2017年03月25日

第29回:「日米合同物理学会にて」by 今井

昨日までハワイで原子核物理分科の日米合同物理学会があった。4年ごとに開かれ、今度が3度目で、参加者は家族まで含めると2000人弱という大きな催しで、回数を重ねるごとに参加者が増えている。坂東理事長もこられて、女性科学者の問題について講演された。お金がかかるということ以外は参加者の評判はかなりよいようである。

ハワイというと海、シュノーケルで海の魚たちを見るのが多くの人たちの楽しみのひとつで、私も年がいもなく時間を見つけて海に入ってきれいな魚たちを見て楽しんだ。その大きな対象が海がめである。ハワイ島の海岸では比較的簡単に海がめが見られる。主にはgreen turtleといいアオウミガメのことである。ゆったり泳ぐようすは、はやりのスローライフの象徴のようで、じつに愛すべきいきものである。長寿の象徴でもあり、実際長寿の亀は100歳までいきるという。しかしコロンブス以来海がめは食用などで乱獲され、ほとんどが絶滅危惧種に指定されているそうだ。ハワイでも海がめ保護の法律があって、離れて見ているのはいいが、浦島太郎のように上の乗って泳ぐと1万ドルの罰金刑になるそうである。

最近テレビで知ったのだが、標識によるこれまでの調査で、日本で生まれた海がめがアメリカの西海岸で見つかり、メキシコで標識された海がめが日本で産卵したのが確認されているという。太平洋を回遊しているというのが実証されているのだ。あのスロースピード、人間の泳ぐはやさより早いとも思えない速度で太平洋を横断するのにはどれぐらい時間がかかるのだろうか。海流を利用するのだろうけれど、ざっと1万キロをたとえ時速6キロ(100m/分)で泳ぐとしても100日ちかくはかかる。太平洋のほとんどはプランクトンも少なく餌もないだろう。そうおもうとハワイは海がめの貴重な中継基地かもしれない。

太平洋の真ん中にあり、しかも時間がゆったり流れる雰囲気をもつハワイは、海がめだけでなく、環太平洋の国々から人々が集うのに理想的な場所なのだと思った。