2017年03月24日

「We love ふくしま プロジェクト」2014 レポート 5

We love ふくしま2014 視察レポート

京都大学理学部化学系4回 間浦幹浩 

2014年8月5日(火)~7日(木)の3日間にわたり、チームあいんしゅたいんのメンバーとして、福島県の各所にて放射線に関するセミナー、子ども向け実験教室を開催したり、帰宅困難区域の視察を行ったりした。私はそのチームの中の、チーム若者力として、特に子ども向け実験教室を京都大学理学研究科M2の新宅直人さんと二人で主に行った。理科教育という観点から、以下の項目について雑感ではあるが報告をする。


0, 日程、訪問先
1, 大人の理科教育
2, 子どもの理科教育

0, 日程、訪問先

8月5日(火)午後 伊達市保原中央交流館にてセミナーと実験教室
      夕方 南相馬市役所を訪問

8月6日(水)午前 原町子育て支援センター(原町あずま保育園)にてセミナーと実験教室
      午後 帰宅困難区域の視察
      夜  郡山市の方々との交流

8月7日(木)午前 自然体験保育園ココカラにてセミナーと実験教室
      午後 同友会本部事務所にてセミナー、同事務所玄関にて実験教室、ちびっこうねめ祭りを訪問

1, 大人の理科教育

実験教室で子どもたちと交流する傍らであったために、セミナーには横目片耳でしか参加できていないが、今回セミナーに参加した伊達市、南相馬市、郡山市の方々は、自身でも勉強をし、今回改めて学んだことを再確認、再認識したいという形で、「学ぶ姿勢」を強く持って参加している様子が見て取れた。セミナー外でも、特に品川郡山市長をはじめとした郡山市の職員の方々は震災後相当の勉強量を積んでいると感じた。市長は「無知よりも知ってるつもりがおそろしい」と前面に掲げている。これはTwitter※1やarukuの記事※2にも投稿・寄稿しており、市民全体が基礎から徹底して知識を積むことが重要だと市長の言葉を通して再認識させられた。実際、セミナーに訪れた市民などは、訪れる時点である程度基礎知識があるが、訪れた人は人口からすればほんの一握りであり、全体が基礎知識を充分に積めていない。専門家が直接的に全体に指導できない状況と現時点では言い直すことが可能で、専門家から直接学んだ今回の数十人が、周囲に広める活動を担うこととなるが、その方々に専門家がどれだけ噛み砕いてわかりやすい言葉で伝えることができるか、にかなり重点を置くべきだと感じた。そしてそれは長期的な活動を視野にすると、学生のような若者が、専門家と住民をつなぐ橋渡しの存在となるべきだとも感じた。

2, 子どもの理科教育

5日は小学生低学年を中心に、6,7日は未就学児童に対して実験教室を行った。実験内容としては浮沈子、スライム、フィルムケース爆弾と視覚・聴覚・触覚に楽しいものを中心に、他にはCD分光器の紹介を行った。3日間とも2時間という時間で行われたために、集中力が保たず、最後まで実験してくれた子は少なかったが、最初の1時間強は目の前の不思議な現象に驚き、「なんで?」や、「すごい」などと驚きを隠せない様子で、いわゆる科学パフォーマンスをした大学生2人とこれらの現象にかなりの関心を抱いたようで、かなり懐いてくれた。この出来事は学びの場で起こったと言えないかもしれないが、この科学現象を見たという経験をしたことが、実際に小中学校で理科を勉強したときに思い出す形で活きてくれれば幸いである。伊達市での実験教室後に中年の男性に話しかけられ、「子どもたちにどんどんこんな体験をさせてやってほしい。そこから理科を勉強してくれるようになったら嬉しい」と、これからの放射線学習に積極的に取り組める地盤づくりに期待を寄せていることを伝えてくれたときは、まずはこういった科学現象を体験してもらうということの重要性を改めて理解した。これにより継続して行っている親子理科実験教室の活動にもさらに一層身が入るようになった。

しかし今回子どもたちにこういった経験をさせることができたのは、やはり保護者、そしてそれに準ずる大人が連れてきたからこそだとも思う。今学ばねばならないのは短い期間で見ると大人がその中心になるが、汚染物質を含む土が詰められた大量の黒いビニル袋がまだまだ道路横にあったり、一時保管場所が増設されている現場を見て、まだまだ長く除染、大きく見ると復興と向き合っていかないといけないと強く感じ、次の世代が学べる、学びたくなる環境をもっと整備していかなければならないと思い、これからも次の世代を育てる方面で、理科教育に携わろうと決意した。

勉強だけではいけないとも最終日に感じた。ちびっこうねめ祭りでは我々の活動以外で放射線の文字を見ることは全くなく、祭りに興じる郡山市民を見た。市民の先頭に立って学ぶ品川郡山市長を前日に見ているからか、学ぶときは学ぶ、遊ぶときはとことん遊ぶ、メリハリをつけて生活をすることは心の豊かさにつながると常々思っているので、ハンドマッサージを通して提供した心のケアからはじめるセミナーと大きな共通点があるように思えた。

※1  https://twitter.com/kooriyamasato/status/241703611720151040
※2 http://www.arukunet.jp/wp-content/uploads/2012/01/6a32620d51d6a7f5e6a5e6b386bf7248.pdf