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2013年5月

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 マッド・サイエンティストのつぶやき

 

 マッド・サイエンティストのつぶやき

 

5月31日 明晰夢続き

 

明晰夢 続き

昨日、明晰夢のことを書いた。後に述べるYouTubeの指示通りに6時に目覚ましを鳴らし、少し起きてから二度寝して、再び6時半に目覚ましを鳴らした。一度目に目覚めたときには、確かに夢を見ていてそれを記憶に止めたのだが、二度寝した後では忘れてしまっていた。一度目に記録しておくべきであった、残念。初回の挑戦はかくて失敗した。

明晰夢を意識的に見る能力を獲得したら、人生はバラ色になるであろう。自分の夢が叶うのだから。夢の中だから好きなことが出来るのだ。空を飛んだり、好きな人とデートしたり。

明晰夢に関してYouTubeを調べると、その方法を示したものがたくさんある。日本ではあまり知られていないようだが、アメリカでは明晰夢はけっこうなブームになっているようだ。4つばかり見た。短いものもあるが18分もの長いものもある。どれも英語なので、下に内容の要点を記すので、特に見る必要はない。私個人の心覚えと思っていただいて結構である。

How to Lucid Dream 明晰夢の見方

{youtube}llw717IARpQ{/youtube}

 上のビデオには次のような指示が述べられている。

ステップ1  夢の記録を取る

ベッドの横にペンとノートを常備しておく。目覚めたときにすぐに夢の内容を記録する。夢の中でいろんな模様を見るので、今夢の中だと分かる。

ステップ2 新しい習慣を付ける

普段から鏡、本のタイトル、時計などをじっとなんども見る癖を付けておく。すると夢の中でもそれらが現れる可能性が高い。夢の中ではこれらの像はぼやけて見える。すると今見ているのが夢だと分かる。こういったものを、起きている間に見る習慣をつけると、夢でも現れやすい。すると夢かそうででないか判断しやすい。

起きている時に体をつねる習慣も良い。夢の中でつねっても痛くないから。

ステップ3 自分に語りかける

寝ようとするときに、これから明晰夢を見るのだと自分に語りかける。研究によると、とくにうつらうつらしているときに、そうすると暗示にかかりやすい。

ステップ4 目覚ましを早めにならす

起床時間の半時間前に目覚ましを鳴らす。なったら30秒から1分間起きてから、また寝る(ビデオでは30分から60分と言っているけど、違うよね)。夢を見やすいレム睡眠を中断したので、明晰夢を見る確率が20-50%あがる。

ジョージ・クルーニーがあなたにキスしようとしている時に、目覚めたいですか(私ならそんな悪夢から目覚めたい)。夢の中で身体を一回転させる。すると夢の中に居続けられる可能性が96%に高まる。 

ステップ5 夢の中で好きなことをする

明晰夢を見ていると意識したら、やりたいことを始める。例えば、山を飛び越える、姑を言い負かす、「夢のような」デートをする。あるいはテスト問題を解く、論争に勝つ、亡くなった親しい人に語りかける。

ルイス・キャロルは明晰夢を見た後で「不思議の国のアリス」を書いたことを知ってます?

 

流体力学会

ことしの日本流体力学会年会は9/12-14に小金井にある東京農工大学で行われる。私は千葉大学の松元亮治さんとともに毎年、宇宙・惑星セッションのオーガナイザー兼座長になっている。毎回、論文数が十分な数になるか不安である。毎年、締め切り日が延期されるのだが、今回は延期しないという。だから自分自身も、数を稼ぐために投稿することにした。それも2編投稿しようと思う。登録の締め切り日は6/10で迫っている。原稿提出の締め切りは7/22だ。昨年度と異なる点は、従来会場で配布していた講演予稿集が廃止となるので、従来のA4が1枚の予稿論文は必要なくなったことだ。論文はA4で10枚以内(標準2-4枚)でUSBメモリで配布されるという。著者としては、予稿原稿と本論文の2編を用意する必要がなくなったことは楽だが、紙の予稿集が無いということは、聴講者としてはきわめて不便である。どの論文を聞くべきか、どれが興味があるかが簡単には分からない。会場にPCを持ち込んで、USBの論文を見るしか無いだろう。

 

5月30日 明晰夢

 

明晰夢 (Lucid Dream)

Facebookのお友達の1人が毎日膨大な記事をアップしている。いろんな興味あるサイトの紹介が主である。昨晩非常に長い夢を見たという話を書いてきた。そこでここでは夢について書こうと思う。よく「夢がない」というような言葉を使う。実際私も子どもの頃は非常に色々な夢を見たものだ。とても長編の夢を見たこともある。しかし最近はあまり夢を見なくなった。夢がなくなったのである。

夢の中で特に興味ある種類の夢が明晰夢(Lucid Dream)である。明晰夢とは自分が夢を見ていることを意識している夢である。そして見ている夢の内容を意識的にコントロールすることができる。自分のやりたいようにできるのだ。明晰夢のひとつの典型例は空を飛ぶ夢である。私は今までの人生の中で明晰夢を見たことは数度しかない。しかしとても楽しい夢であった。なんせ夢であり、かつ意思で好きなように出来るのだから楽しいのだ。ただし、夢の中まで理性が働きすぎて行動をストップしてしまった。もう一度見る場合、これが夢だと確信すれば、好きなことをしてみたいものだ。

明晰夢を主題とした映画にインセプションがある。デカプリオ主演で渡辺謙も出演している。映画の中で現実性チェックの小道具としてコマが使われている。現実であればコマはいずれ倒れるが、夢の中では回り続ける。これが夢か現実かを調べるもので、明晰夢かどうか判定するのに必要な技術である。

ところで本題から少し外れるが、この映画の音楽は有名なハンス・ジマーの作である。クリムゾン・タイド、パイレーツ・オブ・カリビアン、ダビンチ・コード、天使と悪魔などたくさんの名曲を作っている。

<'Inception' Trailer 2 HD>

明晰夢を見る為にはこつがあるらしく、練習するとできるようになるという。まず、起きたときに、今まで見ていた夢を記録することだそうだ。夢は見ているときは非常にビビッドでも、起きた瞬間から急速に忘れて行く。目覚めた直後に記録すると、後々思い出せる。起床後に他のことをしたり、考えたり、動いたりしないで、夢を思い出す。そしてそれを書き留める。

明晰夢の解説として下記の日本語のWikiは簡単すぎるし、英語のそれは長くて読むのがしんどい。

明晰夢

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%98%8E%E6%99%B0%E5%A4%A2

Lucid dream

http://en.wikipedia.org/wiki/Lucid_dream

世の中には明晰夢を週に何度も見ることが出来る人もいる。下記のサイトは実用的である。まずサイトを作っているのはレベッカ・ターナーという若い女性である。サイトは以下に示す。

World of Lucid Dreaming: Developing concious dream control

http://www.world-of-lucid-dreaming.com/

英語でかつ膨大なホームページである。そこを十分に読めば、明晰夢を見ることができるという。意識的に正しい練習法を行えば、数日から数週間でできるという。明晰夢を見るには、いろんな問題がある。

明晰夢か現実かをチェックするために、現実性チェックをつねにしなければならない。夢の場合、たとえば字を読もうとするとぼやけてしまう。時計を見るとぼやけている。この場合は夢である。

明晰夢と分かったときに、目が覚めてしまうとか、普通の夢に戻ってしまうという問題点がある。その克服法も記されている。両手をこすって、「私は今、夢を見ている」というのだそうだ。この人は1時間も明晰夢の世界に浸れるという。

明晰夢と分かった時に、自分のしたいことをするには、シーンを変えねばならない。それを意識的にするには、たとえばドアや鏡を潜り抜ける、テレビのチャンネルを変える、振り返る、スピンするなどして、意識的に別の世界に入るという手法があるそうだ。

誰でも空を飛びたいと思うが、それはなかなかむつかしい。というのも、空を飛ぶことは日常の経験にないからである。まずは飛び上がってみることだ。夢の世界は現実世界の物理法則が働かないので、すぐには落下しない。

量子コンピューターD-Wave

私は最近、ロッキード・マーチンとグーグルが、カナダのD-Wave社の量子コンピューターを買ったというニュースを読み、調べてみた。それについては科学の散歩道にエッセイとしてまとめた。

調べてみて、分かったことはD-Wave社の「量子コンピューター」は英国のドイッチュが発明した、いわゆる真の量子コンピューターとは、非常に原理が異なることである。学界の主流がD-Wave社のコンピューターを量子コンピューターと認めない気持ちもよく分かる。ただし、いわゆる真の量子コンピューターはまだまだ研究段階であり、商用のものができるにはさらに最低10年はかかるであろう。あるいはそもそも成功しないかもしれない。しかもたとえ出来たとしても、現状のアルゴリズムでは、因数分解程度にしかつかえないので非常に制限されたマシンである。その点、汎用コンピューターとは全く異なる。世間では、量子コンピューターを夢のマシンのようにもてはやしているが、それはかいかぶりであろう。

それに対してD-Waveは組み合わせ最適化問題に特化したコンピューターである。さらにいえば、スピンの2次元イジング模型の最低エネルギーを計算する、ただそれだけのマシンである。しかし組み合わせ最適化問題には、人工知能始め多くの応用がある。しかもD-Waveは完成して稼働しているし、今後ハード的にもソフト的にもさらに急速に進歩して行くことがほぼ確実である。

調べて面白かったのは、会社の創始者のローズのねばりである。彼は起業のクラスを受けていて、なんか会社を作ろうという話になった時に、他の学生の量子コンピューターという言葉を聞いて、興味を持ち、それで会社を作ったのだ。大胆であるが、若いというのはそんなものであろう。それに投資した教授も偉い。それでしばらくは、他の学者の量子コンピューターの研究を支援した。結局、ローズが結論したことは、真の量子コンピューターには実現の可能性が乏しいということである。この結論を彼が公言するものだから、量子コンピューター学界の人たちは面白くないのであろう。当然だ。

しかし最近になって、ロッキード、グーグルという大企業が導入し、またアマゾンの創始者のベゾスとCIAも投資することに決めた。D-Waveは現在は512量子ビットだが、すぐに2048量子ビットになる予定だ。真の量子コンピューターは太刀打ちできないだろう。

それにしてもローズの、いわば若気の至りと信じたことへの思い込み、それに対する権威者たちの反発、この劇はなかなか面白い。世界を変えていくのは無鉄砲な若者かもしれない。

私がまだ完全に理解していない問題は、組み合わせ最適化問題をイジング模型に落とし込むプロセスである。ここをしばらく勉強したい。それからD-Waveの基礎になっている、量子焼き鈍し法についても勉強したい。

 

5月29日 ブライトリンク、007 Tomorrow never dies

 

ブライトリンク・アクロバット・チームの日本訪問

ブライトリンク・アクロバット・チームが神戸、福岡、福島を訪問して華麗なアクロバット飛行を見せた。そこでチームとその使っている飛行機について調べてみた。

<Breitling Jet Team in Japan - Kobe, Fukushima and Mount-Fuji>

アクロバット・チームは軍に属しているものが多い。自衛隊のブルー・インパルス、米空軍のサンダーバーズ、米海軍のブルーエンジェルスなどである。それにたいしてブライトリンクは民間のものである。そもそもブライトリンクというのは、スイスの時計メーカーである。上記のビデオで時計が出てきたのはそのせいである。

ブライトリンクのホームページ

http://www.breitling.co.jp/

ブライトリンクの使っている飛行機はチェコスロバキア製のアエロL39アルバトロスという練習機である。練習機であるから二人乗りである。コクピットの構造はソ連の名戦闘機MIG21と同じにしてある。これは軽攻撃機としても使われる。冷戦中の1960年代に開発され、その後、チェコ、ソ連、ウクライナ、ベラルーシなどで採用された。非常に信頼性の高い機体である。冷戦終結後は旧ソ連の国々は不要になったL39を安く売却して、西欧諸国に流れた。とくにアメリカでは人気が高く、中古市場で2000万円程度で買える。この値段は現役の戦闘機の1/100程度であり、高級車程度なので自分でジェット機を操縦したい人たちに人気である。

<Flight in an L-39 Fighter Jet>

L39中古価格

http://www.controller.com/list/list.aspx?mdlgrp=L-39&FullText=l-39

ちなみにこの機体は映画007のTomorrow never diesの冒頭のシーンに出てくる。武器商人たちの秘密のバザールに忍び込んだ007は、妨害工作を行う。英国の諜報組織MI6と軍はそこに軍艦HMS Chester(23型フリゲート艦、現在はその名のフリゲートは無い)から巡航ミサイルを撃ち込む(ハープーン発射管から発射しているが、ミサイルの形はハープーンではない。そもそもハープーンは艦対艦用ミサイルである。このシーンならトマホークを使うべきだろう)。007危うし。彼は核魚雷を搭載したL39を奪い脱出するが、後部座席の悪漢、追跡してきたL39と戦い、勝利を収める。

<Tomorrow Never Dies rescore - White Knight>

この映画の次のシーンも私のお気に入りなので、このさい一挙に紹介しよう。英国の軍艦HMS Devonshire (Type 23フリゲート)が南シナ海を遊弋している。メディア王カーバーは、記事を作るために英国と中国を戦争させようとする。そのためGPSを操作してデボンシャーに位置を誤らせて、中国の領海に誘い込む。そこに中国の戦闘機が現れて警告を発する。カーバーのカタマラン(双胴船)型のステルス艦は、デボンシャーにドリル型魚雷を撃ち込み撃沈し、ミグ戦闘機にはミサイルを打ちこみ撃墜する。

<Tomorrow Never Dies Part2>

映画の最後ではジェームス・ボンドは中国の女性エージェント、ウェイとともにカーバーのステルス艦に侵入して破壊工作を行う。ボンドは状況を英国海軍のHMS Bedfordに知らせる。ベッドフォードはステルス艦にはレーダーが効かないので目視砲撃を行い、ステルス艦を撃沈する。

<Tomorrow Never Dies Alternate Ending 3>

 

5月28日 ブログ開始、サロン・ド・科学の散歩、古川町商店街

 

ホームページの私のブログの体裁の刷新

本日からこの「穴蔵マッド・サイエンティストのつぶやき」は体裁を新たに、副所長である私、松田の日記とすることにした。3月にあいんしゅたいんのホームページがイラクのクルド人のハッカーによりハックされ、閉鎖を余儀なくされていた。最近、ようやく再会のめどが立ったので、それを機に、私のブログも体裁を改めることにした。NPO法人あいんしゅたいんに関する記事、科学の散歩道としてまとまったエッセイにするにはまだ不十分な話、いろいろ考えていること、日々の雑感などを記す。世界音楽散歩などは「散歩シリーズ」として、世界音楽散歩、日本音楽散歩、世界文学散歩、日本文学散歩、京都名所巡りに分類した。それ以外のエッセイは妄想として別建てにする。Web小説は現在は「シミュレーション世界の聖子ちゃんの冒険」を連載中である。既に連載の終わった「悪の秘密結社「猫の爪」による世界征服計画」は、まだ復旧していない。これはある編集者の目に留まり、ライトノベルとして単独で出版する計画がある。その場合は内容は大幅に加筆訂正するつもりである。

サロン・ド・科学の散歩

今日は月に1度のNPO法人あいんしゅたいんの常任理事会の日である。理事長の坂東、理事の宇野、私、事務局長が集まった。科学技術振興機構(JST)に応募した企画が通ったので、今後月に1度「サロン・ド・科学の散歩」を開くことにした。場所はNPOのオフィスである通称ホワイトハウスである。時間は1時から5時をめどにしている。第1回は6月29日である。講演者は松田「コンピュータが人類を超える日」、佐藤文隆「コンピュータが科学を変えた(仮題)」である。私は技術的特異点に関して2045年問題について話す。佐藤さんが何を話すかは分からないが、量子コンピュータに関して一家言あるというから、そのことかもしれない。パネルディスカッションは講演者に加えて、あいんしゅたいん理事長の坂東昌子である。聴講者は場所の関係から、最大15名くらいをめどにしている。そのため、いちおう申込制にしたい。

紀要

昨年度からの懸案であったあいんしゅたいんの論文集である紀要だが、ホームページが復活したことを機会に、ホームページに掲載することにしたいと思っている。内容は原著論文、解説、研究ノートとして、邦文、英文の論文を掲載する。著者は基本的には基礎科学研究所の所員である。レフェリーをつけて、業績リストに掲載できるようにする。

現役研究者はPublish or Perishといって、論文を書かないと出世できないし、昇進も出来ない。そのために価値があろうがなかろうが、論文数を増やすことが至上命題になっている。しかし我が基礎科学研究所の所員は名誉教授が多いので、もはや業績リストの行を増やす動機が無い。しかし研究はしているので、それを発表する場は必要である。私個人としては、いろいろ研究して発見したこともあり、いろいろ発表したいことはあり、紀要に期待している。

古川町商店街

私は普段、京都大学の北の高野にある団地から、山科にある特異点庵と自称しているオフィスに毎日通っている。高野から東山三條までバスに乗り、そこで地下鉄東西線に乗り換えて御陵(みささぎ)まで行く。その途中に古川町商店街を通る。ここはいかにも京都の商店街という感じである。しかし商店街の常としていわゆるシャッター商店街である。かなりのお店がシャッターを下ろしたままである。私はこの商店街で昼食を食べることにしている。 先日はいかにも京町家という風情の食堂を見つけた。店の奥が坪庭になっているのである。そこで私はきつねうどんを食べた。今日はもっと奥のお店を探すことにした。 途中に何か人だかりがしている。映画かテレビの撮影であろうか、たくさんのカメラとたくさんの人たちがうろうろしていた。普段はこの商店街は閑古鳥が鳴いているのだが、今日はたくさんの人がいた。私は商店街のはずれの食堂に入った。店主のおばあさんと客のおばさんがいろいろ話をしている。いつ死んでもいいが苦しんで死ぬのは嫌だとか、年金の話とか、セールスの電話がうるさいという話を延々としていた。僕はそこでにゅうめんを注文した。店の窓から外を見ると白川が流れていて、そこにはきれいな花が咲いていた。いかにも京都的な風情であった。

<古川町商店街>

   
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