2017年05月27日

第6回:「時は今」by 家富

はじめまして,副理事長を務めます家富洋です.本職は新潟大学理学部物理学科に所属する教員です.高密度星(白色矮星内部,中性子星外殻)で実現されているプラズマ状態の物性やガラスや固体電解質などの複雑物質の物性などについて,計算機シミュレーションを含めて理論的に研究してきました.最近では複雑な経済現象を物理学の考えや手法を使って読み解こうとする,いわゆる経済物理の分野にも興味をもち,研究を進めています.この経済物理の研究が坂東理事長ならびに青山副理事長と私との縁結びです.

理系の若手人材と科学教育の将来についての強い危機感を背景に,坂東理事長が「時は今」と当NPOを立ち上げられました.本能寺の変の直前に愛宕山で開かれた連歌会で,明智光秀が「時は今 あめが下しる 五月かな」と発句を詠んだことはよく知られています.その連歌集「天正十年愛宕百韻」は京都大学附属図書館に所蔵されて,ホームページ上でその電子イメージが公開されています.

インターネットが発達して様々な情報に瞬時にアクセス可能となってきましたが,一度,京都大学附属図書館を訪ね,実物を閲覧しながら当時に思いをはせたいと思っています(実のところ私が子供の頃はじめて興味をもったのは歴史でした).

さて光秀がこの発句に信長打倒の決意表明を込めたのではないかと,様々な議論がこれまでなされてきました.結局,その真偽のほどは当人に尋ねてみなければわかりません.しかし,坂東理事長の旗揚げは紛れもない真実です.私はこれまで社会奉仕の活動とはまったく無縁の人生を歩んできました.恥ずかしながら,せいぜい半年に一度,わずかな額をユニセフに寄付するのが関の山の状況でした.このような私が科学の発展と教育について高い理想を掲げた当NPOの要職を務まるのかどうかまことに心許ないのですが,せっかくの与えられた機会ですので,坂東理事長の発句を受けて詠み継いでいけるよう努力したいと思います.光秀の旗揚げは失敗に終わりましたが,当NPOの行く末はまさにこれからの皆様のご支援にかかっています.よろしくご協力いただけたら幸いです.

このブログも関係者による連歌の趣です.今後,どのように展開していくのか皆目検討はつきませんが,それぞれの方の豊かな個性が発露していくものと期待されます.すでにその片鱗が垣間見えています.皆様もどうぞお楽しみください.