2017年03月30日

第41回:「科学と裁判」by 中村

前回、第39回ブログ「気候ゲート」事件を興味深く拝読した。地球温暖化をめぐる科学的言説と社会の意思決定(政策決定)は、密接に関連しているが、時には、そうした科学的言説をめぐる紛争が、法廷に持ち込まれることもある。
例えば、東京大学が地球温暖化論争をめぐり名誉毀損で訴えられた事件

私は、論説の是非について云々するだけの知識はない。だからこそ、法律家の一人として、こうした科学論争が法廷に持ち込まれた場合、法律家はどう判断すべきなのか、ということについては、たびたび考えさせられる。
科学の非専門家である法律家が、科学の詳細な知識の判断に踏み込むことができるのか。また適切な判断ができようか。かといって、法廷が、科学の論説をめぐる諸紛争から、身を引いてもいいものだろうか。また、科学者達の社会(Society of Scientists)のルールと法はどういう関係にあるのだろうか。科学知識の産出も人の営為とは無関係ではない以上、時に紛争は起きる(Society in Science)。法的判断の影響力と、科学の発展の双方にとって、望ましいシステムとは何だろうか。まだまだ答えは、遙かに見えない。