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2010年09月05日
役員挨拶
理事長挨拶 印刷
 
 
 
  
 あいんしゅたいん 
     -発足にあたって ネットワークを広げよう-
  
 
 
  
 
ついこのあいだ、京都大学の中にある「朱い実保育園」の射場園長さんから頼まれて、「母として科学者として」という話をしに、久しぶりに、保育園を訪問しました。
 
はるか昔、思えば、高校生のとき、大学に進学しようかどうしようか迷っていたとき、「社会や環境は変化しないというものではない。自分達で環境はかえられるのだ。子育てと仕事と両立する道は自分達できりひらけばいい」と言う高校の先生の言葉に励まされて、大学に進学したことを思い出します。そして、大学院博士課程に入ったときに、結婚し、ドクターコース2年目に長女が生まれました。そして、「研究すること」と「家庭を持つこと」を両立する道を切り開くには、保育所がいる、そこで親が働いている間、子ども達がすくすくと育つ環境を作らねばならない、そういう当時は夢みたいな未来を描いたのでした。
 
この最初の夢、子ども達が仲間と育つ保育園作り、のことを懐かしく思い出します。京都大学の中にできたこの保育園も、今は、本当に立派になったものです。この保育園を実現できたのは、ネットワークの力でした。沢山の人と協力して、夢をかなえるために、いろいろと創意工夫しました。環境は私達のネットワーク、仲間と作るネットワークで変えていけるのだ、ということを学びました。
 
それから今日まで、研究者として、女性として、母として、子ども達を通して、本当にさまざまな縦糸・横糸でつながったネットワークのなかで、沢山の仲間と知り合い、目標に向かってともに歩んできたように思います。
 
そして今、知的人材、特に次代をになう若い人たちがそのもてる力を発揮できる為の環境づくりのため、科学を万人のものにする為のさまざまな取り組みを、蓄積してきたネットワークを基礎に、皆さんと一緒になって希望の持てる未来のへ向かって協力し合いたいと、この「あいんしゅたいん」を立ち上げました。
 
私達の強みは、なんといっても、志を同じくするたくさんの仲間をもっていることです。科学を万人のものするために、そして、私達の未来を私達の力で創りあげるために、ごいっしょに力を出し合いたいと思っています。どうか、あいんしゅたいんの活動が、楽しい場になりますように、そして実り多い未来を作り上げるように、そう願っています。

あいんしゅたいん理事長 坂東昌子

 

 
副理事長挨拶 印刷

 

 

副理事長の青山です.私は2008年8月に坂東昌子氏が京都大学基礎物理研究所で開催された教育に関するシンポジウムにパネリストとして出席した折に本NPO法人設立の計画を知り,その趣旨に共感して参加することにしました

 

 

私は長年,京都大学の全学共通科目で,力学を中心に理系の1,2回生を教えてきました.その間に色々と工夫を積み重ねてきて,今では講義にブーメランやコマのデモンストレーション等を多く折込んだりしています.それらの目に見えて楽しいデモは確かに受講生に好評ですが,その奥深くにある(それなりに難しい)物理へどうやってその奥まで学生を導いていくかについて,いつも悩みます.そこに教育のポイントがあり,だからこそ教育は面白いと思います.

その一方で,私は最近,「経済物理学」という学問で仕事をしています.社会や経済の現象に,厳密科学のアプローチを持ち込み,実証性に基づいた研究によって,それらの現象の真の姿を明らかにしたい,というのがその主眼です.そのような研究をしていると,従来は見えてこなかったものが見えてくる,ということが多くあります.一方で,科学者にとっては,それ以外の研究の仕方を知らないとさえ言える当たり前の方法論がこれまでなおざりにされ,思い込みや論理の無矛盾性だけをガイドラインにして論説が繰り広げられてきた分野が広がっていることに驚きます.これは科学教育の不足に起因しているに違いありません.

科学は知識ではないことは,科学者には当然のことです.問題は,真実を求める姿勢,そのために実証性を重んじ,仮説を立て,実験・観測を行い,理論を練り,それらを何段階も色々な順序で繰り返します.科学者は,身分や年齢,性別に関係なく,等しく互いに競い合い,お互いから学びあい,皆で前進していくことが必要です.この不完全ではあるけども民主的な学問姿勢があって初めて,自然,経済,社会の根底にある基本法則に迫れるのです.それを教えるのが科学教育だと,私は考えます.

本NPO法人では様々な活動が計画されています.それらを通じて,上に述べた科学的な見方が少しでも広く理解されることを私は願っています.

本NPO法人はまだ発足したばかりで弱体ですが,少しずつでも色々な活動を具体化して行きたいと思います.そのためには多くの方々の積極的な参加が必要です.われもと思われる方はぜひ,私たちの活動にご参加ください.

 

あいんしゅたいん副理事長 青山秀明

 

 

 

新しく当NPOが発足するにあたって,副理事長職を務めます新潟大学の家富です.

  
  
 
 
 
まだまだ若いと思っていたのですが,すでに知命を過ぎ,科学のたすきを受け取る側から渡す側へとなりました.子供たちの理科離れが深刻な問題として取り上げられています.
 
先日,新潟県教育委員会から理科支援事業の出前授業を依頼され,とある村落の小学校へ講師として出かけました.液体窒素でいろいろなものを冷やして低温の世界を直接体験した子供たちの目はとても輝いていました.子供たちの自然現象への好奇心がまだまだ健在であることを肌で実感した次第です.
いくらインターネットなどの通信手段が発達しても,「知の継承」を図る上で人が人を直接相対して教える効果は何物にも置き換えられません.そのためには若手の優秀な人材(現在,晴耕雨読中の元若手の方々も)を活用することが重要と考えます.
このように若手の人材を活用する道を探りながら,科学の普及における地域格差を無くしていくことが私の大事な役目と心得ています.
  
新潟という離れた地域から協力することによって,この「あいんしゅたいん」が大きく育ち,日本の隅々にまでその思いが届くための推進力になればと,微力ながら努める所存です.皆様,よろしくお願い致します.
 
 

あいんしゅたいん副理事長 家富洋