| 第52回:「ランダムはお好き?」by 家富 |
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| 作者: 家富洋 |
| 2010年 5月 05日(水曜日) 08:03 |
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私たちはランダムに対する感性に乏しいようです.「二度あることは三度ある」という表現がありますが,これは,珍しい独立事象が重ねて起こることに対する私たちの驚きの経験を語っています.しかし,その事実は不思議なことではなく,単なるランダムの性質に過ぎないのです. 例えば,皆さんがあるコンビニの店員で,そのコンビニに平均して毎分1人の割合で客が訪れる状況を想定してみましょう.客同士はまったく無関係で,ランダムに来店するものとします.このとき,皆さんが来客数を1分間づつモニターしていったら,いったいどのような結果が得られるでしょうか.一寸想像してみてください. この問題は,コンピューターを使って簡単にシミュレーションできます.1時間の観察結果のシミュレーション例を3つお見せします: 実は,このような条件下での来客数の確率分布を数式で正確に表現することが可能です.専門的にはポアソン分布と呼ばれています.平均値1(毎分1人の平均来客数に対応)のポアソン分布に依れば,客が1分間にまったく来店しない場合は,1人来る場合と同じ頻度で起こります.また,客が2人同時に来る状況もその約半分の頻度で生じることがわかります.さらに客が3人以上同時に訪れる状況も無視できません.1分間あたりの客数を1時間モニターすれば,3人以上の客の同時訪問が4, 5回起こっても不自然ではないのです. 私たちは,ランダムな事象は一定の割合で起こるはずとの先入観に囚われやすい性向もっています.そのため,複数の客の同時訪問が予想以上に頻繁に起こると認識し,二度あることは三度あるとそこに何らかの必然性を感じるのです.本当に必然性があるのかどうかを正しく判断するためには,ランダムについて正確な感覚を身につける必要があります. 先日,人はランダムの感覚に疎いとの話を学生たちに話していたら,一人の学生がおもしろい事例を教えてくれました.アップル社のiPodは,"Life is random." というキャッチフレーズの下に,はじめてランダムシャッフル再生を導入しました.録音された楽曲がランダムにシャッフルされて再生される仕組みです.決められた順序に従って曲を聞いていくという慣習を打ち破ったその新機能は脚光を浴びましたが,すぐに同じアルバム(アーティスト)の曲が続けて演奏されるとのクレームが殺到したとのことです. 先にお話ししたコンビニの来客数の例と同様に,コンピューター・シミュレーションを行ってみました.それぞれ10曲が含まれているCD10種類が録音されたiPod(計100曲録音)があり,ランダムシャッフル再生で10曲聞いたとしましょう.シミュレーションによって得られた3つの結果は次のとおりです: |
