2017年06月28日

放射線Q&A ー 放射線ってなあに?

「放射線って、今、とても怖がっているけど…」
「放射線とは、一口で言うと、すごいスピードでぶっ飛んでいる粒子のことです。あるところから四方八方にすごいスピードで飛びだす粒子は、まっすぐに飛んで行くから放射状に広がっていくでしょう?」
「あ、だから放射線と言うのか。」
「英語では、放射というのはradiationというのよ。放射線を最初に発見したのがレントゲンですね。あの時は、なんだかまっすぐに飛んでくる線(ray)だけど、正体がわからなかったので、X線と名付けられたのよ」
   
「よくわからなかったから、X線だったのか」
「そのあと、マリーキュリーが、性質の違う放射線がいろいろあるということで、ABC・・というように区別したのね。これをギリシャ文字の、α、β、γと書いたわけよ。」
   
「なんだ、ABCをα・β・γとややこしい言い方になおしたのか。でも、高速でぶっ飛んでいる粒子といってもいろいろな粒子があるはずだよね?」
「さすが!中性子なら中性子線…。」
   
「じゃあ、アルファ線(α線)とかベータ線(β線)とかいうのは?」
「あとでわかったんだけど、α線は、ヘリウムの原子核で、陽子2つと中性子2つ、合計4つでできているの。この塊は仲良しでなかなか壊れないので、一緒に高速で飛んでいきやすいのよ。だから本当ならヘリウム線というべきね。」
   
「じゃあ、α線はヘリウム線だな。で、β線は?」
「これは、電子が高速でぶっ飛んでいるものよ。β線は電子線ですね。」
   
「でもいくらでも粒子の種類だけあるのだから、後は面倒になって粒子の名前そのもので呼んでいるんですね。ところで、X線とかガンマ線は結局なんだったのですか?」
「あ、ごめん。光もエネルギーの塊と考えるので、これをこれから光子と呼ぶことにさせてね。私たちが見ている光は、可視光線っていうでしょ?γ線はそれよりもっとエネルギーの高い光子なのよ。」
   
「そうか、光子とは光の粒なんですね。で、やっぱりすごい勢いで飛んでくる光子も放射線の仲間なのですね。」
「そう、可視光より大きなエネルギーをもつ光子は、みんなまとめて、紫外線とよぶの。ガンマ(γ)も、X線も、まあ、一種の紫外線です。」
   
「でも、紫外線というと、お肌に悪いとか言うけど、X線とかはもっと怖いイメージがあるなあ。」
「可視光線より、ほんの少しだけ高い光子は、紫外線といっている場合が多いですね。もっと高いエネルギーの光子が、X線、さらにさらに高いエネルギーの光子はガンマ線といいます。」
   
「なんだ、みんな光の仲間なのか。」
「でも、光といっても紫外線はお肌に悪いというのは、お肌を傷つけるということでしょ?それよりもっと高いエネルギーのX線は、お肌の中を貫いて進んでいくのよ。」
   
「へえ?じゃあレントゲン写真はなんなの?」
「ところが、さすがに骨のような部分にあたると力尽きて止められてしますのね。」
   
「ということは、あたりにエネルギーをまき散らす、つまり影響を与えるってことですか?」
「そうよ、そういうことよ。光は、電子よりずっと身軽(質量ゼロ)なので、結構遠いところまで飛んでいくのよ。ガンマ線は、もっとエネルギーも大きいので強力ってことです。」
   
「そうか、ときどき、インターネットで『放射線とは、ある種の元素が出す目に見えない光のこと』などといった説明を見ることがあるけど、あれは間違いなんですね。」
「そうね。光だけではないのよ。いろいろな放射線があるのよね。時々、嘘が書いてあるからご用心!ご用心!α線やβ線は光ではないの。で、ガンマ線は『目に見えない光』といってもいいでしょう。光子は1種類ではなく、その持っているエネルギーによって区別されるの。エネルギーが違うと違った性質を持つからなのよ。γ線はすごい高いエネルギーの光子の放射線ってことね。」


放射線Q&A ー 放射能と放射性物質」へ続く (文責:坂東昌子・中野享香)