京都ゼミナールハウスの冒険2

技術的特異点と人工知性による世界征服の夢

セミナーではまず森田教授が研究室の今後の方針についての一般的な話をした。その次の話は松谷先生で、先生は「人工知性による世界征服の夢」という話をした。とてつもない話なので皆は面白がって聞いた。一番前列には森田教授が陣取り、その隣には教授の娘の聖子ちゃんが座った。さらにその隣には聖子ちゃんの恋人で数学の天才の森准教授、その後には高山准教授と林助教が座った。以下は松谷先生の話である。

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聖子ちゃんの冒険 その12

京都ゼミナールハウスの冒険 1

森田研究室では年に1度ゼミ合宿をすることになっている。いつも京都の北の周山(しゅうざん)にある京都府立ゼミナールハウスを使うことにしている。周山は1943年に村から町になった。1955年には周りの村を合併して京北町になり、2005年に京北町は京都市に編入され右京区の一部になった。人口は6,500人程度である。周山は京都市の一部と言っても京都駅から周山街道を通ってJRバスで1時間20分ほどかかる。もっとも4名以上で宿泊する場合は、JR二条駅から京都ゼミナールハウスまで送迎バスがあると言う。

周山の近くには常照皇寺(じょうしょうこうじ)と言う観光名所がある。そこには周山のバス駅から京北ふるさとバス山国線に乗り換えて15分ほど行った所で ある。常照皇寺は1362年に光厳天皇が庵を結んだのが始めとされている。見事なしだれ桜があり花見の頃は観光客でごった返す。

<常照皇寺>

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聖子ちゃんの冒険 その11

音羽川の冒険

一同は曼殊院天満宮の中の弁天茶屋を出た。曼殊院の北にある駐車場の横を通って、北に続く道を歩いた。そこにはのどかな田舎の風景が展開していた。やがて関西セミナーハウスの横を通り、音羽川に着いた。音羽川の向こうは修学院離宮である。のどかな風景が広がっている。松谷先生が言った。

「この辺りには、紅葉の見所が多いのだよ。いわゆる名所ではないんだが、それでも禅華院とか赤山禅院というところがあって、紅葉の季節になるとそれは見事なものだ」

<禅華院・赤山禅院>

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聖子ちゃんの冒険 その10

鷺森神社と曼殊院の冒険

またいつものように5人組が秘密研究所に集まった。松谷先生が口火を切った。

「ぼくは007の秘密基地が大好きだ。色々趣向が凝らされているが『ゴールデンアイ』の冒頭では、ダムの中にソ連の秘密の化学工場がある」
「あの映画ではその他にも、ソ連の衛星通信基地やキューバにあると思われる海底の秘密基地がありますね」と高山先生。

<ゴールデンアイ>

「どの秘密基地も楽しいが、ぼくは近くのダムの下に秘密基地を作りたいと思っている」
「この近くにダムがあるのですか? 」と聖子ちゃん。
「音羽川(おとわがわ)に大きな砂防ダムがある」と松谷先生。
「音羽川とは修学院(しゅうがくいん)離宮の南にある川ですね」と高山先生。
「そうだ、今日はそこに行ってみないか? 」と松谷先生。
「いいですね、今日は天気もいいしハイキングといきましょう」と高山先生。
「あの辺りには曼殊院(まんしゅいん)、鷺森神社(さぎのもりじんじゃ)、関西セミナーハウスなどいろいろ良いところがあるよ」と松谷先生。

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聖子ちゃんの冒険 その9

九十四露神社の冒険

聖子ちゃん危うし

五山送り火鑑賞会があった夜の聖子ちゃんとお母さんの会話である。お母さんが言った。

「聖子、お父さんの秘書の坂本さん、どう思う?」
「歌がお上手で、それにとてもきれいな人ね。お父さんもあんな、きれいな秘書さんを持って幸せね。あっ、お母さん、ひょっとして坂本さんに焼いている?」
「そんなことじゃないよ、あんた。坂本さん、森先生に惚れているよ。下手をすると先生を取られてしまうよ」
「ええっーー、そんなこと、ちっとも分からなかった」
「あんたも、ニブいねえ、坂本さんが歌っていたときに、じっと森先生の目を見つめて、先生だけに語りかけていたでしょう。あれは気がある証拠よ。それも相当気があるよ」
「そういえば、坂本さん、お父さんの連絡を持って時々、秘密研究所に高山先生と林さんを尋ねて来られるのだけれど、その時に森先生がいらっしゃると、坂本さん、なかなか帰らないのよ。話が面白いから聞いているとおっしゃっていたけれど、森先生が 目当てなのか・・・」
「そう、そうなの、あぶないわね」
「聖子、先生を取られたら困っちゃう」と聖子ちゃんはウルウルしだした。
「あんたは子供だから、坂本さんの大人の女の魅力には敵わないわよ」
「どうしよう、お母さん」
「いつも言ってるじゃない、フリフリの服を着ていないで、もっとスケスケの服を着なさいって。それにもっと胸元の開いた服を着るのよ」
「どうして?」
「男はバカだから、そんなのに弱いのよ」
「先生はバカじゃないよ、天才よ」
「そう言う意味じゃなくて。男はどれほど頭が良くても、そんなことには弱いのよ」
「どうすればいいの?」
「あんた先生と2人だけでデートしたことある?」
「いいえ、いつも5人で行くわよ」
「今度、先生を誘って2人だけでデートしたら? 」
「うん確か、先生は以前、九十四露(ことしろ)神社に行こうとおっしゃってたわ」
「どんなところ?」
「ひと気のない、すごい山の中だそうよ」
「そんなひと気のないところなら、なおさらいいじゃない。チューされるかもよ。今度の土曜日にでも、二人でそこに行ったら? 善は急げよ。今から先生の部屋に行って誘ってみたら?」
「うん、そうする」 

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聖子ちゃんの冒険 その8

五山送り火の冒険

聖子ちゃんの家

例の五人組が秘密研究所に集まった。松谷先生が口火を切った。

「明日は8月16日で京都恒例の大文字の日だね」
「ああ、大文字焼きですね」と林君。
「君、そんなたい焼きみたいなことを言って。大文字焼きなんて言葉は無いよ、五山の送り火というのだ」と京都に詳しい松谷先生。
「へえ・・、そうなんですか。東京生まれの僕には分からないなあ」
「みなさんは、いつもどこで見るのですか?」と高山先生。
「僕は東大路で大文字を見て、その後すぐに、高野橋に走って妙法の法だけを見るのだ。昔は大学の屋上に上がれたので、全部見ることが出来たのだが。このごろは規制が厳しくて屋上に上がれないので困る」と松谷先生。

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