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2011年9月11日開催 第3回公開講演討論会等報告

9月11日(日)に下記の2つのイベントが、京都大学基礎物理学研究所パナソニック国際交流ホールにおいて開催されました。

1)シリーズ東日本震災にまつわる科学ー第3回公開講演討論会
2)科学普及員研修会:JEINET 科学のウソ突破コース 第3回「原子力とはなんだろうか」

今回の公開講演討論会では、まず松田卓也副所長(NPO法人あいんしゅたいん副理事長・神戸大学名誉教授)が前回の公開講演討論会「地震国日本のこれから 2011年東北地方地震の近畿地方への影響は」に関して、簡単なまとめを行いました。
そのポイントは、地震予知は困難であること、今回の地震のために岩盤が少し東西に引き延ばされて、近畿地方の直下型地震に関しては、危険性が少し後送りになったということでした。

ついで今回のメインテーマである「原子力とはなんだろうか」について、京都大学原子炉実験施設の元所長である井上信京大名誉教授が講演しました。
内容は、まず原子力の発展について、その発見から現代に至るまでの歴史が概観され、日本においても戦時中に原子爆弾の開発研究がなされ、ここ京都大学でも遠心分離器の研究がなされたが、ほとんどものにならなかったこと、つぎにウラン型原子炉ではない別のタイプの原子炉として、トリウム型原子炉の原理と将来性について述べられました。
昨今の原子力バッシングのために、若い学生の原子力離れが著しく、これからの原子炉の保守や廃炉に向けた人材の枯渇の懸念が述べられました。

休憩を挟んで行われたパネル討論では、司会:松田副所長、パネリスト:井上信名誉教授、坂東昌子所長(NPO法人あいんしゅたいん理事長)、佐藤文隆(NPO法人あいんしゅたいん名誉会長)が参加して、特に原子力の歴史が原爆から始まった点に関して白熱した議論が行われました。
旧ソ連の崩壊に伴い核技術者が発展途上国に流れて、そこで核兵器開発に寄与したが、日本でも脱原発に伴い、技術者が発展途上国に流れる懸念について触れられました。

<井上信京都大学名誉教授>


<会場の様子>

   
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