2017年04月29日

地震・津波・原発事故と報道

連日のテレビで映し出される被災地や原発のニュースに目を奪われたりして、気が重くなる今日この頃である。実際、連日の報道を見るだけで、不安に
なる人が増えているともきく。今週月曜日発売の最もポピュラーな日本の二つの週刊誌を見て、その論調の格差に、少し驚いた。

週刊現代:「放射能汚染」列島全情報、「体内被曝」は始まっている、世界の常識「安全な被爆」なんてありえない、福島原発「隠された真実」、東日本大震災 あなたが知らない「現実」、菅直人という「風評被害」

週刊ポスト:パニックとデマと風評被害、どうして新聞・テレビはこのことを伝えないのか  放射能報道の「不都合な真実」、東京電力と原発  知られざる裏面史、それでも菅をおろせない!

という調子で、菅批判、東京電力の問題点の指摘は共通しているが、他の記事についてはずいぶんと調子が違っていた。

まず週刊現代が亡くなった人の埋葬の写真やビニールにくるまれ並べられた遺体の写真を出しているのに対し、週刊ポストは出していない。被災地で働く特殊車両や、外国メディアの「報道被害」ともいうべき大げさな反応を、パロディ風に紹介している。また、放射能報道の「不都合な真実」では、新聞・テレビも間違いだらけ「放射能と人体」本当の話として、食品汚染と内部被爆—本当に怖い話と、本当は怖くない話、普段も食べている「被爆食品」、人間の「普通の被爆量」、実は身の回りにある「放射能」、「決死隊」はどうなるー歴史とデータで見る「被爆者の健康被害」という記事があり、放射能汚染に関しては情報発信チームでの認識に近い。記事は、いたずらに「放射線は安全だ」ということは本稿の主旨ではないが、正しい知識を持てば、パニックは避けられるはずだ。と締めくくられていた。

私は現時点では、週刊ポストの編集方針に敬意を表する。地震から2週間以上がたち、少し色々な機能が戻ってきたところである。直後の緊張感から脱
し、また失った者を含め現実が見えてきて、その困難さに明日への希望をもちたい時期ではないかとも思う。一方では、原発問題が、1ヶ月や2ヶ月で終
わる問題ではないということも、多くの人に、みえつつある。この問題があと1ヶ月で終わるようなものだったら、ともかく、これ以上、不安神経症の人を増やすような記事を書いてどうするのと思ったしだいである。

むしろ、現実に目を向けることは大事なのは言うまでもないが、一歩ひいても科学的事実をきちっと伝える方が、大事だと思ったしだいである。これまでエイズパニックや新型インフルエンザパニックを経験してきたが、これらはどちらかというと、一見正義顔したマスコミの過剰な危機感のあおりが混乱を助長したと私は思っている。何でも批判すればいい!騒ぎたてればいい!とはマスコミの役割ではないはず、と思った次第である。